たばる (田原美穂)

Sustainable Journey代表。NY在住サステナビリティコンサルタント&マ…

たばる (田原美穂)

Sustainable Journey代表。NY在住サステナビリティコンサルタント&マーケッター&ライター。市場調査・事例研究・講演・執筆・視察・コンサルティングなど、日本企業が本気でサステナアクションを進めるためのサポートをしています。

最近の記事

NYファッション・ウィーク中に開催された一般公開イベント

今秋も、NYFWが9月11日まで開催され、ファッション業界関係者が世界中からこの街に集結した。 パンデミックを機に、ファッションショーの在り方が大々的に変化する事も予想されていたが、その予想は裏切られ、NYFWの在り方は変わっていない。デザイナー、モデル、バイヤー、ライター、インフルエンサー、コンテンツクリエーターなどが大移動し、大規模にセットされたステージで、素晴らしいランウェイを堪能する。 その様なサステナビリティや気候変動問題からすると、非常に残念なことではあるが、

    • 今週のサステナビリティ NEWS!

      この時期になると、NYFWなどファッション関連や、Climate Weekなどの気候変動、サステナビリティ関連のイベントが近づいてきて、わくわくしてきます。 今週のNewsの焦点①は、世の中の流れや購買行動に循環型モデルがますます入り込んできた事を示すニュースをふたつ。 焦点②は、循環型モデルを単純に組み込むだけではなく、そこに人が集まる仕組みを作らねば、サービスが同じでも勝者敗者がハッキリと別れてしまうよ、という事を示すニュースをふたつ取り上げた。 eBayが古着のシ

      • 今週のサステナブルNEWS!

        先週は夏休みでお休みしていましたので、2週間分のサマリーです! 今週は、特にサステナブルな企業のマーケティングについてフォーカスしています。 エアビー(Airbnb)が結婚式用のゲストドレスを無料レンタル友人の結婚式へのご招待はとても喜ばしいこと。だが、何度着る機会があるか分からない素敵なドレスを毎回買うのは、環境にもお財布にも優しくない。近頃は、Rent the runwayなどのレンタルに走る人も多いと思うが、エアビーと、英国のレンタルサービスBy Rotationがそ

        • 今週のサステナブルファッションNews!

          今週のサステナブルファッションNewsはこちら! THREDUPの2023インパクトレポート発表 AMAZONがSHIENなどに対抗した格安カテゴリーをローンチ予定 英国の百貨店JOHN LEWISがリペアサービスのトライアルを開始 繊維から繊維へのリサイクル新興企業RE&UPが新たな大規模融資 THREADUPの2023年インパクトレポート Threadupとは、米国の主要なオンラインリセール企業だが、2023年のインパクトレポートを発表した。 特に気になった

        NYファッション・ウィーク中に開催された一般公開イベント

          今週のサステナブルファッションNews!

          約3年ぶりのNote。 久しぶりに更新しようと思ったきっかけは、2つ。 1. ヨーロッパで注目のサステナブルな規制であるESPR(持続可能な製品のためのエコデザイン規則)が正式に施行されたこと 2.サステナブルファッションのNewsを、Linkedinを中心に届けているLydia Brearleyから、公式に翻訳版を出していいとの承諾を得たこと サステナブルファッションに関わらず、日本では、気候変動や、サステナビリティ関連の規制、ファッションニュースなど、日々の情報量が

          今週のサステナブルファッションNews!

          NYで美容雑誌がリアル店舗になった!これからの店舗の在り方IRL ("in real life")

          NYの街に完全に活気が戻ってきたと同時に、コンデナスト傘下のビューティーマガジンAllure(アル―ア)が、Sohoに世界で初めてのリアル店舗を7月1日にOpenした。 「リアル雑誌がリアル店舗になる!」という事で、早速どんなお店か訪れてみたのだが、新しい店舗の在り方の見本となりそうなお店だったので、その凄さをレポートしたい。 米国ではIRL shopping experience ("in real life" =リアルなショッピング体験)と表現されている。 All

          NYで美容雑誌がリアル店舗になった!これからの店舗の在り方IRL ("in real life")

          世界初のGoogle Storeは商品を試すだけの場所じゃない!

          構想から4年を経て、世界初のGoogle StoreがNYのチェルシー地区に昨日(6/17)Openした。Googleの売上の約8割が広告収入だが、Google StoreのようなGoogle製品を体験し購入できる、物理的な店舗を作った意味を見つけるために訪れた。早速どんな場所だったのかをレポートしたい。 Google Storeは、Googleオフィスの一階に作られたのだが、近くまで歩いていくと、まず目に入ったのが連続した青いバルーン。 バルーンについての説明書きは何も

          世界初のGoogle Storeは商品を試すだけの場所じゃない!

          米国における社会課題への企業取り組み

          毎日色々なニュースが飛び込んでくる中、3月初めに国際女性デーがあった事も、3月一杯は女性史月間とされている事も既に忘れられているのではないだろうか。 このような特別な期間は、改めて女性の権利や男女平等について、もしくはいかなる差別について考える良い機会だが、そもそもこれらの社会課題は365日毎日考えて協議されて改善すべき事である。 米国の「ジェンダーギャップ指数ランキング」は世界53位、その中でも「女性の経済への参加と機会」は26位である。日本の「ジェンダーギャップ指数ラン

          米国における社会課題への企業取り組み

          ステイホームで加速するプラントベースのライフスタイル

          まだ収束を見せないコロナ禍で、3食とも自炊をするようになった方は多いのではないでしょうか。自宅の食事では、免疫力を高める食材を取り入れるなど、健康な身体と心を保つことに関して、今まで以上に関心が高まっています。野菜やナッツ類、穀物などを多くとり、健全なライフスタイルをおくる事により、免疫力が高まる事も証明されています。 その様な流れの中、全世界が参加するVegauary というイベントが1月の間開催されています。 Veganuaryとは英国の非営利団体が始めた活動で、年に一

          ステイホームで加速するプラントベースのライフスタイル

          サステナブル・ブランドに必要な10のデザイン戦略(前半)

          NYのファッション工科大学(FIT)では、”起業家のためのサステナビリティデザイン(Sustainable Design Entrepreneurs)”という授業が6年前から提供されている。今年はオンラインでの開催となってしまったが、そのおかげで全米または海外からも授業に参加するブランド創立者や、デザイナー、マーケティングマネージャーなどの社会人が多い。 その内容のごく一部だが、日本のファッションに関わる人達全員に知ってほしいサステナブルデザイン戦略がある。TED's TE

          サステナブル・ブランドに必要な10のデザイン戦略(前半)

          ブラックフライデーは今年で消滅?

          日本では、年々盛り上がりを見せるブラックフライデーですが、米国では今年がブラックフライデー最後の年か?と、言われているほど様子が異なります。 ブラックフライデーとは毎年11月の第4木曜日、サンクスギビングデー(大感謝祭)の翌日に行われる大SALEの事を指します。多くの人が買い物に押し寄せ、売り上げが黒字になる事から”ブラック”フライデーと呼ばれるようです。 アンチ・ブラックフライデー小売店にとって、一年の内で最も重要といってもよいSALEイベントに対してNOを突き付けるア

          ブラックフライデーは今年で消滅?

          NY&コロナ禍での出産体験1

          2020年5月1日に娘をNYで出産して、もう半年になる。誰にとっても特別な年に特別な経験をしたことを忘れないうちに記しておきたい。また、今後米国NYで出産を予定している女性にとって、少しでも参考になれば嬉しい。 東京の産婦人科からNYへ私が妊娠発覚した際には、主人のNY転勤の話は出ていたものの、いつになるのかは、はっきりと決定していない状態だった。 夫婦共働きの私達は、私自身も仕事が好きで優先度がとても高かったので、「一人東京に残って出産し子供を育てる」、という事も考えて

          NY&コロナ禍での出産体験1

          米国はサステナブル先進国なのか?

          地球環境を守るために私達に残された時間は7年強。 9月21~27日に開催されているNYのClimate week(気候変動週間)は、その事を広く多くの人に認識してもらい、行動を起こすための強化週間だ。 生活者のサステナビリティマインドClimate Weekのような環境に関するイベントや活動、サステナビリティがブランドパーパスになっているブランドや、リサイクル商品などが多く存在する米国。また、あるサーベイでは3分の2の生活者がサステナビリティのためなら商品が類似商品と比較し

          米国はサステナブル先進国なのか?

          NYの今どきレストラン事情

          NYでの生活で楽しみだった事の一つは、”食”。お洒落なカフェに犬連れでカフェラテを飲みながら読書をし、友人たちとNYっぽい洗練されたインテリアに囲まれたレストランでランチを楽しむ。そんな事は、勿論ロックダウン中は制限されていた訳だが、NYでは6月22日のPhase2からアウトドアダイニングが再開している。だが、今までのレストランガイドは使えないほど様変わりし、可能な限りコンタクトレスになってしまった”今どきNYのレストラン事情”を共有したい。 レストラン数が激減2020年3

          NYの今どきレストラン事情

          家探し in NY ~ニューノーマル~

          7月からNYのUpper East Sideに住み始めた。(写真の豪邸ではありません) 5月から、つまりNYではコロナ感染真っ盛りを少し過ぎた時に家を探していたわけだが、今までにない方法で行われ、とても効率的だったので紹介したい。 NY賃貸価格下落の現状NYのマンハッタンから人が郊外へ流出している、という話はNewsでも聞いたことがあると思うが、それが賃貸価格にも反映されている。コロナ感染の最初の時期は、裕福層が郊外の別荘へ避難するという状況だった。だが、NYにオフィスを

          家探し in NY ~ニューノーマル~

          今、バングラディッシュ「ラナ・プラザの悲劇」以上の事が起きようとしている

          私達は、2013年にバングラディッシュの縫製工場「ラナ・プラザ」の崩壊で多くの犠牲者を出した大惨事によって、学んだはずではなかったのか? COVID-19の影響により、「ラナ・プラザの悲劇」より多くの犠牲者を出す可能性がある。多くのアパレルブランドが生産国への支払い責任を破棄している。 世界中のアパレル店舗が閉店している影響で、既に生産完了している商品や生産途中の製品のキャンセルや支払い拒否など、膨大なしわ寄せが安価な労働力で産業を担う途上国に来ている。 通常、多くの発

          今、バングラディッシュ「ラナ・プラザの悲劇」以上の事が起きようとしている