MBA=Makers of Business Art|子連れMBAの話5
育休中に水を得た魚のようにいきいきとしていた子連れMBAのメンバーが、復職後どんどん水を失って行く様子・・これをジェンダーギャップからひも解くと、解決のカギは「意思決定ポジションの女性を増やすこと」が見えてきました。
7年目を迎える子連れMBAがこれから果たすべきミッションは何なのか?赤ちゃんを抱えながらハイスペックなワーママチームが、zoomとチャットを駆使したリサーチや議論を繰り返し1ヶ月。ようやく具体的なアプローチを(1)組織と(2)ワーキングマザーの2つの切り口で考えていくこととなりました。
スケジュールの都合により(こちら社内報としても活用しています😆)、組織へのアプローチは後日書くとして、今日は(2)ワーキングマザーに対する取り組みの検討について書きます。
前回までの記事はこちら🔽
人のためより自分のために
ここでふと立ち止まりました。
これまでの検討からは、会社のため、そして社会のためには、意思決定できるリーダーポジションの女性が増えることは絶対に有効だとわかりました。この目的のためには、ワーキングマザー向けのガチなビジネス勉強会を6年間続けてきた私たちが最も簡単にできることは「管理職となれる女性リーダーを育成」することです。
でも、みんながみんな管理職になって幸せなのか?管理職じゃなくても、起業してもいい、別の会社に転職をしても、仕事ではない別のことに専念しても、本人の幸せが一番じゃないか。
人生は自分自身のもの。組織や社会のためより、まずは自分のために生きてほしい。
このnoteシリーズを長々と書いている私自身もそうです。たまたま自分は女性ですが、ジェンダーや女性活躍に興味が強かったわけではありません。私が一番情熱を燃やせるのは「変える・創る」こと。たまたま今、働く母である自分が、子連れMBAを始めたことで仲間ができ、「変える・創る」を楽しめるからやっていて、社会貢献のためだけにやっているわけではありません。
そこで、「管理職となれる女性リーダーを育成する」という目標は無視して、まずは自分たちのありたい姿を考よう!ここから始めました。
「自分の価値観で決め、行動できる人」になりたい
ヒントとなるのは、過去6年間、毎年入れ替わりで子連れMBAの活動を運営してきた100名以上の運営メンバーと、今年からスタートさせた短期集中メンタルプログラム「ライフシフトチャレンジ」卒業生の数十名。
彼女らがブレイクスルーを経験し、晴れやかな顔になったのはとんな時かを思い返し、言語化していった結果が「自分の価値観で決めて、一歩を踏み出せた時」でした。
特に印象深いのが、どの人も、仲間と一緒に活動する中で「自分」を掘り下げるステップを踏んでいたことです。日々、仕事と子育てとで奮闘していると「自分」のことが後回しになってしまい、「自分」がそもそも何が好きで何が嫌いだったか。そんな自分の価値観が見えにくくなってしまうのかもしれません。
そこで、ありたい姿を「自分の価値観で決め、行動できる人」と一旦きめました。
武器を持ちたい
ところで、私たち、子連れMBAを運営する”一般社団法人ぷちでガチ”のバリュー(行動指針)は以下のとおりです。
(1)Play first: おもしろいことをしよう
(2)脱マイパターン: いつもと反対のことをしよう
(3)インパクト思考: 最小のパワーで最大のインパクトを出そう
引用:子連れMBA運営法人「一般社団法人ぷちでガチ」Webサイトより
この3つ目のインパクト思考は、子育てと仕事でとにかく忙しい私たち。行動するならば、最大のインパクトを追求しよう!と決めたバリューです。
子育てと仕事、両方とも思いっきり楽しみたいワーママの集う子連れMBAでは、このインパクト思考は欠かせません。そして、このインパクト思考を支える武器がビジネスの知識やスキルです。
私の原体験でも、ビジネススクールでの経験と、中小企業診断士の試験勉強は、その後、企業で経営企画や海外事業、教育機関での立ち上げの仕事から、起業に至るまで相当役立っています。
感覚としては、以前は現場で前しか見えなかったところが、常に100メートル高い視点から現場を見下ろすことができるようになりました。問題が起こると、問題の所在がなんとなくわかるようになったのは、ビジネスの知識とスキルが網羅的に身についたからです。
ただ、学位や資格がゴールでなければ、あれほどみっちり学ぶ必要はなく、むしろ普遍的なエッセンスに絞り込んで、代わりにイノベーションやメンタル的な内容が欲しいな・・など、ビジネススクールについて語りたいことは山ほどあるので、また別の機会に!
論語と算盤
私たちがありがい姿は、「自分の価値観に基づいて行動できる人」そして、その際に武器となるのは「ビジネススキル」ということが明らかになりました。
この私たちの想いを現すのにちょうどよい言葉がありました。
それは、渋沢栄一さんの『論語と算盤』です。
「道徳と経営は調和させるべき」という意味です。
私の大好きな言葉 「Cool head and warm heart:冷静な頭と温かい心」(経済学者のマーシャルの言葉)も本質は似ています。
自分の価値観や情熱は大切にするべき。しかし、それだけでは何も起こらないし、価値観や想いだけで突っ走ったとしても、やり方が悪ければインパクトは限られる。自分の価値観や情熱を持ち、資本主義社会においての武器=ビジネスの知識やスキルを使って行動する。
逆に、仕事ができても、自分の価値観や想いがなければ意味がない。
この両輪があってこそ、世の中をも変えるインパクトが起こせるにちがいない!
子連れMBA=Makers of Business Art
こうして、7年目をむかえる子連れMBAは、「自分の価値観に基づいて行動できる人を輩出する」ことをミッションにすることにしました。
そして、子連れMBAの「MBA」には、経営学修士ではなく「Makers of Business Art=ビジネスをツールとして自分を表現できる人」という意味を新たに込めました。
Makers of Business Artこそ理想のリーダー!
私たちの目指す姿「自分の価値観に基づいて行動できる人」と、子連れMBAの「Makers of Business Art=ビジネスをツールとして自分を表現できる人」。
よく考えてみると、これこそ理想のリーダー像です。
同質性の高いメンバーによる予定調和な会議。そんな中でも、自分の価値観に基づいて行動できるリーダー。これこそ私たちが望む、現状の組織や風土を変えるリーダーではないか!
私たちは、リーダーは必ずしもグループの長でもないし、役職でもないと考えます。管理職であってもなくても。仕事の場であってもなくても。例えば、ご近所のボランティア活動を自らサポートするような、ささいな行動であってもよい。
「自分の価値観で決めて行動できる人」それがリーダーだと考えます。
一人ひとりがそんなリーダーになると、閉塞感ただよう組織や社会にも明るい兆しが見えるはずです。
みんなで創る、コミュニティ型リーダースクール
ビジネスを学ぶだけのスクールではない。メンタルケアだけのプログラムでもない。『論語と算盤』のように、熱い想いとスキルを併せ持ち、自ら行動できるリーダーが生まれる場所。幸い、この土台は子連れMBAにしっかりありました。
6年前から、参加者から登壇いただいた先生まで、多くの方々と一緒に毎月の赤ちゃん連れのガチなビジネス勉強会をつくりあげてきました。
首都圏とは違った困難な環境で、関西だけでなく、全国のさまざまな地方都市のメンバーが、いろんなコラボを企画しながら盛り上げてくれました。
昨年からはメンバーの子供の保育園も休校となりハードな中でも、勉強会を一気にオンライン化を進めてくれました。
そして、この6年間の多くの人たちの想いを込めて「みんなで創る、コミュニティ型リーダースクール」という子連れMBAの新たなコンセプトが生まれました。次の挑戦はもう始まっています。(次につづく)
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