女性は昇進意欲がないってホント?|子連れMBAの話3
(シリーズですが単独でも読めます)
これからの子連れMBAを考えるため検討を始めたワーママチーム。前回までの検討で、世界の中の日本の現状を探り、ジェンダーギャップ指数が最下位グループの日本と、この理由「政治や経済など各分野で、意思決定のできるポジションに女性が非常に少ない(女性リーダーが少ない)」ことがわかりました。
それではなぜ、日本には女性のリーダーが少ないのか?私たちは管理職を中心に、Web上で様々な調査結果を調べました。その結果、多くの調査が真っ先にあげらていた理由をまとめると「女性が管理職になりたがらない」ことでした。
女性だから昇進意欲がないだなんて嘘!
外資系企業プロジェクトマネージャー、子連れ海外単身赴任経験ありの国際協力機関職員、バイリンガルの研究者兼最年少マネージャーといった、そうそうたるワーママが集まった検討メンバー。この結果を見て
「女性だから昇進意欲がないだなんて嘘だ!そんなはずはない!」
という反論が出まくりました!
そこで、更に子連れMBAの参加者に実際の話を聞いたり、他の資料などを読み込みました。そこから見えてきたのはふたつの背景です。
「今のままの状況では」管理職になりたくない
実際に私たちの周りの状況をみたり話を聞いてみると、「管理職になりたくない」という理由の前に実は、「今のままの状況では」という前置きがついているのです。
「今のままの状況」というのは、主に2つの状況を指しています。ひとつは、子育てと仕事の両方を思いっきり楽しみたいが、それが難しい現状のこと。子育てにより時間の制約があり、子供の病気など突然のトラブルなど日常茶飯事のワーキングマザーにとって、成果よりも決められた時間・場所にいることに重きを置かれる職場環境や評価の現状があたります。
例え、フレックスタイムや時短制度など、柔軟な働き方が可能となる制度が導入されていたとしても、現実的に活用できないというケースも多々あり、管理職になる意欲をそがれる「今のままの状況」のひとつです。
「コンプライアンスがしっかりした大企業ではそんなことないだろう」
そう思われるかと思いますが、大企業であっても、支店や部署によっては、上司など職場状況により、柔軟な働き方のための制度があったとしても、現実的に活用できないという困りごとは非常によく聞きます。
管理職の仕事に魅力がない
上記よりは少ないものの、たまにでた理由は、管理職の仕事の魅力のなさ。「会社で、予定調和で物事が決まらない会議を見ていると、出世してもつまらなさそう」という声もあります。誰もが知る大企業に勤務している人たちから時々聞きます。
この不満は男女問わずあるものの、共働きの多いワーキングマザーは、一時的に収入面で夫を頼ることもできるため、一本だけの大黒柱として働く男性より気持ちに正直に、思い切ったキャリアチェンジを選ぶ人が比較的多いようです。それもあって、男性より女声の方が本音を話してくれる傾向でした。
ワーキングマザーの自信の喪失
前述のマッキンゼーの報告書には、その原因として、女性自身の意識についても要因として触れられていました。
マッキンゼーは、この自信の差だけが、男女間の昇進意向の差の原因とは考えにくいと述べてはいます。しかし、毎年周囲のメンバーの声を聞いてきた経験から、ワーキングマザーの「自信」についてはもう少し注目すべきポイントと考えました。
毎日の「ごめんなさい」で自信を失うワーキングマザー
特に乳幼児の子育て中は、時間の制約に加え、子供の突然の体調不良などトラブルがつきものです。(体調不良ではない、単なる機嫌が悪く「保育園行きたくない!」という時でも、嫌がる子供を言葉の通り引きずって連れていくのは、胸が張り裂けそうな気持ちです。)
いくら時短や休暇制度があったとしても、これら時短や休暇をとる度に周囲に「ごめんなさい」を言い続けながら働いているワーキングマザーが少なくありません。
この毎日の「ごめんなさい」によって、自分に対する自信を失っている人も少なくはなさそうです。組織や働き方が変化し「ごめんなさい」を言わなくてもよい環境へと変化すると、こちらも改善が見込まれそうです。
その点、昨年から大手企業を中心とするリモート勤務の広がりによって、ワーママの「ごめんなさい」の回数は確実に減っています。これは働く母の自信回復にかなりプラスに作用することでしょう!
女性は昇進意欲がない根本の理由は「仕事と生活のバランスが取れない現状」
このように、女性リーダーの少ない大きな要因としてあげられる「女性が管理職になりたがらない」という言葉。実態を探るとこの言葉の裏には、「働く母を取り巻く環境=仕事と生活のバランスが取りにくい現状」が根源にありました。
そして、この状況によって、ワーキングマザーは自信を多少なりとも削られ、昇進意欲をそがれている現状が見えてきました。
ワーキングマザーから組織を変える!
この解決のためには、根本の原因となっている組織や社会が変わることは必須です。それと同時に、ワーキングマザーへのアプローチとして、自信を回復を促すことも大切です。
そこで、ワーキングマザー自身が組織や社会を変えるパワーとなり、その経験を通じて自信を取り戻せると最高だね!こうして、「出産・子育て」という女性特有のライフイベントの真っ只中の働く母が、その個性を生かして組織や社会を変えていくリーダーになるとよいね。そして、後進の女性のリーダーもどんどん増えていく循環が生み出したいね。
私たちメンバーはそう考えました。
(次の記事)
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