見出し画像

フォーだけじゃない!ベトナム在住の私が何度もリピした麺料理のお話

2023年後半あたりから、ベトナムに遊びに来てくれる友達が増えてきたこともあり、いろいろな観光地やフードスポットに案内する機会が増えてきました。
初めてのベトナムと聞くと、やっぱりベトナムと言えば!で真っ先に思いつくものを見たり食べたりさせてあげたい…となるとまず思いつく大メジャーベトナム料理がバインミー、生春巻、フォーだったりするのですが、実は言うとこのあたりのフード、私は普段あんまり食べることがありません。

ぶらっと出かけた時や、朝の散歩の時、軽くサクッと食べるなら麺料理が多いのですが、麺料理でもフォーはあまり食べません。
フォーももちろん美味しいんですが、その他にもハマっちゃうくらい美味しい麺料理があたくさんあるんです。今回は、皆さんがサイゴンにお越しになった時に、フォー以外の麺を食べたいなーと思った時におすすめの、私が何度も何度もリピートして通った麺料理のお店をご紹介したいと思います。


中華そばのようなコシのある麺!「Mì (ミー)」

ミーは小麦の黄色い麺で、シコシコとしたコシのある麺です。
いわゆる中華そばの麺のような感じで、食べられるお店も主に中華系の麺屋です。

私が好きなミーが食べられるお店をいくつかご紹介します。
まずはHà Ký Mì Gia(何記麺家)と言うお店で、1区と2区の2店舗あります。

1区にあるHủ tiếu gà cá Hà Kýの外観

店名:Hủ tiếu gà cá Hà Ký (1区)
住所:69 Đ. Ký Con, Phường Nguyễn Thái Bình, Quận 1, Thành phố Hồ Chí Minh,
マップhttps://maps.app.goo.gl/KS6LcKpVr1c34Muq6?g_st=ic

店名:Hà Ký Mì Gia(2区)
住所:5 Nguyễn Quý Đức, Thảo Điền, Quận 2, Thành phố Hồ Chí Minh
マップhttps://maps.app.goo.gl/x3hCHAGBipGq1ZQn7?g_st=ic

観光の中心地に近い1区は朝から海外からの観光客と地元の人で賑わっていて、食事の時間帯は満席で待つこともしばしば。2区はローカル感漂うアンフーと呼ばれるエリアにあり、観光客は滅多に見かけませんが、こちらも食事時は賑わっています。
こちらのお店は麺がフーティウという平麺がメインなのですが、私のおすすめは「フーティウミー」、麺をフーティウとミーのミックスにするメニューです。
具材は魚(cá) と鶏(gà)が選べますが、同様にcá gàと注文するとこちらも両方出てきます。
私の定番はKhô(英文表記はdry)と呼ばれる汁なしスタイル、オプションのhành giá(発音は「ハンヤー」でネギもやしの意味、こちらはなぜかメニューに記載されていませんが、オーダーすると出てきます)を注文し、そちらは別添えで出てくるスープにインしていただくものです。ツルッとした食感の白身魚とプリッとした鶏肉にカリカリにあげた豚皮がアクセント程度に入っているのですが、いろいろな食感で食べ飽きません。

フーティウミーの汁なし

麺の量が少なめなのも、あれこれ食べたい旅先にはうれしいポイントです。
たくさん食べたい!という場合は麺のおかわりもできますが、お腹に余裕があるならbánh pate(バインパテ:肉詰めパイ)もおすすめ。

バインパテ

注文するとトースターでリベイクしてくれるので熱々でおいしいんです。
そのままサクッといただくのもおいしいですが、お店の常連さんがスープに浸して食べているのを見て以来、私は常連ぶりながら半分は熱々をサクッと食べて、残り半分をスープに浸して食べるようになりましたが、どちらも捨てがたいおいしさです。

ミーでおすすめのお店をもう1店舗をご紹介。みんな大好きワンタンメンのお店です。

Mì sủi cảo Tân Tòng Lợiの外観

店名:Mì sủi cảo Tân Tòng Lợi
住所:311 Võ Văn Tần, Phường 5, Quận 3, Thành phố Hồ Chí Minh, ベトナムマップhttps://maps.app.goo.gl/YBmj2wJ78g1trvwT9?g_st=ic

こちらのお店のおすすめはなんといってもワンタンメン。
たっぷりのアヒルのひき肉と大きなエビがマルッと入ったワンタンは一口では食べきれないほど大きくて、満足感たっぷりの逸品です。

ワンタンメン
大きなエビがマルッと入っている

アヒル肉は日本人にはあまり馴染みがありませんが、ベトナムではよく食べられる食材です。食べてみると分かりますが、食感は鴨肉と全く同じ。それもそのはず、アヒルは家畜化された鴨なんです。
ツルツルっとした細麺とぷりぷりのエビワンタンが少し甘めの南部味のスープととってもマッチしておいしいんです。
ご店主のおすすめのエビワンタンの食べ方は、調味料コーナーにある特製ソースに、ニンニク酢に入ったニンニクスライスをちょこっと入れたものにつける食べ方だそうです。
朝の早い時間に行くと、お店のご家族がせっせとワンタンを包んでいる作業を見学することもできるので、好んでこの時間に足を運ぶことが多いです。
ちなみにこのお店は冷たいお茶の味もキリッとした味で美味しいです。ぜひご賞味を。

うまみたっぷりのカニ出汁!「Bánh đa(バンダー)」

バンダーはハノイより北のハイフォンという町の名産で、サトウキビの搾り汁で色づけした米の生地を蒸して干して裁断して作る麺です。
蒸して仕上げるフォーより干している分、コシがあってきゅっとした歯触りが特徴です。

この茶色はサトウキビの色

おすすめはこちらのハノイ料理店です。

HÀ NỘI QUÁNの外観

店名:HÀ NỘI QUÁN
住所:86 Trương Định, Phường Bến Thành, Quận 1, Thành phố Hồ Chí Minh
マップhttps://maps.app.goo.gl/uGCmbQiwzaTSxWrt6?g_st=ic

ブンチャーハノイと並んでこのお店の名物なのがバンダークアです。バンダークアのクアは蟹の意味。カニでとったスープにカニのすり身が入ったもので、具材はカニだけじゃなく、シャコがたっぷり入った豪華なものもあります。

バンダークア
シャコ入りバンダー(上)と春巻。シャコはベトナムでは高級食材

程よい塩味にうまみたっぷりのカニ出汁が効いたスープがコシのある麺にとてもよく合って、暑い日に町めぐりをして汗をかいた後に食べると染み入るようなおいしさです。
蟹肉を使った麺を提供しているだけあって、こちらは蟹肉の春巻もおすすめ。
蟹肉が贅沢に詰まった春巻はライスペーパーを使ってるので、薄皮でサクサクとした食感でとても軽やか。ちょっと大きいかも!?と思ってもぺろっと食べられてしまいます。

米で作った、もちもち食感の細麺!「Bún(ブン)」

ブンは米でできた細麺で、太さは冷麦くらい。もちもちとした食感が特徴です。
日本でもつけ汁につけて食べるブンチャーが食べられるお店がありますが、私が好きなブンのスタイルはスープスタイルのブンです。

まずおすすめしたいのはbún cá rô(ブンカーロ)がおすすめのレストラン、Quán Cô Útです。
ブンカーロはターメリックで色付けした魚の切り身を揚げたものが入ったスープ麺です。

店名:Quán Cô Út
住所:92 Đ. Nguyễn Hữu Cảnh, Phường 22, Bình Thạnh, Thành phố Hồ Chí Minh
マップhttps://maps.app.goo.gl/J3GG1t2WjMK6RRpF6?g_st=ic

ブンカーロ

そちらをたっぷりの香草ディルとネギでいただくスタイルです。
ディルは日本だとカルパッチョに散らしてあったり、ソースに入ったりと脇役の香りづけに活躍する比較的洋風なイメージの香草で、スーパーのハーブコーナーで立派なケースに入った状態で、他の野菜とは違ったおしゃれ食材枠でうやうやしく売られていますが、ベトナムではメジャー級の食材。どこのスーパーに行っても手軽な値段でどっさり買えます。
特に揚げた白身魚との相性が抜群で、その相性の良さがが味わ得るのがこちらのブンカーロです。
体を温めてくれるスープ、ツルツルもちっとした喉越しの良い麺と、サクサクとした食感の白身魚のフライ、鼻腔を刺激する華やかな香りのディル、ブンカーロは五感を刺激してシャキッとした目覚めをもたらしてくれる朝にぴったりのメニューです。

ブンカーロの麺はツルッとした細麺

ブンでおすすめのメニューをもう一つ。最後にご紹介するのはbún thang(ブンタン)です。
元々は旧正月のために準備したお正月料理の残りを使った節約料理だったもの。
具材は錦糸卵、甘く煮たしいたけ、キクラゲ入りの肉団子、ハムなどが入った具沢山の麺料理で、今は旧正月だけでなく常に食べられる定番料理です。ハノイの料理なので、ホーチミンで食べられるお店は限られています。

ブンタン

比較的外国人が多く住む2区のタオディエン地区に、最近このブンタンを提供するお店、Phố Hà Nội 1991がオープンし、友人に連れて行ってもらって以来、すぐリピートしました。

Phố Hà Nội 1991の外観。店名の「Phố」は麺ではなく「都市」の意味

店名:Phố Hà Nội 1991
住所:9 Đ. Trần Văn Sắc, Thảo Điền, Thủ Đức, Thành phố Hồ Chí Minh
マップhttps://maps.app.goo.gl/MH3th7uohvqQ8sRe9?g_st=ic

こちらのメニュー、なんとなく煮麺ぽくて、具材の雰囲気がおかめそばに似ていて、日本人の口に合うなんともやさしくて安心する味なんです。
好き嫌いが分かれるところですが、別添えで出てくるマムトムという紫色のエビを発酵させた調味料を途中から少しずつ入れていって、エビの風味を足して味変するのもおすすめです。マムトムは独特のにおいとしっかり目の塩味がついているので、いきなりどさっと入れるのは厳禁!まずはお箸の先にちょっとつけて味見してから、合いそうならちまちま味見しながら調整してください。

この紫のペーストが「マムトム」

ベトナム料理、とってもおいしくて大好きなんですが、毎日毎食ベトナム料理だと疲れちゃうことがあります。ですが、こちらのブンタンは「せっかくベトナムにいるんだからベトナム料理を食べたい!でもちょっと疲れちゃったからお腹を休めたいかも」というタイミングにぴったりのメニューです。
慣れない料理の連続で疲れてホッとしたい時、ぜひブンタンを食べてみてください。

ベトナムには、美味しい麺料理が他にもたくさん!

ホーチミンで食べられる私のお気に入りの麺をご紹介しました。
ベトナムではこれ以外にもたくさんの麺料理があり、今回ご紹介できませんでしたが、ベトナム中部の町ホイアンの名物カウラウや、フエの名物ブンボーフエ、ミークアンなど、地域によっても様々な名物麺料理があります。
日本ではなかなか食べられない麺料理もたくさんありますので、ぜひ旅行に来られた際はチャレンジしてみてください。

オオシマチズ
ベトナム・ホーチミン在住。おいしいものとおもしろいものを探して、キョロキョロしながら街をあちこち探索する日々を過ごしています。

Instagram:https://www.instagram.com/milkmilkmilkcoffee

この記事が参加している募集

ご当地グルメ

おいしいお店

midizineは限られたリソースの中で、記事の制作を続けています。よろしければサポートいただけると幸いです。