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忘れられない言葉たち

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#エッセイ

Unconditional love 無条件の愛

Unconditional love 無条件の愛

ある友人と、メッセージのやりとりをしていたときのこと。

「無条件の愛、一生できる気がしない。笑 母になったみかち(わたしのこと)に今度聞いてみたい」

彼女はおそらく色恋のことで無条件の愛、を考えるに至ったのだろう。わたしもその点では「一生できる気がしない」。かといって、対子どもで無条件の愛を感じるかと言われると...正直、いまいちピンとこなかった。いつまで経っても自分自分のわたしは、子どもを持

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We are not alone. 僕らはひとりじゃない

We are not alone. 僕らはひとりじゃない

アレクサンダー・テクニークのワークショップに出たときのことだ。

インストラクターの先生が、体の使い方、わたしたちの陥りがちな思考やそれに対するサジェスチョン、参加者同士の対話やボディーワークを加えながら進んでいく。

「あなたが演奏しているのではない、世界が演奏しているんだ」
(その日は楽器を持って参加している音楽家も何人かいた)

「『人を待たせている』と思うと焦るけれど、茶道のようにセレモニ

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That's why I fell in love with you. だから君に恋してしまった

That's why I fell in love with you. だから君に恋してしまった

その日、待ち合わせの場所に友人と向かっていたわたしは、久々に会った彼女との会話が楽しくて、飛び跳ねながら歩いていた。

文字どおり、駅前の広場を、ぴょんぴょんと飛び跳ねながら。

たくさんの人が集合していた待ち合わせ場所でその様子を見ていた彼が、のちにこう言った。

That's why I fell in love with you.
「あのとき、楽しそうに飛び跳ねながら歩いてくる君を見て、恋に

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"I love him more than myself" 彼を自分自身より愛してる

"I love him more than myself" 彼を自分自身より愛してる

交わされたそばから忘れていく言葉たちのなか、時折ハッと胸を打ち、記憶のなかから消えないひと言がある。会話のなかで、ふと開いた本のなかで、気まぐれで観た映画のなかで。

わたしにとって英語は母国語ではないからだろうか。「わかった」嬉しさや、日本語にない発想からのひと言に、しばしば目を見開かれ記憶に刻み込まれる。

アメリカの同性婚裁判を追ったドキュメンタリー映画を観たときのこと。原告の男性が法廷

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