☆本#234 未完の奥行「七里湖」大庭みな子著を読んで
最近気になり始めた作家。すでに亡くなっている。
まだ短編しか読んでなかったので、たまたま読んだこの本は、「未完」だった。つまり最後の長編。
主人公の中年女性は、妊娠後にアメリカ人の恋人と別れ、その子を産む。彼の浮気が原因のひとつか、プロポーズされても結婚しない。その後、違う恋人との間に子供を産むけど、結婚はしない。この女性のこの決断は、1960~70年代ごろは、新しかったのではと思う。
娘たちはその後アメリカに渡り、現地で結婚している。
主人公はエモーショナルなタイプではなく、話は日米交えて淡々と進む。未完ゆえに、読み手にゆだねられた部分があるようで考えさせられる。
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