大人になったら
幸せな時間が増えた。
昔より、欲張りになって、
昔より、死ぬのが怖くなった。
みんないつか死ぬと考えるともっと怖くなった。
死んだら幽霊とかになれるのかな、
自分の記憶ってどこかに残ったらするのかな、
大切な人とはあっちの世界で仲良くやれるんだろうか、
それとも何もなくなるんだろうか。
幸せになることで、幸せを実感することで、
はっとしたことがある。
親は、祖父母は、私みたいに幸せな気持ちを味わえているのだろうか。
私を産んだでくれた人たちは、もっと生きたいと思ているだろうか。
私、まだまだだった。
自分のために生きようと決意したあの日は、まだまだ子供だった。
今の幸せにたどり着けたのは、きっと自分だけのお陰ではない。
私を産んだ、私とかかわった、
全ての人のおかげだ。
はじめて、人を幸せにしたいと思い、
初めて無力を実感する。
まだ何もできていない。
もっと大きくなって、美味しいものをご馳走したり、喜んでもらったりしたい。
そうしていつくるかわからない最後を忘れるくらい、何かに幸せを感じて欲しい。
もう少し、まっててください。
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