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あらゆる欲と眠気の狭間で


新しい環境に身を置き、1ヶ月が経とうとしている。だけどなんだかずっと前からここに居るような感覚がある。何故なんだろう。

今まで、新しい家に住み始めると借りてきた猫のような気持ちになっていた。馴染むまで時間がかかった。
新しい職場に馴染むのはもっともっと時間がかかった。最初の数か月は毎日戦場に行くような気持ちで家を出て、「今日も何とか一日を乗り越えられますように‥‥」と祈るようだった。心身ともにヘトヘトになって、会社に行きたくないと思う気持ちにムチを打っていることも多かった。

だけど、今の家には住み始めて1週間かからない内に馴染んだし、職場にも肩の力を抜いて出勤することができている。今までとは比較にならないほど段違いのスピードで場に慣れつつある。これには驚くばかりである。
職場ではもちろん気を遣わないわけではないし、コミュニケーションって難しいなと思ったり、自分の未熟さを思い知ることもある。当然業務には慣れていない。でも変に自分を大きく見せたり偽ることなく過ごすことができているのがとても良い。たった数週間しか経っていないので見えていない部分も多いだろうからどうこう言えないし、期待値ばかり上げるのは怖いから嫌だけど、でもなんだか自分に合っている環境なのかなと現段階では感じている。チームの受け入れやフォローの体制が今までと比較してピカイチだ。非常に有難い。
家に至っては、初めて自分の城ができたような感じがしてとても気に入っている。物の収まりが良いからかもしれない。快適な環境を保とうと、極度の面倒くさがりな私にしては、小綺麗に片付けや掃除をしている方だ。

物の収まりが良いように、私自身の収まりもピタッとはまったのかもしれない。長年、環境に合わない自分に問題があると思ってきたし、近年は合わないことに嘆いて過度に環境への愚痴が増えている自分に嫌気がさしていたけれど、合うところに身を置けるというのはやはりとても幸せなことだなと思う。こうやって書いてみることで、今の現状に感謝しようと思った。石橋を叩きまくって、リサーチと自己対話を重ね、心折れて自分の突拍子の無い衝動に溺れて乗っかることなく決断した甲斐があった。

だけどそんな現状にもまだまだ向上の余地がある。

何せ思った以上に身体の疲れがあり、毎日が眠い。数か月間働かずに自分だけのペースで生活していた人間が、毎日同じ時間に起きて仕事に行くのだから、そりゃ身体がリズムを作るのに必死なのだろう。目覚ましで起きる毎日なんていつぶりだろう。起きた瞬間スッキリ!ってのがないし、目覚ましのスヌーズにイラつきながら何度寝もしている。
休日になると目覚ましのストレスには踊らされんぞ!と思って寝たいだけ眠るのだが、逆に夜眠れなくなり、体内時計が乱れて、結局平日に影響が出る。
あぁ、そういえば元々こうだったなぁと思い出した。寝ても寝ても眠いことが多かったし、ホルモンバランスによっては一日中寝ていられる。ショートスリーパーの人が羨ましい。目覚まし時計無しに、遅れない時間にスッキリ起きられるなんて理想が叶うことってあるのだろうか。

仕事から帰ってくると、どうしても放心状態になってしまう。合うと感じている環境や仕事であってもだ。クールダウンすべく、何か食べてボーっとするなり、ダラダラ動画を見るなりしないと次の行動に移れない。もっと言うと、次の行動は「寝る」の場合も多い。困ったもんだ。体感的にすり減っていない状況でもこうなのだから、すり減るような毎日を送っている時に今以上に放心状態になっていたのは当たり前だったのだなぁと思う。
本当ならとっととご飯を食べて、お風呂に入り、次の日のお弁当の用意をして、軽く家事を済ませて、仕事の復習をしたりだとか、noteを書くだとか、クリエイティブな時間を持ちたい。
夜が無理なら朝か?と思って早起きしようと早寝しても、結局いつもと同じ時間に起きるか、家事に時間がかかってしまい、ギリギリに家を出て電車に飛び乗るか。容量悪いしのんびり屋が過ぎる。
あぁ、これって、夜は眠いから明日の朝勉強しよーとなって結局あまり勉強できないまま登校するテスト前と同じやつやないか。
いつまで経っても変わらない自分に嫌気がさしつつ、仕方がないよなぁと諦め半分だ。ナマケモノめ。

だけど、吟味に吟味を重ね、決断に時間をかけてこの環境を選んだのには理由があって。仕事の時間と仕事以外の時間を両方充実感のあるものにすることを目指したからだ。

だから眠いばかりでは正直不本意なのだ。寝るのは好きだからそれはそれで良いのだけど。
仕事の時間を充実させて、自分のやりたいことへのクリエイティブな時間が持てて、インプットの時間も作れて、家事もそれなりにこなせて、心身の回復時間も適度に取れて。のんびり屋のくせして、それってとても欲張りな欲望なのかもしれない。時間だけは皆平等と俗に言うけれど、本当に24時間で皆さん足りてます?いや、今ある24時間という条件の中で何を取捨選択するかで生き方が決まるのだろうな。

書きたいことが溢れていた1ヶ月前と比して、この1ヶ月間はPCを開いて書こうという気になるまでもなく眠っていた。それでも書いた方が良かったなと今少し後悔している。なぜならば、入社して最初の数日ぐらいで感じた気持ちとか、この”合っている”感じの正体らしきものとか、そういった手から零したくないちょっとした感覚をすでに忘れているからだ。毎日新しいことを覚えていかなくてはならない今の段階で、アウトプットしないと忘れていくのは当然だ。
今こうして書いてみても、感じたことをなかなか詳細に思い出せないことが少し悲しい。感情とは生物だ。やりたいことが多いだけでなく、忘れたくないこと、記録しておきたいことが多すぎる。

やっぱり私という人間は、身の丈に合わないほど欲張りみたいだ。


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