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熱海のとりこ

初めての1人旅、初めての熱海。

勢いで決めたものの、正直かなり不安だった。

いつもどこか行くときは行きたい場所とか決めてから行くのに全く決めていないし、
ゲストハウスで自分だけ輪に入れなかったらどうしよう、とか。

いつもはかちっとした書き方を意識してるけど、今回は熱海のゆったりとした空気感に則って、日記みたいに振り返って行きたいと思います。


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マイペースなので出発したのは15時頃。
電車に乗って目を閉じているとすぐ熱海に着いた。

駅を出ると平日なのにたくさんの旅行客。
衰退したまち、なんて言われていたけど思いのほか栄えていてびっくりした。


まず最初は唯一行こうと決めていた古民家カフェcafe KICHIへ。

店内は懐かしい砂壁や古家具で隠れ家のような雰囲気。この壁、触ると砂がすぐ取れるんだよなあ。
カウンターでは常連さんがスタッフさんとお話ししていたり、新人さんと思しき女の子が一生懸命メモを取っていたり。

カフェを出た後は系列店の雑貨店 基地 -teshigoto-やお洒落な八百屋さんのREFSを見て、ついに旅の目的であるguest house MARUYAへ。


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guest house MARUYA


熱海銀座商店街の中ほどにあり、ドキドキしながら入るとテラス席に何人かお客さんが。

チェックインの時に夜ご飯におすすめのお店を聞いてみたら、手書きのまち歩きマップを広げて老舗の焼き鳥屋さんやおでん屋さん、大衆食堂を紹介していただいた。

でも、なかなか女子1人で入るにはハードルが高く…

大衆食堂に行ってみたけどその日は閉店していたので、結局夜まで営業している喫茶店に。

地元の方ともお話ししたかったけど、こういう時に1人でも入れる勇気があればなあ。


そう思いながらゲストハウスに戻っている途中、偶然にもREFSのスタッフさんに遭遇。

「 これからMARUYAってとこに飲みに行くんですよ 」
「 え!わたし今日そこに泊まります! 」
という流れでMARUYAのバー、 MARUYA terraseへ。

すでにスタッフさんやゲストさんがいらっしゃって、1人だったら絶対輪に入れなかったけどREFSのスタッフさんのおかげでしれっと参加することに成功。


その日は宮城から静岡までバイクで来た方、海上保安庁勤務でプライベートのダイビングライセンスを取りに来た方、群馬で看護師をしている方などがいらっしゃった。

スタッフさんも合わせて10人くらいしかいなかったから、かなりアットホームな雰囲気ですぐに打ち解けられたのがうれしかった。


そのあとはスタッフさんも含め6人で2軒目に行った。
出会って1日しか経っていないとは思えないほどとても楽しい時間で、ゲストハウスに戻って寝たのは2時という、わたしにとってはなかなか無い経験だったなあ。

2日目もすぐ帰るつもりだったけど、朝からゲストハウスのリビングでみんなで歌ったり、
仲良くなったゲストさんと3時間もREFSで語り合ったり、RoCAというカフェでコーヒーのお話を聞いたり…

熱海のゆったりとした、曖昧さが許されるような空気に居心地の良さを感じて、帰る頃にはすっかり夕方になっていた。



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熱海がくせになった。

最初は1人に不安しかなかったのに、MARUYAがきっかけで楽しさに変わった。

多分ゲストハウスに泊まるような人って似ているようなところがあるし、初対面だから色んなことを話せるっていうマジックもあったかもしれない。

でも、MARUYAがそのきっかけを作ってくれたのは事実で、ほかの場所だったらここまでゲストさんと仲良くなれなかったし、熱海のまちを歩くことも無かったと思う。


おかげで熱海のいいところを見つけることができたし、気づきもたくさんあった。


・熱海の空気感がちょうどいい。

ゆったりしていて余白がある。予定が決まってなくても流れで決めようかな、くらいの曖昧な感じがちょうどいいまち
鎌倉みたいに人でごった返して身動きが取れないような感じじゃなくて、身軽で、自然と歩くのがゆっくりになる感覚。


・お金を使うことの考え方が変わる。

飲食店が多くて作り手との距離が近いから、いいと思ったところにお金を使いたいと思うようになる。
お店の方が温かいとか、「このお店のために」お金を使いたいと自然と思わされる。

お店のリピーターになって継続的にお金を落とすと、お店がどんどん良くなって、そのお店を目当てに熱海に来る人が増えて…
結果的には熱海というまちにお金を使うことにもなる。


・点ではなく面で繋がる。

普通観光する時は「AのあとにBとCに行く」という観光スポットをピンポイントに選ぶけど、熱海の場合は「Aに行ったらBという所を紹介されたから行ってみる。その途中でCを見つけておもしろそうだから行ってみた」みたいに、ゆるやかに繋がる。
しかもそれを繋げるのは地元の方が関係していることが多い

お店だけじゃなくて人も、紹介の紹介で出会うようにゆるやかに繋がって、また会いたい人が増えていく。


あと印象的だったのが、夜に歩いていた時におばあちゃんが「おやすみなさい」と言ってくれたこと。
地元の人か旅行客かもわからないのに声を掛けてくれて、なんだか岩手みたいですごく嬉しかったなあ。

今回はずっと1人で息詰まってしまっていたから旅行に出たけど、地元の方の優しさやゲストさんと仲良くなれたことでだいぶ気持ちが前向きになって、まるで生まれ変わった感覚がある。

改めて人との繋がりがわたしにとっての喜びなんだなと実感した。


そんなわけで、すっかり熱海の虜になってしまった。


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MARUYAの役割

熱海に来る前に予想していた通り、MARUYAはゲストや地元の方を繋ぐ場であり、またその人に会いに熱海に来たくなることで、継続的にまちに人を呼び込む役割を持っている。

まさに場づくりとまちづくりを実現している、わたしにとっては理想的な場所だった。


しかも、人が集うだけではなくて、一旦散らばって、必要に応じてまた帰ってくる場所のようなイメージ。

ゲストならもともと住んでいる場所に帰るけど、また熱海に来たらMARUYAに戻ってくる。

地元の方ならそれぞれのお店でチャレンジをして、壁に当たったらMARUYAに答えを求めに来る。みたいな。


運営している株式会社machimoriは、地主に変わって土地の運営をする“家守”に倣って、まちの世話をする“町守”という意味合いが由来だそう。

会社名がmachimori(町守)なだけあって、多方面から拠り所にされている場所なんだな、という印象を受けた。


加えて、家・職場に続く第3の居場所になることで心の拠り所にもなっているだろうし、そんな場所を見つけられたわたしはなんてラッキーなんだ!ととても気分がいい。



気負わず行けて、でも行けば何か発見がある場所。

はやくまた熱海に行きたくなっている自分がいる。


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