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西之宮シリーズ

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これらのお話、雑文、乱文は緩やかに繋がっていたり、いなかったりします。 また、消えたり現れたりします。 話を積み上げる、賽の河原の子供の幽霊みたいな。 そんな感じです。 水先案…
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#恐怖小説

アウトライン

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 小さな部屋の中で、男と女が向い合って座っている。何の変哲もない掛け時計の秒針の規則的な音と男の机をトントンと指で叩く不規則な音が部屋の中によく響く。加えて時折、男の足を組み替えた時の衣服が擦れる音や、男のこれみよがしなため息の音がする。女の方は瞬き以外ほとんど目立った動きは見られなかったが、男の何度目かのため息の後、唐突に口を開いた。

「――ですから、言葉では説明が出来ません。私に出来ることは

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