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現職教員をしながら、イギリスのManchester Institute of Educ…

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現職教員をしながら、イギリスのManchester Institute of Educationで修士課程履修中(Distance Learner枠、いわゆるオンライン留学)。 英語教育とか、ICTとかブレンド型とか。あと諸々徒然。

マガジン

  • 教育DX

    大学院で学んだことをシェアしつつ、自分の現場経験で思うことを綴っていこうと思います。

  • オンライン留学記

    2021年秋から、イギリス・マンチェスター大学の大学院教育研究科(Manchester Institute of Education)の修士課程で学んでいる現職高校教員です。 デジタル技術の教育への活かし方、教育DXを中心に学んでいます。Distance Learner、いわゆるオンライン留学枠の学びをまとめていこうと思います。

最近の記事

ブレンド型学習⑥遠隔授業

はじめに私が遠隔授業に興味を持ったのは、2013年頃です。 当時の私は、滋賀県の湖西地域にある県立高校に勤務していました。恐らく滋賀県で1番琵琶湖がきれいで、電車は1時間に1本あるかないかの地域。学校の生徒も地元の子ばかりという、地域の学校でした。 ある日のこと。 職員室で生物の先生から、動物園の飼育員さんに話を聞く授業をするので、良かったら見に来て~と言われました。 何気なしに話を聞いていたのですが、「スカイプでライブ中継する」という方法を聞いてびっくり仰天。結局、自

    • ブレンド型学習⑤高校英語実践(後編)

      前任校と今の学校でやっている、ICTを活用した授業の記録です。 前編はこちら。 後編は、FormsやGoogle Classroomを使った例です。 弱点の事前把握「次の授業までに、この演習問題解いておくように~」 受験を前にした教科指導で、よくみられる光景です。 この次の授業では、1から10全てを話すより、比較的理解が弱い部分にフォーカスしていく方が効率が良いのですが、なかなかその把握が難しい。しかも、相手は30~40人。 途中から学年に入った場合(1年の時は教え

      • ブレンド型学習④高校英語実践(前編)

        備忘録を兼ねて前任校でやっていたことと、今の学校でやっていたことを書いてみます。 何と何のブレンドかと言われれば、「アナログとデジタル」「従来型と未来型(っていうんかな?)」でしょうか。 従来では難しかったことを、ICTで可能にした例です。 アプリを使った音読練習英語では4技能(読む・聞く・書く・話す[発表][やりとり])統合型の指導が大事だと叫ばれて○年になります。この中で、文字ベースでやりとりが可能な「読む」「書く」は、従来から筆記試験や課題で出されてきましたが、難し

        • ブレンド型学習③ゲームと学校教育

          桃太郎電鉄 教育版! 桃鉄やったことはないんですが、かつて友人が「日本の地名を覚えるには桃鉄が最強だ!」と熱弁していたので、鉄道好きの息子に早速させてみようと企んでいます。 そこでふと考えました、「ゲーム」と「学校教育」について。 「ゲームは学習の敵」という声、聞いたことがある方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。 私も10年と少し、現場で教えていますが、「ゲームしてて勉強できなかった」という生徒や、「ゲームやめろって言っても聞かないんです」という保護者の声は、担任をし

        ブレンド型学習⑥遠隔授業

        • ブレンド型学習⑤高校英語実践(後編)

        • ブレンド型学習④高校英語実践(前編)

        • ブレンド型学習③ゲームと学校教育

        マガジン

        • 教育DX
          7本
        • オンライン留学記
          4本

        記事

          ブレンド型学習②探究共同体

          前回の記事では、ICTを始めとしたデジタルツールの活用について、現状(コンテキスト)の分析について考えてみました。 では、実際にブレンド型学習って何が良いのか、ブレンド型の1つの形である、同期型と非同期型を組み合わせた学習に沿って考えてみようと思います。 探究共同体(Community of Inquiry)まずは、こちらのコンセプトから。アメリカの哲学者、デューイ(John Dewey)によって提唱されたとされる考え方です。 その後、カナダの研究者であるGarrion

          ブレンド型学習②探究共同体

          オンライン留学記(エッセイ対策)

          (こちらは以前、「オンライン留学記 履修編②」に記載していたものを抜粋・加筆したものです。) さてさて、英国の大学院でオンライン修士課程を履修するにあたり、1番不安だったのが、課題のエッセイ。 私は学生時代、留学した経験はおろか、海外で生活した経験もなく(1番長かったのは3週間滞在したベトナム)、しかも外国語学部のくせに、英語でエッセイ書くのが面倒で、選べる時はいつも日本語エッセイにしていたので、エッセイには不安しかありませんでした。 そこで利用したのが、次の3つ。

          オンライン留学記(エッセイ対策)

          オンライン留学記(履修編②)

          2021年10月から履修を開始したマンチェスター大学院修士課程(通信)、1月初旬に、まず必修モジュールのエッセイを提出してSemester 1が終了し、その後履修していた選択モジュールのエッセイを5月下旬に提出して、Semester2が終了しました。 (※長期履修なので、1セメスターにつき1つか2つもModuleしかとっていません) 一区切りがついたので、一度振り返ってみたいと思います。 Taught Courseは、学部と大学院の間くらいイギリスの大学院は、講義主体の

          オンライン留学記(履修編②)

          ブレンド型学習①フレキシビリティとコンテキスト

          Semester2でデジタル時代のブレンド型学習についての講義を履修し、先日最終課題を提出し終えました。 前任校で入試業務の忙しい時期と被ったり、職場が変わったりして、途中なかなか追いつけなかったりしましたが(今も一部残しています) 内容は、実用的かつ理論的で現場にも反映できて、とっても面白かったです。 コロナ禍で教育現場へのICT導入が進み、どう使うのかについて色んな議論もありますが、せっかくなので、このご時世の流れに合わせてまとめてみようと思います。 「ブレンド型学

          ブレンド型学習①フレキシビリティとコンテキスト

          最後の英語の授業

          いつかやってみたかった、中東のパレスチナ問題に関わる授業。とても内容がデリケートなので難しいのですが、高校3年生で扱った最後の単元が丁度ここに関わる内容だったので、思い切って突っ込んでみました。 結果、少しは話題に関して考えるきっかけを提供できたかな、と思っています。 欲を言えば、世界史や現代社会の先生とタッグを組んでやりたかったんですが、ここまでは時間が割けず・・・次までの課題です。 せっかくなので、簡単に流れを記録しておこうと思います。 導入はBanksyの写真から

          最後の英語の授業

          オンライン留学記(履修編①)

          さて、9月下旬にオリエンテーションがあり、10月初旬から本格的に講義が始まり、2度のアセスメント(ディスカッション)を経て、ほぼセメスター1が終了しました。 後は、最終課題のエッセイを残すのみですが、ここで一度セメスター1を振り返ってみようと思います。 ※あくまで、私が受講しているコースの振り返りです。他の大学・専攻とは異なることは前提でお願いします。 仕事との両立についてよく周りに言われるのが、「仕事しながらだから、相当忙しいんじゃない?」 はい、大変です。(笑)

          オンライン留学記(履修編①)

          10年前、スリランカで

          ※この記事は、私が大学生だった2007年、初めて単身バックパッカーでスリランカに旅行した時の経験を、学級通信用に書き起こしたものです。 「友達」 中学2年生の夏のある日、あるサイトを見つけた。  「海外に友達を作ろう」  あるウェブサイトで、青年海外協力隊でスリランカに派遣されていた人が、「スリランカの子供たちが日本に友達をほしがっている。住所を載せておくので、手紙を送って、友達になってあげてほしい」と呼びかけていた。  そのサイトには、15人ほどの10代の男の子や女

          10年前、スリランカで

          MOOCsについて

          私がオンライン修士課程を履修するきっかけは、MOOCsの1つであるCourseraで、TESOLのプロフェッショナル認定コースを受講していたことでした。 このMOOCs(Massive Open Online Courses、大規模公開オンライン講座)では、米国のハーバード大やMIT、英国のケンブリッジ大をはじめ、世界中の様々な教育機関が原則無料で講座を公開しています。EdXやCoursera、FutureLearnが主流かと思います。 日本の場合はJMOOCで、東京大学

          MOOCsについて

          オンライン留学記(出願編)

          2021年秋から、イギリスのマンチェスター大学院(University of Manchester)の修士課程で学び始めました。Distance Course(通信制)で、教育とデジタル技術(ICT)について学んでいます。 大学院のことは、実は5年ほど前から考えていて、実際説明会に参加したり、資料を取り寄せたりしていました。 でも1番の壁は、仕事との両立。そして両立が難しい理由は、ズバリ「通えるところに大学院がない」。 1番近くても片道1時間弱・・・。ここが1番のネックで

          オンライン留学記(出願編)

          グローバルティーチャー賞について(4)

           最後は、よく聞かれる質問に私なりに答えてみようと思いますー。  GTPって本当にスケールが大きくて、授賞式には各国の教育庁(日本でいう文科省)トップなんかが普通に出席しますし、過去にはイギリス王室メンバーからもメッセージが送られてきています。受賞者には、その国のトップ(首相や大統領)からのメッセージが送られてきます。(1)でも書きましたが、Top10でもTop50でも、選ばれたらそれなりの覚悟が必要です。  なにせTop10の公開アナウンスも桁違い。2016年のアナウン

          グローバルティーチャー賞について(4)

          グローバルティーチャー賞について(3)

           さて、毎年Top50に選ばれると、Global Teacher Prizeのウェブで紹介されます。  今回は、2018年を中心に、私が実際に出会った先生を何名か紹介したいと思います。(チョイスは完全に私の独断と偏見です。) ◆通勤に1週間!Sir of Himalaya(ネパール) まずは、ネパールのBinod Shahi先生。2018年のTop50です。  彼の場合、自分の勤務する学校に到着するのに1週間以上かかります。  まずセスナで西ネパールへ向かい、そこから

          グローバルティーチャー賞について(3)

          グローバルティーチャー賞について(2)

           私は2018年にTop50に選ばれましたが、選ばれたと知って、嬉しさは3割、「えらいことになってもーた」7割でした。  ちなみに、応募した理由はこちら↓  と、偉そうなことを書いてアプリケーション出したものの、まさか選ばれるなんて思ってなかったですし、何せ田舎者なので、通知が来た時は「あわわ・・・」状態でした。  さて、受賞者には賞金1億円が送られますが、他の49人には賞金等は一切ありません。  (2020年は、受賞者のディサレ先生が、半分を残りのTop10の先生方に

          グローバルティーチャー賞について(2)