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エッセイ・コラム

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感じた事をいろいろ書いていきますので、読んでみてください。
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#随想

季の詞

季の詞

なぜか言葉に対してふつふつと想いが湧いてきた。

言葉は元来、人と人との間での意思疎通、物事の伝達手段として存在している。
ただどの地域で生まれた言葉も、変化を伴い、またひとつの言葉にいくつもの意味合いを内包させ発達していった。消える言葉があり、あたらしく生まれる言葉もある。
言葉の中にはニュアンスとして、文化的情緒が付随されているケースも多い。

そんな中、世界を見渡すにはハードルが高いが、日本

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秘めたるは

秘めたるは

先週、小難しいコラムを前後編にして投稿した。
誰に向けてと言う訳でも無く、およそ単なる忘備録の類だ。誰かの役に立つわけでも無い。

ずっと以前、ひとつのエッセイのコメント欄で、神話部部長の矢口さんから「翠さんの歴史文学に対する史観がわかったように感じた」と、そのような言葉をいただいた。
自分でもよく掴めているかどうかわからないが、わたしがコラムに出すものの多くは、確かに創作・文芸と向き合う際の肝に

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詩を書くといいながら

詩を書くといいながら

要は偏屈なだけなのだ。
ポロっと友人に話したのは「わたしはどうもできない」という事。

例えば月を見て何か思う事を詩にしてみようかとする。

「いや、まて。前に月を見て感じた事を詩にしたよな。なら、書かなくていい」になるのだ。

同じモチーフ、似たような気持ち、似た情景。みな、前に書いたから無くていいになるのだ。勿論必ずとは言い過ぎで、二度三度書いた事はある。但しその場合は「主体」にはなって無い場

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ものさし

ものさし

何故日本の子守唄は物悲しいのだろう。
子供の頃、寂しくなるので子守唄が好きではなかった。

孫の子守唄は反町隆史さんの「POISON」だそうだ。
赤ちゃんの泣きやみ動画と同じく、泣きやみ効果があるそうで、これを聴かせると眠ってしまうらしい。
そういった波長が出ているのだろう。

早いもので、年末には一歳になる。
その前に哀しくも水子になってしまった命をも背負って、娘は大切に育てていくだろう。

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そりゃ忘れられないですよ、あのバイトは

そりゃ忘れられないですよ、あのバイトは

昔ながらの喫茶店の、銅マグで飲むアイスコーヒーが好きだ。

でかい寸胴に入った切り出し氷めがけて、アイスコーヒーを落とす。
雑味の少ない水で丁寧に落とすアイスコーヒーとは違う。後味に、納豆が入っていたパッケージやら履いた後の靴下を噛んだような匂いを、ほのかに感じるのはわたしだけだろうか?

そもそもアイスコーヒーそのものが邪道だ。雑だろうとなんだろうと、昔ながらの喫茶店の昔からながらのやり方で落と

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