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NYの今どきレストラン事情

NYでの生活で楽しみだった事の一つは、”食”。お洒落なカフェに犬連れでカフェラテを飲みながら読書をし、友人たちとNYっぽい洗練されたインテリアに囲まれたレストランでランチを楽しむ。そんな事は、勿論ロックダウン中は制限されていた訳だが、NYでは6月22日のPhase2からアウトドアダイニングが再開している。だが、今までのレストランガイドは使えないほど様変わりし、可能な限りコンタクトレスになってしまった”今どきNYのレストラン事情”を共有したい。

レストラン数が激減

2020年3月1日時点でOpenしていたレストラン(米国全土Yelp掲載店のみ)のうち、2万6千店舗が現在(7月10日)でもCloseしている。そのうちの6割が今後Openする見込みもなく、撤退するとの事。

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(参照)https://www.yelpeconomicaverage.com/yea-q2-2020.html

また、全ての店舗が閉店していた4月時点から現在までにOpen出来ている店舗(レストラン業を含む上記の業態)は24%しかない。

私も、行ってみたいレストランリストをGoogle Map上に保存しているが、半分以上は一時的に閉店(Temporary Closed)のサインが出ているか、短縮時間で営業しているので、この数字は実感とも合っている。このまま、味わってみたかった食事が出来なくなるのか、、、と思うと、とても残念。

増え続ける歩行者天国

NYでは、レストランの撤退を出来る限り防ぎ、市民が安心して食事を楽しめるように、アウトドアダイニングをサポートする"Open Streets"と呼ばれる歩行者天国制度がPhase2と共にスタートした。 通常は車も通れる普通の道路が、金曜日の5PM~11PMと土日の12PM~11PMは歩行者のみの通りとなる。Google Map上でブルーの点線で囲ってある道がOpen Streetsだが、こういった場所がどんどんと追加されており、NY市全体で76カ所にまで今現在(8月14日)は膨らんでいる。

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このOpen Streetのおかげで、9500店舗以上のレストランがアウトドアダイニングを提供できるようになっている。

私が訪れたいくつかのレストランでは、店内での食事が提供できない分、店の回転率を上げるためか、アウトドアダイニング用に縮小されたメニューとなっていた。また、バーなどでは酔っぱらいすぎてソーシャルディスタンスを忘れないように、飲み物だけの注文は禁止されており、常に食事と一緒に注文をしなければならない事がNY市から忠告されている。

アウトドアダイニングは、夏の間は最高に開放的で気持ちがいい食事が出来るが、NYの冬は寒い。この制度は来年の夏も実施される事は決まっているが、今年は10月31日までで終了する。その後は、店内での食事が許可されるかどうかのアナウンスはまだされていないので、どうかレストランでの食事が出来るように、このままコロナ感染が抑制された状態でいてほしいと願うばかり。

進化するコンタクトレス

レストランのニューノーマルが出来つつある。可能な限りコンタクトレスのサービスになってきている。

まずは、通常見かける厚紙のメニュー表が店から消えつつある。下記の様な、QRコードを自分のスマホでスキャンしてメニューを確認する形式か、使い捨ての薄紙のメニュー表に取って代わられている。QR形式は、衛生的で、メニュー変更時でも簡単に書き換えられるのでサステナブルでとてもいい。

ただ、自分でQRからメニューを見に行く行為に慣れてないので、例えば食後のデザートをウェイターに勧められた時に、デザートメニュー表を持ってきてもらえるだろうと思い込み、しばらくボーっと椅子に座って待っていた、という経験をしてしまった。

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そして、少し感動したのが決済方法の進化。

今までの決済プロセスの多くはこういったもの。
①お会計時にウェイターが詳細を持ってくる
②客がクレジットカードをウェイターに渡す
③ウェイターが店内の奥の方に入って決済端末で操作
④ウェイターが客に決済後のレシートとクレジットカードを持ってくる
⑤客がサインする
会計終了!

色々な決済端末の進化はあったものの、基本的にはクレジットカードをウェイターに渡すという行為や、決済端末を店側が持ち、支払金額を入力という発生していた。また、ウェイターがクレジットカードを持ったまましばらく戻ってこないので、店を出る時間がかかったり、見えない場所で決済されるので不安になったりしたり、という経験を持つ人は多い。

それが、全てウェブ上で(アプリもダウンロードする事なく)、ウェイターを待つ時間もクレジットカードの不正利用の不安もなく、ストレスフリーに決済を客側で完了できるという経験に変化!レストランにいながら、オンラインショッピングをしている感覚。

変化した決済プロセスは
①ウェイターがアイテム詳細とQRコードが付いたレシートを持ってくる 
②客は、QRを読み出てくる詳細を確認
③一人で全て支払うのであればPay for everythingを選択。数人で割り勘するのであれば、各々のスマホでQRコードを読み、Split chekを選択
④Split chekの場合は、アイテム毎で割り勘か、割り勘する金額を入力するかを選択できる
⑤支払者のクレジットカード情報を入力
お会計終了!

ウェイターの介入が圧倒的に少ない。

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私が体験したコンタクトレスな決済は、Up n' goという2016年創業の会社が作っているものだったが、ここのサイトにも記載されているように、とても多くの利点がある。

DINERS(顧客側の利点)
Leave whenever you are ready(支払い終了後いつでも店を出れる)
Split the check simply and fairly(割り勘が簡単)
Pay securely without your credit card leaving the table(クレジットカードを渡すことなく安全に支払いが出来る)
Provide immediate feedback (直ぐにフィードバックを送れる)

レストラン側の利点としても、顧客が支払いを済ませてくれるのでウェイターの時間節約になる事や、システムの開発こそ必要だが、決済端末を導入する必要がない事などがあげられる。

そして、今一番重要なのは衛生的!と、いう事。

こう言った効率化や利便性が上がるコンタクトレスなサービスや仕組みは、この機会にどんどん増えていくだろう。楽しめるレストランは減ってしまったけど、一つ一つの食事体験の満足度が上がればそれはまた喜ばしい事だ。


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