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受胎

人違うのが当たり前なのに、依然として、誰かと比べたり、誰かになりないたど、と、うつつを抜かし、本質を見失い、自己すら失い、誰かを羨んだり、憎んでばかりいるし、いらだつ君の日々の中で加速する論理や、離陸する飛行機たち、あらゆる変化と同化する擬態化する動物たち、宇宙の始まりは、あなたとの交わりである、と、似たような感性が切り取る動機により、散りばめられたメタファーが雲に変わり、世界を暗雲で埋め尽くす頃、交換される精神が真理を圧縮して、足りないものを、補う何かが、行き来する交差点や、慢性的な欠如を及ぼす結末、約束を突き破る犀の角、能動的な高揚感により育てられた花、分断を生むとか言う間にも、さらなる分断は進み、そこら中を、崖だらけにするための、基礎や答えが慄くことはなく、ただ、徹底的な支配のためだけに、怠惰な個体たる私、LANケーブルや、体液なんかを流すための、巨大な配管を繋がれた身体、あくせく働いても、遠退くばかりのしあわせを掴むための戦争の汚穢、感受性も潰えたあたりに描かれた私怨や思念を描く画家、偶像崇拝を続けるための基礎を埋め込まれた機械の身体、過ちを注ぎ込まれた家庭から流れる廃油、豊かなのは、たぶん、欲しいものすらなくなり、保身ばかりの今を切り刻み、機関的なものに抑圧されでも尚、押し広げる黒い翼。

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