謳歌
永遠なんて一瞬、浄化されていく晴れ間に包まれた街並み、あの夏の思い出は、そのままだし、惰性で引きずっている未来に反し、挟み込まれた未来を、この身に重ね、厚着で進む感傷的な街、しびれた大脳から生み出される論理や高貴な面影、現前に迫る憎しみの縮図、ずさんな影を踏みながら遊ぶ子供達の孤独も遠のく。崩壊しかけの言語に追い込み漁をかけるために旅立った少年、たちまちに現れた象形文字を解読し、退屈なドアを蹴破り、輪唱される真理に騙されないようにして、支配的な輩が示す差異なんかに騙されないようにして、信用などを謳う新聞やテレビには耳を貸さず、怠慢な日々の中で勘違いした苦悩が、照合する罪が、革新的なものをも排除しようと目論む間にも、この世界は、確実な終わりに、くたびれた聖書や地図を広げているアンニュイとした女性や、収斂されていく結末に包まり、空疎な自分を愛なんかで包装し、誰かにプレゼントしたいぐらいである、と、語りかける君の悠長な閃き、傀儡と化した君たちの私情に迫る空白やら、根源やら、ハムトーストやら、酩酊した深夜や、痩せた観念や、狂騒に散りばめられた忌々しい権化、警報器唸る爆心地、希望も潰えた後に生まれた愛、くすんだ週末の色、ノイローゼの散文化させ、それを宝石に閉じ込めた指輪、不埒な熱情により疎外感を加速させる君たちの焦燥感、陰口で加速するバイクに乗る主婦たちのアイロニーが降り続ける朝。
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