詩 ダンスを踊れなくなった女狐は
場末の酒場はね
ちょっとあったまるには
ちょうどいい
どんな大層なことがあったか知らないけど
そんなに肩をいからせて
騒ぐほどのことじゃないでしょ
ほら見てよ
あんたがいつか言ってた
猫に小判な女たちが
陽気な迎えを待ってるじゃない
あたしだってあんなだったわ、ちょっと前までは
年の離れた弟が
お腹すかせて死んじまいそうになった時
助けてくれたのは青い目の兵隊さん
どんな自由を手にいれたか知らないけれど
ダンスを踊れなくなった女狐は
ぼろをまとって
街灯の下で顔を隠すしかないじゃない
give me chocolate
汚いものでも見るように
鼻で笑ったあんたはさ
頼めばきっとめぐんでくれるでしょ
あたしを追っ払うために硬貨の何枚かくらいなら
でもね
ちゃんと買ってよね
竹槍持った日なんてもう忘れたわ
だから何?
場末の酒場でちょっとあったまるくらい
それくらいの夢
見たっていいでしょ
ねぇ
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