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私を変えた出会い - 4. あなたは40代のピアノ教師でママですが、作曲家になりたい、と気づいてしまいました。(さて、どうする?)

NYで出会った
私を変えてくれた人

4. あなたは40代のピアノ教師でママですが、作曲家になりたい、と気づいてしまいました。(さて、どうする?)

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想像してほしい。

あなたは40代のピアノ教師で、一児の母。ピアノ演奏の博士号を取得し、ピアノを教える充実した毎日だ。でも、ある日、私は作曲家になりたいみたいだ!と気づいてしまった・・・。

あなたなら、この時どうするだろう。
あなたは、今の立場を捨てて、作曲家になれるだろうか?

それを成し遂げてしまった人がいる。お友達であり、私の作曲の生徒さんの、みどりラーセンさんだ。

2019年、彼女が自作曲をはじめて披露したブルックリンの会場にて。終わったばかりなので、みどりさん涙でいっぱい。私は見守り終わったお母さんの顔に。

この選択は勇敢なのか、アホなのか


彼女の行為を勇敢と呼ぶか現実が見えていないアホと呼ぶかは、意見が分かれることだろう。

  • これからもどんどん活躍していけば、勇敢な決断だったと言われる。

  • これから不振が続いたら、ここぞとばかりにみな「だから言ったのに、それはリスクだって」などとアホ呼ばわりしてくる。

でも、そんなのどっちだって良いのだ。
だって、みどりさんがこれを、やりたかったんだから!!!

やりたいことをやるのが本来、生きる意味じゃないのか

世間には、目に見える分かりやすい結果、しか伝わらない。コンサートの回数とか、アルバムを何枚作ったかとか、何回賞を取ったかとか、そんなのばっかりが「すごい・すごい」と褒め言葉を集める。

  • その時作曲家本人がどんな気持ちで毎日を生き、幸せだったのか不幸せだったのかなんて、誰も知らない。きれいな服を来て高いお金をかけて腕の良いカメラマンさんに撮ってもらった写真だけが「いいね・いいね」と反応を集めることになる。

  • その背後で、作曲家本人がどんな気持ちでカメラマンさんと打ち合わせし、嬉しかったのか、悲しかったのかなんて、誰も知らない。


SNSにあふれている幸せそうな笑顔が必ずしも幸せの証拠だとは限らない、と私は思っているのだけど・・・みなさまはどうだろう。

みなさまは今、幸せだろうか?

みどりさんは、急な職業の方向転換をしたので本当に大変そうだった。

「犠牲にするもの」「諦めるもの」を幾つも決めなければ時間が生み出せず、決断のたびに腹に力を入れて、えいやあ!と決めて、前に進んできた。泣いたり悔しがったりするお顔をたくさん見てきたので、彼女がこの挑戦の間ずっと幸せそうだったとはとても言えないけれど

今この瞬間は、みどりさんは絶対宇宙一幸せな人のはずなのだ。

だって、今日これから、みどりさんの初単独コンサートがあるから!

やりたいことをやると決めて、自分で苦労することを選んで、努力を積み重ねて、ついに今日がやってきた… これ以上に幸せなことって、人生にあるのだろうか?ないよね、多分、と思う。

繊細な人でも、目標が定まった瞬間にメンタルは強くなる

私がこの記事をしたためている今日は2021年12月12日(日)。今は朝の9時で、午後2時半からみどりさんの初単独コンサートが始まる。

みなさんは、この話を聴いてどう思われるだろうか?

そういうのはメンタルが強い人じゃないとできないだろう
NYに住んでいて英語ができるとか、有利な点があったからこそ、できたんだろう、とか、思われるかもしれない。

でも、真実は、違う。みどりさんは絶対成し遂げると決めたから、強くなったのだ。

彼女はまず自分で、変わる!と決めた。すると、急に「負けたくない、やり遂げたい、これでやれなかったらすごく悔しい、私はそういう自分を見たくない」という気持ちを感じるようになって、泣いている日もたくさんあったけれど、地べたを転がりながらでもほふく前進のようにして進んでいって今のように強いメンタルになった。

最初は「私は作曲家です」と自己紹介することすら、怖かったという。でも先日の公開リハーサルでこんな笑顔になれるほど、彼女は変身された。

こちらはコンサートのプロモーションビデオ。
英語なので、日本語訳と共にご紹介したい。

あなたの人生を導くリーダーに、自分自身がなりなさい。

Crossing the Seas (海を越えて)

ようこそ!
私の名前はみどり・ラーセンです。私は作曲家です。

この組曲は、私の人生の旅路をテーマにしています。

私がアメリカにやってきた話に加え
私の祖母の話も盛り込みます。
彼女は故郷沖縄を去り、東京に引っ越した人なのです。

(注:第2次世界大戦中もしくはその前後の引越しであると思われ、相当に苦労の多い転居だったと思われる)

おそらく彼女は
人生でやりたかったことを全部やった女性でした。

女性はこうすべきだとか、こうすべきじゃないとか
そういう定義の中に自分を閉じ込める人でなかったのです。

(このプロジェクトで彼女の人生について調べるうち)
祖母からのメッセージを私は受け取りました。

人生でやりたいことは全部やればいい。
こうすべきだとかこうすべきじゃないとかは、関係がない。

私はこの同じメッセージを私の娘にも伝えたいのです。

外へ出なさい。
海を越えなさい。
世界を探索しなさい。
自分で選択をしなさい。
リスクを取りなさい。

そして、あなたの人生を導くリーダーに、自分自身が成りなさい。

(by Midori Larsen 訳 宮嶋みぎわ)

書いているうちに午前10時になったので、みどりさんは今頃荷物の最終チェックをして、家を出ようとしているころだろう。私もメイクをして家を出て、彼女が世界中の人を感動させる作曲家になっていくための、最初の最初のデビューの瞬間を見守りに行ってくる。

彼女はまだ、自分の音楽や言葉が、こんなにも人を感動させるなんて、知らないはず。そういうものなのだ、人生って。自分がどんな影響を周囲に与えてるかなんて、やってみるまで、わからないのだ。

ただ、必死に前向きに生きて、どんどん向上していく。するとそれを見て周りの方が泣いたり感動したり、してくださる。

今やりたいことがある方が、みどりさんの生き様からインスピレーションを貰ってくださったら心の底から嬉しい。みどりさんのインスタはこちら!良かったらコメントも、書いてあげてほしい。https://www.instagram.com/midorilarsen/

宮嶋みぎわ

※このエッセイは「私を変えた出会い」と題した短編エッセイシリーズの1つです。ヘッダーのイラストは親友坂本奈緒 の作品です。他のエッセイも以下からどうぞ!ご感想もお待ちしています。


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