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【NML】Vol.1_西岡隼哉さん(New Art代表・作曲家)

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西岡隼哉(にしおか じゅんや)
New Art 代表・作曲家。高校生の頃、豊田ミュージックアカデミーにて楽理(研究生課程受験)を塚本一成氏に師事。名古屋芸術大学卒業後、サウンドクリエーターを経て、アーティスト、企業、市内小学校などに楽曲提供を行う。2015年には音楽スタジオ「feelsound」を設立。地元の音楽文化を盛り上げるため、精力的に活動している

豊田市で音楽イベントの企画運営などを行うクリエイターチーム・New Artの代表として、また、作曲家としても活動する西岡さん。地方×音楽×フリーランスという形で活躍するまでの、これまでを教えてもらいました。

エレクトーン・作曲を学び
音楽づくしの日々を過ごす

–西岡さん、本日はインタビューさせていただきます。よろしくお願いします!
西岡さん
よろしくお願いします。緊張するね(笑)

–そうですね(笑)それでは、改めて西岡さん自身について教えてください
西岡さん
今38歳で豊田市に住んでいます。豊田高校を卒業してからは名古屋芸術大学の音楽教育学科電子楽器コースで勉強していました。5年前にこの「New Art」という市民団体を立ち上げて、音楽イベントを企画運営したり、地元で音楽活動する人のサポートをするなど、幅広く音楽に関わる活動をしています。また作曲家として、様々なアーティストや団体に楽曲提供もしています。

–音楽が好きになったきっかけはなんだったのですか?
西岡さん 4歳から母の勧めでエレクトーンを習っていました。小学校は個人レッスンで、中学高校はヤマハの教室に通っていました。「ヤマハフェスティバル」というコンクールでは東海地区代表で全国大会にも出場しました。やめたいって思うこともたまにあったけど、いろいろな賞もいただけて、楽しかったですね。高校では部活も入らず、毎日エレクトーンを練習して。小さい頃から音楽が身近にありましたね。

–どんな曲を練習していたんですか?
西岡さん
フュージョンです、チック・コリアとか。母がそういう音楽を聴いていたので。あと「ミッション・イン・ポッシブル」とか映画の曲だったり、インストばっかりでした。J-POPや流行りの音楽を聴くようになったのは、わりと最近です。

–エレクトーンをやっている時から、将来は作曲家になろうと思っていたのですか?
西岡さん
いえ、全く思っていなくて。ただ、大学に5年間通ったんですけど、最後の1年は自分の好きな分野を研究できるってなって、どうしようか迷っていた時に、高校生の頃お世話になった「豊田ミュージックアカデミー」の塚本一成(いっせい)先生に相談したら、作曲を勧められて。それで1年間勉強して大学を卒業した後に、友人から「今度、ミュージカルの舞台を自主制作するから、曲を作ってくれ」って頼まれて、初めてお客さんに自分の作った曲をちゃんと聴いてもらう機会ができたんです。リアルな反応がみられたし、褒めてくれる人もいて、作曲とか、誰かに曲を提供することって楽しいなと感じましたね。

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↑長年使用しているYAMAHAのキーボード。鍵盤を押した時に、跳ね返りしすぎず雑音が少ないところが気に入っているのだそう

地元の方にとって、
もっと音楽やアートが
身近なものになってほしい

–豊田市のご当地アイドル「Star☆T」の1stアルバムでは、「愛を目指せ」という曲を提供されてますよね。どういう経緯だったのですか?
西岡さん
プロデューサーの清水さんが、記念すべき1stアルバムだから豊田市で活動するクリエイターだけで作り上げたいという企画を考えていて。それで声をかけていただいて、1曲担当することになりました。以前、メンバーの1人のソロ曲も2曲すでに担当していたので、覚えていてくださったみたいです。清水さんからはテンポが良くて、四つ打ちで、アイドルっぽい感じでっていうオーダーをもらっていて、それでもわりと自由に作ってくれていいよって言ってくれたので自分の得意なクラシックの要素とか、意外性のあるロック要素とかを織り交ぜて作曲しました。

–音作りのポリシーみたいなものってあるんですか?
西岡さん
「映像がイメージできる音」ですかね。映画を観るのが趣味なんですけど、物語の展開に合わせてこんな時はこんな音が合うんだ、とか今の音って何を組み合わせているんだろうとか、そういうことを考えながら観ちゃいます。映画からはかなりヒントをもらっています。

–音楽の中心地ってやっぱりまだまだ東京なわけで。なぜ豊田市を選んだんですか?
西岡さん
自分が育った町だから思い入れがあるし、豊田でできなかったら、東京に行ったってできないと思う。負けず嫌いなので、あえて豊田で勝負したいんです。何かしたいけどどうしたらいいか分からなくて困っている人をサポートしたいし、アートを表現できる場所がもっと増えたらいいなって思っています。アーティスト活動でお金を稼げるようになるまでの仕組みづくりとか、僕たちNew Artがきちんと整えていければ。

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↑豊田市駅周辺のレンタルスペースを使って不定期開催している路上ライブイベント「Art Music Place」。音響設備を確認する西岡さん

–アーティスト活動って不安や悩みも多いですもんね。
西岡さん そう。フリーランスの仕事もだけど、来月もどうなるか分からないっていう不安とかストレスは尽きない。親へ申し訳ないって気持ちもあるし。でも、逆に良かったこともあって、周りの人がすごく親身になって支えてくれて理解者になってくれています。自分の夢が、みんなに支えられてたくさんの人の夢になってる。そうなると不安に負けてられないし、もう自分の意思ではやめられないですよね。

–今後はどのような活動をしていきたいと考えていますか?
西岡さん
今は路上ライブのイベントを不定期で開催しているのですが、もっと動員を増やして名前を知ってもらって、ゆくゆくは豊田市で大きなフェスができたらいいなと思っています。また、サポート活動はもちろん続けていくんですけど、すでに活躍している団体とチームを組んで、新しいことにどんどん挑戦していけたらいいですね。

–このフリーペーパーと一緒に、地元の音楽シーンを盛り上げていきたいですね!では最後に読者向けてメッセージをお願いします!
西岡さん
夢を叶えるのって本当に大変で、1人でやれることって限られてます。だから、自分を理解してくれる人のことは、めちゃくちゃ大事にして欲しい。やりたいことをやらせてくれてありがとうって。それが、続けていく力にもなります。

インタビューの最後に、「フリーランスに向いてる人ってどんな人だと思いますか?」と尋ねると、「暇な人じゃないですか?」と冗談っぽく笑って答えた西岡さん。4歳からずっと音楽を続けてきたのは西岡さん本人の努力があってこそなのに、苦労を見せず、周りの人への感謝の気持ちを忘れないその人柄に、きっと多くの人が力を貸したいと思わされるのだなと感じました。これからも、西岡さんの活躍に目が離せません。音楽活動で悩んでいる人、豊田を音楽で盛り上げていきたいと考えている人は、ぜひ一度New Artに相談してみて!

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レコーディング

↑今年(※2019年)4月にリニューアルした西岡さんの音楽スタジオ「feelsound」。レコーディング室を完備しており、ここで録音から編集までお任せできる


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New Art
豊田市市木町1-11-3
http://n-a.work
Twitter:@Newart_Toyota/@ac_j_ac


Star☆T 1st Alubam 「メロウ」



※この記事は2019年3月に取材しました
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※公式Twitter:@NML2019
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