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若葉のふるさと協力隊2021 参加者感想文

2021年度は12カ所で開催し、延べ45名が参加した「若葉のふるさと協力隊」。4泊5日(一部は3泊4日)の活動期間中、農作業のお手伝いだけではなく、その地域を深く知る機会や地域の方のと交流する時間もあり、参加した皆さんにとっても、様々なことを経験する活動となりました。

活動を終えて参加者の皆さんから感想文が届きましたので、その一部をお届けします。

地域のつながりの重要性

【活動先:愛知県豊根村】
私はこの活動に参加する前は田舎で暮らすのは時間の流れがゆったりしていてよさそうだなと思っていたのと、自給自足に興味があったので、田舎暮らしをしてみたいなと思っていました。

しかし、今回実際に体験してみて地域のつながりが想像以上で、感動しました。

最近は地域でのつながりはほとんどなく、インターネットで何でもできる時代のため、私自身もそのようなつながりはなく、そこまで必要性も感じていなかったのですが、当たり前のように自分で作っている野菜をお裾分けしてくれたり、道ですれ違ったりしたときに話をしていたり、外部から来た私達 にも親切に接してくださったりするのを見て、つながりを大事にしているのだと思ったし、この生活がとても楽しく感じました。

また、豊根村に移住してきた人は夢や意思を持って来ている人が多く、自分も何かに挑戦していきたいと思いました。

幅広い年齢の人とかかわりをもち、様々な話をすることは自分が経験していないことを多く知ることができたので、自分の視野を広げることにもつながったと思うし、単純に自分ができないような体験の話を聞くのは新鮮で、とても楽しかったです。

今回は4日間というとても短い時間でしたが、今度このような場所で暮らす際には多くの人と関わりを持っていきたいと思いました。

多くの人とかかわることは良いことしかないと思うので、今の生活の中でもできる限りのかかわりを持つことで、子供を育てやすい街にしたり、高齢者とかかわりを持ってお手伝いをすることで、お互いが楽しい時間を過ごすことができるようになるのではないかと思いました。

このようにして現代の日本が抱える少子高齢化の問題を解決していくことができたらいいなと思ったので、今回の経験をもとに多くのことに挑戦していきたいと思います。

豊根村 写真1


自然と食と人の温かさ

【活動先:宮崎県日之影町】
私が「若葉のふるさと協力隊」を知ったきっかけは大学のサービスラーニングセンター からの紹介である。 進みたい道が決まらず 、 漠然とした不安を抱える中で夏休み中に何かを得たいと思って、参加を決意した。 

5日間の活動は自然に触れて、日之影町の方々と密に接することで、理由の無い落ち着きを自分の中に取り戻し、自分を見つめ直す機会になった。

私が活動を通して感じたことは大きく2つである。

1つは、日之影町の食は大変豊かという点である。田んぼで収穫したお米を食べる。こんにゃくを作る。獣を捕まえて自らの手で処理する。このように 食糧生産から消費までフードチェーンの大部分が地域内で完結する暮らしは 都市部のスーパーでパック詰め、処理された食品しか見ることのない私にとってあまりに新鮮であった。

農作業やシカの解体作業にて食物を育てる大変さや命のありがたさを実感したゆえにおいしいものをお腹いっぱい食べられる ことが当たり前ではないと再認識した。また、地域の方々のおすそ分け文化にも豊かさを感じた。

おすそ分けをしあい 、道端で近況報告など立ち話をするという光景は活動中に何度も目にした。

食を通じて地域人同士のコミュニケーションが活発化し、つながりを強めるゆえに助け合いが生まれるという良い循環が日之影町のエネルギーを生んでいるように思える。

2つは、五感を使って学習することの重要性である。普段はオンライン授業でパソコンに向かって食について学んでいるが、実際に自然に触れ、生産に関わる人々のお話を伺うとでは全く違うものであった。

例えば、教科書上では近年田畑では野生鳥獣被害が深刻化しているとあるが それ以上のことは書かれない。よって野生鳥獣を捕獲し、環境保全に取り組む方の命に対する思い 、肉の全てを余すことなく使い命に感謝する精神は 対話なしには生まれないのである。

農作業中の土の香りや採れたての新米の鼻からぬけるおいしさは忘れることはないだろう。 

日之影町での5日間の活動で得た経験や想いを大切にし、今後の大学での学びに活かしていきたいと思っている。

関わってくださった全ての人に感謝したい。 

多賀2


「森は海の恋人、室根はみんなのふるさと」

【活動先:岩手県一関市室根地区】
このタイトルは活動報告会の際に3日目を一言で表すなら、と掲げた言葉です。

私は神奈川県の大学に通い、学校で食や農について学んでいます。若葉のふるさと協力隊への参加は、食を生み出す農村の暮らしを体験したいという思いから様々な団体のプログラムを吟味する中で、「ここだ。室根に行ってみたい」と、初めは直感で決めた行き先でした。食品産業の川上の大切さとふるさとの温かさを教えてくれ、忘れられない時間を過ごすことができました。

若談会という地域の方が集う食事会では、20人ほどの地元の方が賑やかに談笑されていて、地域のつながりを密に感じました。私の住む街では、向かいにどんな方が住んでいるのかよく分からないくらい身近に知らない人がたくさん住んでいます。自分の家族が住んでいなければ、そこを「ふるさと」とは言えなくなってしまうようなところです。だからこそ、室根の温かすぎるくらい心優しい地域の方々の集う町にとても魅力を感じました。

活動中、印象に残ったある方の言葉があります。

『この町は、外側の話ではなくて内側の話がとても多いし、今はいいところをたくさん見せているけれど本当は良くないところだってある』

暮らしているからこそ気付く、本当の町の姿を教えてもらいました。自分たちの課題をしっかりと受け止めて行動し、若い世代に期待してくれている大人に私は初めて会いました。

そして「正解はないから自分の考えている意見を自由に話していい」と市長さん自らが、対談する時間を設けてくださったこともとても驚きでした。

とてもこの感想文では収まらないくらい、貴重な時間を過ごし、ほぼ書き出しでだけで文章が終わってしまうのですが、地域の皆さんには最後の活動報告会の際にたくさん気持ちを伝えることができたと思います。

私は4月からお米の会社で働きます。農家と小売店の「間」の立場からしかものを見ることができなくなってしまうかもしれません。だからその前に、森を守り、牛や作物を育てて、豊かな食卓を生み出している方々の視点から、自分の人生と食に向き合うことができて、とても良い経験になりました。いつかお米を通して室根の皆さんに恩返しができるように頑張ります。

そして、山桜が成長したころまた室根に行く約束をしたのでまた皆さんにお会いできることをとても楽しみにしています。室根でいただいたものはどれも感動するくらいおいしかったです。

様々な生き方がある。人生に行き詰まったら思い出してみようと思います。本当にありがとうございました。

清水さな2


はじめの一歩

【活動先:宮城県諸塚村】
私は4泊5日の体験を通して、たくさんの励ましをもらうことができました。

今回、若葉のふるさと協力隊に参加した理由は、現在大学3年生の後期に差し掛かり、卒業後の進路について悩んだからです。食品関係か農業関係の仕事につくことで悩んでおり、これからの人生において何か良いものが得られるといいなと思い参加させていただきました。

活動していく中で出会った方々は、1つの作物だけを育てて売るのではなく、他の作物も育てたり、飼育したりと色々なことに挑戦していました。

その中で特に励まされたエピソードがあります。それは、ニワトリの平飼いをしている方のお話と行動力です。

ニワトリのケージ飼いが世界的にも問題視されるようになってきており、そのニュースを見て凄く悲しい思いをしました。それにより「平飼い」という飼育方法が注目されています。その方法を実際に見たり聞いたりすることができました。

お話を伺う中で、誰かがやるのではなく「自分から始めた」という言葉を聞いた時、その1歩踏み出す勇気にすごく励まされました。それは、もしかしたらお金を稼ぐためかもしれません。しかし、やろう!と決断したことを実際に行動に移すという、「1歩」に励ましをもらうことができました。

そのはじめの一歩には、お金はもちろん、これからやっていこうとする勇気が必要です。これは、私が進路を決めていく中で大きな一歩を踏み出すことと一緒だと感じました。実際の体験はもちろんですが、人生の先輩方と話すことができ、自分自身の成長に大きな影響を与えてくださいました。

『自分で決めた道を進んでください』

最後にある方からこの言葉を頂きました。

たくさん悩むこともありますが、この言葉を胸に、これからの学校生活・人生を豊かなものにしていきたいです。

諸塚村のみなさん、コロナウイルスで不安な中受け入れてくださり本当にありがとうございました。

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白峰での地域交流

【活動先:石川県白山市白峰】
私は、大学の授業の一環として中山間地域支援の学生活動を行っており、地域の人との交流を主に、地域理解や農作業のお手伝いをしている。大学で行っている活動と似たものを感じたため、違う地域を知り共通性を探したいという思いも今回の若葉のふるさと協力隊のプログラムに参加した動機の一つとしてあった。

実際に白峰に着いてみると「緑のふるさと協力隊」の方が地域の方を名前で呼び気軽に接している姿や、道行く方と挨拶している姿は同じものを感じ、普段訪れている地域の方々の顔が頭に浮かび会いたいと思った。

自然環境はもちろん大事だが、こういった交流が盛んにあることが小さい集落の魅力だと感じる。食卓に並ぶ料理も、山の幸や山でも育てやすい根菜類が多かったように思う。白峰で学んだ昔の暮らしもそうだが、ここで目にするもの全てから山や自然と上手に付き合っているのだと感じられた。昔から続く暮らしこそ魅力的であり、伝えていきたいものだと思う。

白峰で暮らして印象的だったこととして第一に挙げたいのが人の温かさだ。特に、民泊先の方には本当に温かくしていただいた。食事の後もゆっくりしながら地域のことを色々教えてくれた。朝に車を出していただいて一緒に白山を見に行ったり、仏壇を見せていただいたり、普通民泊をしても得られないような経験だったと思う。それは民泊先のお二人の人柄があってのことだと感じた。しかも最近は、ただお話をしてゆっくり過ごすことも減ってきたので何気ない時間が楽しかった。 

次に印象的だったこととして挙げたいのが屋号や方言、出作りといった特徴的な地域文化である。プログラムの詳細を見た際に、人の名前とも言い難い「屋号」が不思議だったが、実際に現地では屋号で呼び合うことが当たり前であることに驚くとともに面白い文化だと感じた。また「出作り」もそう遠い話ではなく思い出話として聞くことでより貴重な体験だった。

今回のプログラムに参加し新たに白峰地域を好きになった。いつかまた皆さんとお会いしたいと思う。良い思い出として終えることが出来るプログラムを作ってくださった方々、関わっていただいた方々に感謝申し上げたい。

note使用大澤01


私にとっての豊かさとは。

【活動先:群馬県高山村】
5日間の活動で私にとっての豊かさ、大切にしたいことを考えることができた。活動初日に「あなたにとっての豊かさとは?」を考える機会があった。その時は、安心できる衣食住が整っている、など思い付くのはありきたりのことをばかりだった。

しかし、5日間様々な体験や地域の方と関わっていくことで少しずつ考えが変わっていった。饅頭作りを教わったり、子どもたちと一緒に芋ほり体験をしたり、地域の方のお宅でお手伝いしたこと、お話を聞いたことなどがきっかけだ。

地域の方々に関わりながらその地域の特産品の生い立ちや製造を体験することによって、普段何気なく食べている物や過ごしている環境に至るための工程や作り手の思いを知ることが出来た。そこで毎日私たちが豊かに心地よく過ごせている裏側には誰かの存在や努力があることを認識した。

また、4日目に見た映画『水になった村』を見ることでより自分たちの目に見えていないところで起きている現実を知ることが出来た。

映画の中で出てきた「徳山団地 夢のさく」という看板がいつまで経っても忘れられない。いつもそこにあった当たり前の日常が、ある日突然知らない人に壊され、今日からあなたの家はここですと新しい家を与えられる。その団地に掲げられた看板がこの看板であった。

大勢の人々のために一部の人の慣れ親しんだ環境、いままで積み上げてきた関係を一瞬にして壊されてしまう。見ていてつらいものがあった。

しかし、改めて考えてみると今住んでいる所やこれから開拓していこうとしている所には、人間だけでなく様々な動物が生活していた過去がある。私たちの豊かさの裏には誰かの絶望や悲しみがあることを知り、そのような環境で育った私は、今の生活が「豊かな生活」なのか不安になり、分からなくなった。

このような経験から、今の私が考える「あなたにとっての豊さとは?」は、自然の原理に沿った生活をすることだと結論付いた。

夜空を見上げたら星が見える。旬の食材を使った料理をする。人々が集まって話をする時間がある。

日々移り変わっていく自然の景色が感じられる生活を、私は大切にして過ごしていきたいと思う。

note使用井上1


多様な人と自然が共生する場所

【活動先:山形県小国町】
簡単に私について紹介させていただくと、東京都内の大学に通う3年生で、生まれてから現在まで東京都中央区に住んでいます。祖父母の家も都内にあります。ここまで読んでいただければ分かるかと思いますが、生粋の都会っ子で、今まで隣接する県との関わりすらありませんでした。

そのため、今回のプログラムは何もかもが目新しく、初挑戦でした。以下では、そんな私が小国町で4日間過ごしてみた感想を述べたいと思います。

まず、自然と共生する生活が新鮮でした。例えば、雪については多くの方から大変だと伺う一方で、雪によって鍛えられたともお聞きしました。山に近いことから熊が出ますが、きれいな水や温泉もあり、様々な自然の恵みを活用していることが分かりました。横川ダムの見学では、ダムがなかったころの水害規模の大きさを知りましたが、河川の整備によって川の魚が減ったこともお聞きしました。

東京では自然を徹底的に排除した環境に身を置いていたため、今回の経験を通じて、自然の恩恵・厳しさに対して、小国町の方が上手に自然と共生されてきたことが印象に残りました。

ただ、今回は天気・気温にも恵まれて、紅葉も素晴らしく、ほぼ恩恵しか受けていなかったため、まだ魅力的な部分しか見えていないのが正直な感想です笑。今後は異なる季節に行き、より色々な小国町の姿をみたいと思っています。

次に、住んでいる方が非常に魅力にあふれていることです。マルチワークをしている方との交流は、自分の既成概念や地方自治体のイメージを覆され、とても新鮮でした。プログラムを通じてお会いした、緑のふるさと協力隊の院居さんを始め、大宮シェアハウスのみなさん、籠屋の作家さん、カフェをしている方、お酒作りをされている方など、自分でやりたいことを決めて、それを実現させている方がたくさんいらっしゃいました。

現地に着いてから、小国町は半導体工場で仕事をされている方が非常に多いということをお聞きしました。しかし、それ以外にも多様な生き方がたくさんあって、自分で責任を持ってさえいれば、自由な生き方があることが分かりました。

それ以外にも、「自分の熱意が一番大事」だと教わりました。自分の視野の狭さに気づくとともに、熱意を実現していく行動力も見習いたいと思います。

加えて、農村のイメージを覆されたといったのは、そのような熱意をもって町に来た方を受け入れて下さる地元の人たちの優しさや役場の方のサポートの手厚さです。

小国町の方のおおらかな人柄とつながりが強いことにも魅力を感じました。地元の方同士で日常的におすそ分けしあったり、「車をみれば誰さんか分かる」というつながりの強さは、都会にはないもので憧れです。

最後にあらためて、このような貴重な機会を準備して下さった院居さんはじめ小国町役場の方々に感謝申し上げます。また大宮シェアハウスの方、松岡地区の方々、ご協力頂いた全ての小国町の方々に感謝申し上げます。

ありがとうございました。

note使用山形県小国町_内田雅子写真3


4泊5日で感じた大切な事

【活動先:福井県坂井市竹田地区】
私が「若葉のふるさと協力隊」に参加した理由は、友達が「緑のふるさと協力隊」に今年参加しており、友達の活動を聞いて自然に囲まれた暮らしに憧れを持ったことと、竹田地区で活動している緑のふるさと協力隊の吉原さんのインスタグラムを拝見して、「竹田地区に行ってみたい」と思ったことがきっかけです。

参加して感じたことは、大きく分けて2つあります。

1つ目は、「竹田地区の人々の温かさ」です。初日に散策をしていると、たくさんの方からお野菜や果物、お米、大きなシイタケなどを頂いたり、夜ご飯のときに熊のお肉やシカの燻製などを用意して下さったりしました。また竹田地区でしか食べられないお料理もたくさん用意して下さいました。

私は普段の生活で、食べ物を頂いたりすることはほとんどなく、スーパーマーケットで購入することが多いです。竹田地区で生産者の顔を知ってから食べるお料理の数々は、とても美味しく元気が出るものばかりでした。5日間の滞在中、食を通じて竹田地区の人々の温かさを肌で感じることができました。

2つ目は、「命の大切さ」です。鹿の解体を体験して、その場で鹿のお肉を食べたり、自分たちが食べた鹿を捕らえた場所に行ったりしました。今までは豚肉や鶏肉など特に何も考えずに食べていましたが、昨日まで生きていた動物から命を頂くという経験をすることで、もっと感謝をして食べないといけないなと思いました。一つ一つの命があるからこそ私たちは生きていけるとしみじみ感じ、命の尊さを改めて考えさせられました。

最後に5日間の滞在で一番心に残った言葉は「生きてるだけで丸、幸せだったら二重丸、人のために働けたら花丸」という言葉です。この言葉のおかげで自己肯定感が少し上がった気がしています。またこの言葉の良さに共感する仲間たちに出会えたことも私の中で大きな自信につながりました。

この言葉が実現できるように、今後も時間を大切に使って生きていきたいと思っています。

5日目


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