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テレワーク組織作りのナレッジ(人事の方向け)

皆様、こんにちは。ニット小澤です。多くの方が、テレワークが始まって半年で、「慣れてはきたけど…いつまで続くか分からないし、そろそろテレワーク組織をちゃんと整えたいな」という頃ではないでしょうか?そこで、【人事の立場】【現場リーダーの立場】のそれぞれの方向けのオンライン組織創りにおけるナレッジを今回と次回で2本書こうと思います。是非とも会社らしさを持った強い組織創りの一助を担うことができたら嬉しく思います。では、1本目【人事の方向け】の記事、スタートです!


1:人事の課題感

◆とある人事の方の声
「人事の仕事として、オンライン面接や入社の手続きは何とか整った。しかし、会社の風土や組織文化に慣れてもらうための手立てが出来ていない…。会社HPを見てもらう、資料を見てもらう、Web会議システムで口頭では機械的に伝えられる…。でも、これで本当に自社のカルチャーを理解、腹落ちしてもらえているのだろうか…?」

人事としては、【文化醸成】をどう創り続けていけるのか、非常に悩ましいところですよね…。オンラインで文化を形成してくのは、正直なかなか難易度が高いのが現実です。それらを解決していくには、【採用】【体制】【評価】【文化形成策】の4つを整えていくことが大事です。

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1-1:人事的オンライン組織の創り方-採用-

◆採用時の見極めポイント
・会社のミッション・ビジョンに共感しているかどうか?
・自分のWILLに会社が沿っているか?

人事の方にとっては、当たり前だろ!と怒られそうですが、やはり、経験やスキル以上に、会社の目指すべき方向性(ミッション・ビジョン※以下MV)に共感しているか、ということの方が遥かに重要です。なぜかというと、オフィスにいたら、MVに触れる機会はたくさんあります。例えば、会社の壁に貼ってあるかもしれませんし、社員同士の何気ない会話やお客様との会話の中でMVを体現しているメンバーに触れたりして、MVをどんどんと感じられるようになっていきます。

【文化は口癖から創られる】というリクルートの有名な言葉があるのですが、文化にしたければ、口酸っぱく言葉にしなくてはならない。でも、リモートだと、どうしてもそれが難しい。また会社が変わっていく中で、事業を変化させたり、やりたい仕事から変化することも発生したりします。だからこそ、採用時に、本当にそのMVに共感しているか?更には、本人の将来的なWILLと合致しているか?ということの解像度を上げたうえで、採用を決めるということがとても大事だと思っています。

ニットでは、採用時に、「MVへの共感度の高さ」をとにかく大事にしています。社員を採用する際は、ある意味、メンバーシップ型(非同期)での採用で、「ビジョン:未来を自分で選択できる社会をつくる」に共感してもらえているかどうか?を最重要視しています。あとは、「根っこが利他的かどうか?」という観点。MVは入社後に体得を強化できても、根っこのところは変えられないと思っているので、会社の文化にマッチしそうかどうか?ということも見極めの重要なポイントです。


1-2:人事的オンライン組織の創り方-体制-

◆体制創りのポイント:タッチポイント増加
1-2-1:人事・他部署面談の設定
1-2-2:コミュニティを創出

◆1-2-1:人事・他部署面談の設定
これを読んでくださっているあなたも、「第二営業部5G」みたいな業務上のチームはあると思います。ただ、それだけだと、その中に心理的安全性がなかったり、上司との相性が合わないメンバーは苦しくなって誰にも相談できない…という状態にもなってしまいます。特に、新入社員こそ、です。なので、まず人事のできることは、人事面談&他部署面談の1on1設定です。

◆ニットの面談の例
・人事面談:入社後1ヶ月、3ヶ月、半年、1年に実施
・他部署面談:入社後1ヶ月以内に全部署の人と実施
・社長面談:全員毎月1回の実施

面談をすることで、自分の上司・チームメンバー以外の仕事っぷりを聞く機会ができたり、社長から直々に文化やMVへの想いを聞ける機会ができて、文化を体感することができ、結果、文化醸成へのオンボーディングは早くなっていきます。※当社の場合は、社長面談を実施していますが、役員や部長面談など、会社の経営という視座で考えられるような方との面談がオススメです。

◆1-2-2:コミュニティを創出
以前、お伝えした通り、ニットでは、23個のオンラインコミュニティを立ち上げています。いわゆる、社内サークルみたいなもので、業務に関するもの(例:パワポスキルアップ、業務相談部屋…等)、業務外に関するもの(例:キャンプの会、ペットわんにゃんの会、母の会、国際結婚組…等)を運営しています。現在、絶賛増え続けておりますw

詳細は、コチラをご参照ください。

当社の場合は、海外33カ国にメンバーが散らばっているので、住む場所も、働く時間(時差があるため)も、仕事内容もバラバラな400人です。だからこそ、こういう様々なコミュニティがあることで、別の部署の人との交流が生まれ、人としての繋がりや先輩の仕事っぷりを見る機会が増えて「なるほど~!その仕事凄いな!!」という気持ちになったり、文化醸成へのタッチポイントが増えることになっています。


1-3:人事的オンライン組織の創り方-評価

◆評価創りのポイント:定性評価を入れない

前提として「人は人を、正しく適性に評価することが出来ない」と思うのです。オフラインで働いている時って、「あいつ出来る」「普通」「頑張れ」っていう評判みたいなものってありませんか?それが結果に紐づいていることも往々にしてあるとは思うのですが、オンラインだと、上司・部下との関係性や部下の上司へのアピールの上手さによって、その評判と結果に乖離が生まれやすいと思っています。したがって、定性評価の上司コメントを書いてもらっても、作文みたいになってしまって、適正な評価と言えるかな?ということを思っています。したがって、ニットでも職種によって多少違いはあるものの「定量的に測れるものでしか評価項目としない」というように変えました。例えば、売上の●%とか。ある意味、結果さえ出せばプロセスはどんなんでもよい、という考え方なので、ドライのようですが、逆に効率的に結果を出せる人にとってはパラダイスですよね。

「結果さえ出せば、それでいいんですよね?」→はい、そうですね

このテレワークをきっかけに、「長時間働いてる人が頑張っている人」という文化を変革させ、本質的な評価体制に変えていけるチャンスじゃないかな?と思います。


1-4:人事的オンライン組織の創り方-文化形成策

◆文化形成のポイント:文化は一日にして為らず

何を当たり前のことを…という感じだと思いますが、オンラインで文化を創っていくことは、本当に難しいのです。オフラインの3倍、いや、30倍…ぐらいは難しいと思います。んなこと言ったって、やらないかんのじゃーい!ということだと思うので、以下は、一例ですが、記載します。

◆文化形成策のアレコレ
1-4-1:社長を活かす
1-4-2:オンライン社内イベントを実施する
1-4-3:オンラインサークル創る
1-4-4:社内報を活かす
1-4-5:表彰を活かす
1-4-6:(そもそも)MVを見直す

1-4-1:社長を活かす
何といっても、会社の顔は社長。社長からの発信の機会を意図的に創っていくことも、人事の役割としては重要ですね。例えば、オンラインで定期的(月1回とか、Q1回とか)に、オンラインで皆に対しての想いを言葉にして伝えていく機会を創る。あとは、全体チャット・メールで、想いを伝えるということもすごく大事。特に、発信が苦手な社長には、人事がはっぱをかけて動かす、ということも是非していただきたいですね!メンバーは、社長が思っている以上に、社長からのメッセージを待っているものですし、その言葉一つで、こっちの方向へ向かっているんだ!頑張ろう!と思えるものです。

◆1-4-2:オンライン社内イベントを実施する
オフラインだったら、「今晩、飲みに行こうよ~」とか「キックオフも盛大にホテルの大広間で!」などと、みんなで触れ合って、文化を再認識する機会はたくさんありました。ただ、今や、テレワーク…。それがなかなか難しくなります。。したがって、オンラインで色んな社内イベントを企画するのも、人事として重要ですね。

前回、ニットで実施したオンライン社内イベントの事例を記載しています。

◆1-4-3:オンラインサークル創る
【1-2-2:コミュニティを創出】で記載したようなオンラインでのサークルは効果的です。ただ、ここで人事としては、「人事が作りました!」だと冷めてしまって、活発なものにならない可能性が高いです。なので、メンバーが自発的にサークルを作り、自分たちで運営していくというスタイルじゃないと、上手く機能せず、絵に描いた餅になりかねません。ニットの23個のコミュニティも、400人のフリーランスのメンバーが、「こんなコミュニティ作りたい!」と手を挙げて、立ち上げています。人事としては、最初は芽になりそうなメンバーにはっぱを掛けつつ、あとはグルグルと波紋のように広がっていけるように、支援をする、ということが重要ですね!

◆1-4-4:社内報を活かす
あなたの会社には、社内報はありますか?社内報というのは、非常に会社の方向性を指し示す良いツールだと思います。リクルートでは、メールでの社内報で、表彰者、各部署の取り組み、とあるマネージャーを表出、結婚・出産報告等々の情報発信がありました。また、月に1回、『かもめ』という冊子が届きます。面白いのは、取り組みの表出や表彰などは分かりやすいのですが、社外の人が挑戦されているストーリーやOBのその後のストーリーなども、毎回取り上げられていました。更には、卒業したメンバーにも、かもめが送られてくるのです。私も、今でも実家に毎月届きます。そうやって、卒業を応援する文化を醸成しているのだと改めて思います。

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◆1-4-5:表彰を活かす
表彰は人事施策の中でも、とっても大事だと思っています。表彰には、こんな効果があります。

▽表彰の効果
・経営の方向性を伝えられる
・褒めることによるモチベーションアップ
・マネジメントに有効活用できる

したがって、達成率はマスト条件にしながら、あとは、表出のポイントを明確にしつつ、表出方法も工夫することが大事です。

▽表彰の選出ポイント例
・行動指針を浸透させたい→それを選出ポイントにする
・顧客志向を浸透させたい→お客様満足度を選出ポイントにする
・チームの相互理解を深めたい→自薦・他薦を現場から募る 等
▽表彰の表出方法例
①表彰状にはマネージャーからのメッセージ(褒めポイント)が記載
②必ず表彰状は手渡し
③月間、Q、半期、通期の表彰
④MVPはみんなの前で仕事共有
⑤表彰会議はマネージャーの戦い 等

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リクルートはこの表彰の設計がすごく拘っていたなぁと改めて思います。先ほどの表出方法例の①~⑤はリクルートでやっていたことです。特に、①はリクルートの特徴で、表彰状には、自分のマネージャーからのなぜ選ばれたのか?という褒めのポイントや次への期待がつらつらと書かれていて、盾やトロフィーなんかより、ずっとずっと嬉しかったです。今でも、その表彰状は実家に置いてあります。自分がマネージャーの時は、めちゃくちゃ想いを込めて書いていました。

◆1-4-6:(そもそも)MVを見直す
MVというものは、そうそう変えるものでもないとは思いますし、ガラっと変えるのも混乱が起きる可能性もあります。ただ、世の中は変化していきます。特に、今年はコロナで大きな変化が起こりました。だから、会社としての目指すべきものを変えないためにも、MVを柔軟に見直すことも時として必要な場合もあるかと思います。結果的に、「MVを変えない」という選択をするにしても、今このタイミングだからこそ、テレワーク組織にするからこそ、見直すことは、必要かもしれませんね。

【人事の立場】編は以上です!


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ちなみに・・・
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長文にお付き合いいただき、ありがとうございました!

では、また追って、もう一本、【現場リーダーの立場】編について、書いていきます~★


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