midizine by MIDI INC.

レコード会社、ミディ(MIDI)が運営するwebマガジンです。 https://mid…

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レコード会社、ミディ(MIDI)が運営するwebマガジンです。 https://midiinc.com/

マガジン

  • 酒場にて

    日本全国常に一見。だが、旨い酒にはこと欠かない。酒と少しの音楽の話。ロンサム・ストリングス、ホープ&マッカラーズを主宰する音楽家/ギタリスト、桜井芳樹による連載。

  • toi toi toiの余韻嫋嫋(よいんじょうじょう)

    愛知を拠点に活動中の、イトウマ、坪内万里コ、吉岡優里の3人による短歌グループ「toi toi toi」が送るエッセイ&短歌。余韻嫋嫋とは「ここちよい音やなつかしい音などが、ずっと残って消えないさま/思い出や詩文などのもたらす、ここちよい余情」を意味します。

  • ベトナムは猫年

    ベトナム・ホーチミン在住のチズさんによる連載。日々、おいしいものとおもしろいものを探して、街を探索しているチズさんが、ベトナムの「今」を日本人目線で発信しています。連載名はベトナムの干支には猫が含まれており、連載開始の2023年が「猫年」であることに由来します。

  • ア・ガイド・トゥー・ノーウェアー

    カナダのシンガーソングライター、アイザック・ヴァレンティン(Isaac Vallentin)が、ノバスコシアでの暮らしを綴る連載です。MIDI Creativeよりリリースのアルバム『Amateur Japanese Edition』も是非!https://midiinc.com/album/amateur-japanese-edition/

  • Grand Teachers アーカイブス

    昔の記事を再アップしていきます

最近の記事

  • 固定された記事

鈴木惣一朗(ワールドスタンダード)が語る"音楽のことはじめ" 「モノ作りの一番面白いところは、センスに対しての光の当て方と落とし方」ーー音楽に目覚めた青春時代から、パイドパイパーハウスとの出会い、デビュー秘話まで

インタビュー・テキスト/山本勇樹(Quiet Corner) ワールドスタンダードが1982年から84年にかけてカセットテープのみで発表した、デビュー前の幻のデモテープ音源3作品が、この度、鈴木惣一朗さんの監修の元、初CD化を果たした。過去、ワールドスタンダードのリリースなど、折に触れて、惣一朗さんにインタビューを行ってきたが、実際、そのデビュー前後について、あまり訊いたことがなかった。一体、どんな青年時代を過ごしたのか。40年という長いキャリアは伊達じゃない。今まで、僕も

    • 野田

       関東地方梅雨明けの7月中旬、未だ私の左手の神経障害は完治はしていない。ほぼ不自由なく動き、楽器を弾くには差し支えはないが、若干握力が落ちたのか、疲れやすくなっているようで、2時間のステージの終盤ともなると、時に押弦に不自然さが出てくることもある。痺れはだいぶ緩和されて、現在は跡の残らないちょっとした火傷のような感覚で、日常生活ではその痺れを意識していないこともあるくらいにまでは回復はしたと言えよう。  この症状について記しておこうと思う。検索ワードとしては、尺骨神経、肘部管

      • 阿佐ヶ谷mogumoguへのインタビュー!北京から、東京へ。中国インディー音楽が彩る豊潤な森

         中央線の駅前商店街の喧騒の中、雑居ビルの外階段を登り切った3階に、その“深い森”はあった。中国の「独立音楽」(インディー音楽)の発信基地、「阿佐ヶ谷mogumogu」(以下mogumogu)だ。  店のカードには中国語で「唱片(レコード)、咖啡(コーヒー)、酒吧(バー)、演出(ライブ)」の文字。この場所をひと言で紹介するなら「音楽スペース」だろうか? 「音楽に限らず、アートとかライフスタイルとか、誰もが何らかの表現ができるオープンな空間だと思ってます。……だから、カテゴリ

        • 【短歌&エッセイ】最高のラブソング

          テキスト・短歌/イトウマ 「さよなら、また今度ね」というバンドがすごく好きだ。何組かいる自分の人生に影響を与えたバンドの中で、ライブを生で観る前に解散してしまった唯一のバンドである。 とってもヘンテコなバンドであるが、このバンドの歌詞はいつ聴いたって惚れ惚れする。私の言葉の表現の基盤になっていると言っても過言ではないと思う。短歌をつくったり文章を書くことに迷ったときに、初心に立ち返り大切なことを思い出すために、このバンドを聴く。 「さよなら、また今度ね」に出会ったのは確

        • 固定された記事

        鈴木惣一朗(ワールドスタンダード)が語る"音楽のことはじめ" 「モノ作りの一番面白いところは、センスに対しての光の当て方と落とし方」ーー音楽に目覚めた青春時代から、パイドパイパーハウスとの出会い、デビュー秘話まで

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        • 酒場にて
          42本
        • toi toi toiの余韻嫋嫋(よいんじょうじょう)
          9本
        • ベトナムは猫年
          8本
        • ア・ガイド・トゥー・ノーウェアー
          3本
        • Grand Teachers アーカイブス
          104本
        • ゆらゆら台湾
          7本

        記事

          豊橋

           まだ記憶に新しいが、何れ懐かしいものになるであろう東海道新幹線の喫煙ルームである。この写真は今年の1月のものだが、このスペースが廃止されるJRのダイヤ改正の直前にも新幹線に乗る機会があり、この場所が設置された当初は何だか落ち着かない喫煙だったのだが、今となっては案外心安らぐ場所となり、この小さい車窓ですら何だか愛おしく思えて、おそらく私にとって最後になるであろうこの新幹線喫煙ルームを堪能した。例えば富士山、通常の窓際の座席から見えると、ああ富士山か、と共に周りの空模様も広が

          【短歌&エッセイ】恐竜と約束

          テキスト・短歌/坪内 万里コ 普段、文通を一ヶ月おきに交わしている人が手紙の中でこう告げた。「偶然にも今度、万里コさんの住んでいる土地で仕事をすることになったので良ければ会いましょう。」 その文通相手の彼とはかれこれ二年ほど文通をしていて、ありとあらゆる話題について話してきたけど「実際に会うこと」についてだけは暗黙の了解でお互いしないものだと思っていたゆえに、まるで週末のカフェに誘うかのように突然さらりと告げられて、およよと一瞬戸惑った。けど、文通を重ねるうちに自然と信頼

          【短歌&エッセイ】恐竜と約束

          山形

           前回の続き。  酒田でのコンサートの翌日、キャラバンは秋田に向かった。ほんの時折の太陽で完全な曇天とは言えない空模様の下、酒田市街地はまだかなり雪が残っているが、日本海沿いの国道を走る頃には、少し雪が舞い始めた。しばらく走り、海際の道の駅に寄る。規模は大きくはないが、その割には多くの人が施設内の色々な場所で休憩している。昼時で雪の所為もあり立ち寄る人も多いのだろう。休憩所脇の外の積雪したばかりのまだ誰も足跡をつけていないスペースを通り抜け、海を臨む場所に行ってみる。風も強く

          忙しい日常を忘れてチルなひと時を。ベトナムイチオシのレクリエーション、エビ釣りのすすめ。

          私がベトナムに住んでよかった!!!と思うことのかなり上位にあるのが、おいしく新鮮なエビがたくさん食べられるということです。 ベトナムはエビの生産量世界第3位の国、日本でもベトナムから輸出されたバナメイエビやブラックタイガーなどのエビが売られていますが、輸出元のベトナムではさまざまなエビを日本では考えられないくらい安価で食べられることができます。 前回の麺料理の記事でもご紹介しましたが、ローカルなエリアの屋台で提供される麺料理でも、しっかりと大きくてプリプリとしたエビが入ってい

          忙しい日常を忘れてチルなひと時を。ベトナムイチオシのレクリエーション、エビ釣りのすすめ。

          【短歌&エッセイ】ライブハウスとケーキ

          テキスト・短歌/吉岡優里 誰かを一方的に見つめることが許されているとライブを観る度に思う。その代わりにぜったいにつまんない顔をしてはいけない気がしてしまう。ステージからわたしの顔がはっきりと見えているとは思わないが、ライブハウスの大小にかかわらず、あなたの音楽に魅了されていますという顔でステージをまっすぐに見つめていないと自分が許してくれないときがある。ほとんどの場合、心から魅了されているのだが、その日の体調や気分、曲をそんなに聴いていないのに誘われて観に行ったライブなど、

          【短歌&エッセイ】ライブハウスとケーキ

          酒田

           冬の東北は随分久しぶりのことだった。頭の中で辿ると、それは東日本大震災より少し前で、かれこれ十五~六年ぶりだろうか。この2月、白崎映美さんのコンサートで山形と秋田に訪れた。そのかれこれ十五~六年前は宮城と山形を中心に周った記憶があるが、中でもよく覚えているのが、山形市より少し北での宿泊の夜のことである。自治体の小さなホールでの演奏を終えたその夜から雪が降り出した。山形市内ではない、多分左沢線沿線の町の宿に車で送ってもらう頃には、結構降りは強くなってきたが、運転する地元の方に

          ワールドスタンダード、デビュー前の3作品が40年の時を経て、デジタルリマスターで初CD化!

          今年と来年がデビュー40周年イヤーとなる、鈴木惣一朗率いるワールドスタンダード。そこで6月5日(水)、ワールドスタンダード(略称:ワルスタ)がデビュー前の1982年から84年にかけて、カセットテープのみでリリースした幻の3作品がCDリイシューされます。いずれも40年の時を経て、本人監修の元、デジタルリマスターされています。 鈴木惣一朗が「エブリシング・プレイ」名義で残したアルバムのリマスター音源が、配信解禁されたり、ワルスタによる、1997年リリースのアルバム『Countr

          ワールドスタンダード、デビュー前の3作品が40年の時を経て、デジタルリマスターで初CD化!

          村松崇継へのロングインタビュー!「アーティストである村松崇継を忘れてはいけない」

          映画やアニメなどの劇伴を手がける一方で、歌曲の提供やコンサート活動など、幅広い音楽活動を展開する作曲家、村松崇継。5歳からピアノを始め、高校在学中の1996年、ミディよりデビューアルバム『窓』をリリースしました。国立音楽大学作曲学科に進学後、角川映画『狗神』の劇伴を大学在学中に担当。以降、数多くの映画、TVドラマ、舞台、ミュージカル等の音楽を手掛けています。 村松氏は映画『64-ロクヨン-前編』『8年越しの花嫁 奇跡の実話』で、日本アカデミー賞優秀音楽賞を2年連続受賞。第4

          村松崇継へのロングインタビュー!「アーティストである村松崇継を忘れてはいけない」

          フォーだけじゃない!ベトナム在住の私が何度もリピした麺料理のお話

          2023年後半あたりから、ベトナムに遊びに来てくれる友達が増えてきたこともあり、いろいろな観光地やフードスポットに案内する機会が増えてきました。 初めてのベトナムと聞くと、やっぱりベトナムと言えば!で真っ先に思いつくものを見たり食べたりさせてあげたい…となるとまず思いつく大メジャーベトナム料理がバインミー、生春巻、フォーだったりするのですが、実は言うとこのあたりのフード、私は普段あんまり食べることがありません。 ぶらっと出かけた時や、朝の散歩の時、軽くサクッと食べるなら麺料

          フォーだけじゃない!ベトナム在住の私が何度もリピした麺料理のお話

          エイドリアンの死について。最愛の友、兄弟、師に想いを馳せる。

          修理工の待合室で半分目を覚ましたまま座っていた。この2か月の間に4度目のことだ。顧客と部品の注文を取り扱うフランシーヌは、おそらく店で唯一の清潔な手を持つ従業員として、他の仕事についても責任を持っていたが、私たちの椅子の間でペレットストーブを修理しようとしていた。私は窓際の手指消毒剤のボトルと点火用のライターを彼女に手渡した。先週の記録的な嵐の雪は、外の街灯の下で粉砕されたウィンドウガラスのように舞い、雲は太陽が昇るかどうかを決めるかのように紫色を装っていた。 電話が鳴り、

          エイドリアンの死について。最愛の友、兄弟、師に想いを馳せる。

          ドトールに負けない!?サイゴンのおすすめカフェチェーン店6選。

          ベトナムといえば?と日本の人が聞かれた時、フォーの次あたりに出てくるのがベトナムコーヒーだと思います。皆さんが想像するベトナムのコーヒーは、練乳が入った小さなグラスの上にちょこんと乗ったドリッパーからぽとぽとと落ちてくるタイプのものではないでしょうか?私もベトナムに来る前はそのイメージでした。 確かにベトナムのおじさんたちが集うコーヒー屋さんでは、今でもオールドファッションなドリッパースタイルが主流です。 しかし、その一方でベトナムのコーヒーは想像以上に進化しており、飲み方も

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          【短歌&エッセイ】また会えました

          テキスト・短歌/イトウマ 音楽に出会ったきっかけは中学1年の終わりか2年の始めくらいにラジオで流れたSEKAI NO OWARIの『虹色の戦争』という曲を聴いたことがきっかけだった。それから10年以上が経ち、たくさんの音楽に出会い、たくさんの音楽を聴いた。その中で聴かなくなった音楽もたくさんある。中学生の頃から、まだ世間では知られていない音楽を探すことも好きだった私は本当にたくさんの種類の音楽を聴いていたと思う。新しい音楽に出会うたびに少しずつ音楽の趣味は変わっていった。

          【短歌&エッセイ】また会えました