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調和

制限などないと語る鳥たちの羽ばたく音、何億光年も先で、まだ類人猿であった時の記憶をグルーミングして、時間に阻まれずに、視神経に絡まる思い出を消去して、本質が謳うものを、適度に破壊して、セオリー通りに動く人工的なケモノや、形成された罪の温度や、大気圏にある託児所で、壮年の記憶を抹消して、不遇の時にもよおす尿意のような、そんな違和感と不快感を正義に変換して、次々に犠牲を生み出すだけの、井蛙な人々の行進や、警報器が唸る内面的な壁を叩き割るために、本能的なハンマーで、いちいち破壊する音が木霊して、ミキサーにかけられた伴侶たちや、遠退く意識の中での労いや、好き嫌いを謳う群像の波形や、あらゆる経過を破壊するための教唆や、騒然としている意識を踏み躙るための家庭環境や、改ざんされ続ける面影に帰巣する本質や、対価を得るために、立ち並ぶ人々の欲望の屑を集める仕事や、能動的であることを辞め、逐一目に入る情報に支配され、思考停止に陥り、陰惨な結末に注がれるものが、排斥する理由が流動して、活路を失い、喪失感にたゆたい、まどろむ彼女の泡沫、比率や品性などを求めるほどに、汚くなってしまうことに気付きもせずに、もたらされる理由に腐敗し、真実を切り取るハサミのような感覚で、時代や社会なんかを、簡単に切り捨て、機械的なアンチテーゼが降る夜に慟哭を繰り返しては、体裁なんかを保つために、演技することを辞めて、天気なんかに左右されずに、天使のように生きるのである。

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