脂質をうまく活用する

ケトジェニックダイエットを科学する

 ケトジェニックは今や聞き馴染みのある言葉になってきましたね。糖質制限ダイエットのことですね。
 一般的には糖質の摂取量を20g以下にしますが、筋肉のある人や運動をしている人であれば、50g以下に抑えます。
 しかし、ここで注意が必要です。ただ糖質を減らせばいいというわけではありません。

糖質制限の罠

 ゆるく糖質を制限してしまった場合、何が起こるかというと糖新生(とうしんせい)です。糖新生とは、食事から充分な糖質が摂取されなかった時に体内で糖を作り出す仕組みです。アミノ酸、乳酸、ピルビン酸、グリセロールなどからブドウ糖を作り出します。これだけ聞くと、え?いいんじゃないの?と思われるかもしれませんが、これらの材料を取り出すために、筋肉が分解されるという事が問題になってきます。
 これでは痩せたというよりも、やつれた感じになってしまいます。

糖質の代わりになるエネルギー

 糖質制限において、有りがちな間違いが「脂質を摂取しない」ことです。普段私たちの身体は糖質をエネルギーに変えています。しかし、その糖質を制限するということはエネルギー源が無くなるということです。なので、その代わりになるのが「脂質」です。
 糖質が不足すると、肝臓で脂質からケトン体という物を作り出します。このケトン体がケトジェニックの「ケト」のことです。

カロリー設定

 では具体的にどれぐらいの脂質を取ればいいのか。
まず摂取可能カロリーの計算は「徐脂肪体重×40」くらいと言われています。例えば、体重70kg、体脂肪率30%とした場合、{70×(1-0,3)}×40=1960kcalです。
 そして次に糖質(0~10%)、脂質(60~70%)、タンパク質(30%)の比率で計算します。
 糖質196kcal(49g)、脂質1176kcal(131g)、タンパク質588kcal(147g)になります。
 この数字を基準として食事をコントロールしていきます。が、あくまでこの数字は目安です。自身の心とおサイフと相談しながら取り組みましょう。

脂質の質

 脂質を取ると言っても、じゃぁ、とりあえずオリーブオイルをコップ1杯というわけにもいきません。どのような食事から取るかも大切になってきます。
 食材としてのオススメ
• 青魚(サバ缶、イワシ缶など)
• アボカド
• サーロインステーキ
• ナッツ類

 オイルとしてのオススメ
• オリーブオイル
• MCTオイル

脂質摂取の注意点

 良質な脂質として青魚がオススメではありますが、フィッシュオイルはとても酸化しやすいです。なので、缶詰めの物やビタミンEのサプリメントと一緒に摂取するようにしましょう。
 MCTオイルは中鎖脂肪酸でエネルギー源として即効性のあるものですが、それゆえに吸収が早く空腹時や一度に多量摂取してしまうと下痢を起こしてしまいます。なので、最初は2~3gくらいの少量から始めて、徐々に量を増やすようにしましょう。
 オリーブオイルはできればエクストラヴァージンオイル、コールドプレス製法のものを選びましょう。市販の約69%の物は大豆油やキャノーラ油でかさ増ししたものがあるんだとか…。カークランドのオリーブオイルを買っておけば間違いないかなと。



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