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2018年2月の記事一覧

今も違う場所を走っているんだよ

今も違う場所を走っているんだよ

オリンピックが終わった。選手はそれぞれの「何か」と向き合っているだろう。
時を同じくして東京マラソンが行われ、新しい記録も生まれた。
アスリート達の闘いは言葉に尽くせずとも、わたし達は二年後の東京に思いをはせる。

我が家の三人の子供達は、上ふたりが駅伝。末っ子がハードルをやってきた。オリンピックと重ねるのはおこがましいが、それぞれにやはり言葉に尽くせないものがある。そんな中で今日は長男。

周囲

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そんな世界を考えたこともなく

そんな世界を考えたこともなく

詩をメインに繋ぐストーリー

何処かに行くつもりも、アテも無かった。
それでも、何も信じなくなったわたしは考えられる限りの汚い手を使って、結局は船に乗った。
花は枯れるより前に腐った。
だからその時
魂の肉片を火薬の匂いがする悪魔の下僕に売った。

ミセモノゴヤノ カチク ダッタカラ まるで。

うまくやれよ、ラナー

赤黒く光る、頭の落ちた薔薇の棘がさかんに引っ掻きキズを作る。
そしてたいしたこ

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詩「fall」

詩「fall」

あなたが叫ぶ
引き金から飛び出した鉛は
罵声を切り裂き石の壁にめり込んだ
さあこれで生きられる
命を取られないし食い物にありつける
捕まえろ、早く

自分を傷付けほら
わたしをまた孤独にする
うまくやれよ、ラナー

故郷を捨て逃げ込んだこの街で
わたしはきっと花を売ろう

群衆の熱は火炎瓶を溶かし
やがて来る静寂を待つ
ほら
わたしひとりが
行き先の無い道の端で花を売る
何日かすればまた
怒り狂う

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詩 ダンスを踊れなくなった女狐は

詩 ダンスを踊れなくなった女狐は

場末の酒場はね

ちょっとあったまるには

ちょうどいい

どんな大層なことがあったか知らないけど

そんなに肩をいからせて

騒ぐほどのことじゃないでしょ

ほら見てよ

あんたがいつか言ってた

猫に小判な女たちが

陽気な迎えを待ってるじゃない

あたしだってあんなだったわ、ちょっと前までは

年の離れた弟が

お腹すかせて死んじまいそうになった時

助けてくれたのは青い目の兵隊さん

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《ブルーブラッド 》を書きたくなって

《ブルーブラッド 》を書きたくなって

ほんの束の間
近くて
遥かに遠いすれ違い

水曜の夜はネットのタイムライン、あちらこちらでにぎわっていた天体ショー。

ほんのりとほどこした化粧
いつぞやの君
誰のためにその熱を秘めていたのかと
吐息をひとつ落とす

ぼんやりと、ただただ眺めていた人も多いことでしょう。わたしも見とれていました。
写真に撮ろうと、なんでその時思わなかったんだろう。
後になって、あっと気がつくのはいつものこと。

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