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水無月、京都。宇治あじさい紀行

来ちゃった、宇治♡

平安貴族のリゾート地にして、源氏物語・宇治十帖の舞台です。

朝一番に訪れたのは、三室戸寺。

紫陽花で有名なお寺です。

地植えの紫陽花は3分咲きくらい(2022/6/4)

この季節は、紫陽花で描かれたカラフルな鯉が石段を昇っています。

鶯が鳴き交わす、すがすがしい空気を胸いっぱい吸い込みました。

かげろうの道をたどり、源氏物語ミュージアムを経て、かわいい兎が待つ宇治上神社と宇治神社へ。

宇治という地名は、もともと神様の名前にちなんで「菟道」と綴ったそう。

至るところで兎に出会うことができます。

おみくじも、兎の人形のおなかに入っていました

宇治上神社の拝殿は、現存する日本最古の神社建築。世界遺産にも登録されています。静謐な雰囲気ただよう素晴らしいお社。大好きな場所がまたひとつ増えました。

悲劇のヒロイン浮舟が入水した宇治川を渡り、平等院鳳凰堂で十一面観音様の柔和なご尊顔を拝します。

ここまで来ると、修学旅行生の姿も増えて、さすがに賑やかな雰囲気。

締めくくりは、お茶の香り漂う商店街へ。

創業160年を超える老舗のお茶屋さん、中村藤吉本店で、季節限定の「まるとパフェ」を。

つめたい竹筒に入って供されるパフェをひとくち食べると、口いっぱいに広がる新茶の爽やかな香り。

午前中にもかかわらず1時間待ちでしたが、これはまたぜひ並んでも食べたい!と思いました。

一片の悔いもなく宇治の旅を終え、午後は今出川まで足を延ばして、ずっと訪れたかった樂美術館へ。

千利休さんの時代から代々、手びねりの茶碗を作りつづけてきた樂家の歴代作品を鑑賞することができるのです。

企画展は『茶碗が紡ぐものがたり』というテーマで、歴代の名物がストーリーと共に展示されています。

静かな空間で、一つひとつの茶碗にじーっと向かい合っていると、つくり手の面影が浮かんでくるよう。

この茶碗をつくったのはきっと几帳面な人だな、とか、ちょっとひょうきんな人だったのかも、とか。

ポスターにも使われている「猫割手」は、猫が割ってしまった大切な茶碗を、当主の奥様が銀継ぎに出したものだそう。

茶碗に込められた想いや歴史を知ると、小さな器一つひとつが、独自の意思を持ち呼吸するいのちのように思えてきます。

なんだか、久しぶりに茶室で点てたお茶が飲みたくなって。

東京にいらっしゃる先生のお顔を思い出すにつけ、胸がきゅんとします。

またお会いできる日まで、お話したいことたくさん、心の引き出しへ畳んで大切にしまっておこう。


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