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本紹介

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#絵本

現実と絵本

現実と絵本

昨日仕事から帰ったら、日経夕刊の一面記事のジビエ料理特集が目に飛び込んでき、日中職場で読んだ絵本のことが頭をよぎりました。

ブライアン・ワイルドスミスの『いぬとかりゅうど』です。

ハンターに同行して撃ち取った獲物をくわえて戻らねばならない猟犬くんですが、傷ついた獲物をかくまってしまい…

「捕獲・狩猟→解体・調理」という現実と、あまりに甘い絵本の世界。
絵本を読んでいると、「ああ、いつまでもこ

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おとなっていやね

おとなっていやね

高一の息子は、「大人ってヤツは…」というお年頃です。「チッ、大人は何にもわかっちゃいねぇ」とブツブツつぶやきます。
自分も中学〜高校の頃は、

大人が大っ嫌いでしたので、気持ちはわかります。

この、ウィリアム・スタイグさんの名作

『おとなってじぶんでばっかりハンドルをにぎってる』
という題名を目にした時に、瞬時に「これはまさに今息子が思ってることだ!」と感じました。
大人の嫌なところ満載(笑)

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月捕獲作戦

月捕獲作戦

帰宅後、ボーっとスマホを見たり雑誌をパラパラしておった。
「あ、もうこんな時間!洗濯物も取り込んでないじゃんっ」
とベランダに出たら、向かいの工事現場のクレーンが、月に伸びていた。

「あー、この光景を見せるために呼ばれたのかー(誰に?)」
と、妙に納得してスマホを取りに戻る。

この光景から思い起こしたのはこの2冊。

どちらも、登場人物が一生懸命、月に肉迫するおはなしだ。

子どもが小さか

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つかれたら やすめばいいんだ

つかれたら やすめばいいんだ

年末年始も無事やり過ごし、気が抜けるのかな。
ちょっと寒さが厳しくなってきたからかな。
「心も体もちょっとお疲れシーズン」の到来だ。

わたしの場合この時期は、「わたしの人生これでいいのかな」「どう生きたら悔いが残らないのかな」などという、ありきたりな問いが浮上してくる季節なのだ。

そんなゾーンに入ると決まって思い出すのがこの絵本。

鈴木まもる作『だんろのまえで』

吹雪の中、道に迷って辿り着

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一年が終わるときに

一年が終わるときに

大晦日。
誰しも一年を振り返ってしまう大晦日。
そして、来るべき年に何らかの期待と希望と抱負を抱いてしまう大晦日。

『ぐりとぐらの1ねんかん』(なかがわりえこ と やまわきゆりこ)

久しぶりにこの絵本を開いてみた。
12月のページ。
今年とお別れする「さよならパーティー」に来た人は、「ことし いちばん うれしかったこと」を話すことになっている。

これはいいな。
そういえば、小学校の「帰りの会

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年賀状のサルにお困りの方へ

年賀状のサルにお困りの方へ

年賀状。
今頃作ってます。
もうそろそろやめにしたい…かな?
でも踏ん切りがつかない。
もらったらやっぱり嬉しいし。

干支のイラストも、悩みどころですよね。
「サルかー…書けねーし」
と、思っていたら、こんな便利なものがありました。

「あそびえかきうた」シリーズ(全3冊)より
『はっぱの なかの はっぱっぱ』(よしだていいち作 しのはらよしたか絵)

この絵かき歌絵本に載っている、こちらの歌

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長新太とペンギン〜結果編

長新太とペンギン〜結果編

「長新太の絵本で、ペンギンが出てきて、ホテルの話で…」という、絵本捜索願いの結果発表〜!

週が明けて、当たりをつけていたペンギン絵本を依頼人に確認する時がやってきた。
「もしかして、これではないですか?」

『ペンギンやまのアイスホテル』(渡辺有一 作・絵)

果たせるかな、「これこれ、コレです!」と大感謝されたのであった。
「長新太だとばっかり思ってたけど、思い違いでしたねー」とのこと。
十数

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長新太とペンギン

長新太とペンギン

「長新太の絵本で、ペンギンが出てくる話があったと思うんですけど…題名を忘れちゃって」と、ある方から相談を受けた。
そういうご相談はとにかく嬉しい。「長新太といえば田村です!おまかせください!」と勇んで「これですかねー」とお持ちするも、「あー、違うなー」と言われてしまった2冊。
『カレーライスのすきなペンギン』と『まほうつかいのなんきょくさん』。

確かに、絵本ではないしね。文は違う人だしね。
でも

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