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コロナ禍に救われた大学生の話。
2020年4月中旬、私は休学をせざるを得ない状況に追い詰められていた。
というのも、3月に体調不良が続いていたのだが、まあいつもの事だからと騙し騙し動いていたらみるみる悪化した。
身体が動かなくなった。
布団から出られない、決死の覚悟で起き上がっても何もできない。
ご飯も食べられない、お風呂にも入れない。
唐突に涙が溢れて止まらない。
うつ病だ。
昔からぼんやりと感じていて、その時に調べた情報を思い出して確信した。
心療内科に行き、診断を受ける。
結果は予想通りだった。
、、これからどうしようか。
3月に体調を崩した時点でバイトは辞めていたので他人に迷惑をかける心配はない。
問題は大学生活だった。
履修登録はもう出してしまっている。
しかし家から一歩も出ることができない状態である。そんな中で学校に通うことは到底不可能で、単位も一つも取れないだろう。
留年するくらいなら休学をするしかない。
うつ病の症状の一つとして、判断力と思考力の低下がある。そんな中で先述したようなことを必死に考えていた。
しかし相談できる人が周りに誰もいなかったこともあり、休学の判断を下すことができなかった。
そしてすぐ授業開始の5月を迎えることになる。
大学からのメールには「当面オンライン授業のみでの開講」また、「オンラインに対応できない授業は休講」の文面。
少し希望が見えた。
休講によって当初の半分近くまで授業が減ったのだ。
他の学生は単位が取れなくなるために阿鼻叫喚だったと後になって聞いた。
しかし私にとっては巡り合わせでしかなかった。
更にオンライン授業ということは、家から出る必要がないということである。
もしかしたら前期は頑張れば乗り越えられるのではないか?
この判断が吉とでるか凶とでるかは分からない。
でも試してみる価値はあるのではないか。
そんな思いで始まった前期。
8月までの間、何度この選択を悔やんだか分からない。
ギリギリまで欠席した授業もあった。
課題を提出できなかった授業もあった。
それでも全部の単位を無事取りきることができた。
夏休みで十分に休む時間がありほんの少し回復した私は調子に乗って、後期もいけるやろ!とまあまあな数の授業を入れてしまう。
喉元過ぎれば熱さを忘れるというやつである。
流石に対面授業は受けられないと、必須を除き全てオンライン授業の科目を取っていたのだが、無事に半ばで折れることになる。
担当の教授に泣きながらメールをした。
今までのことを全部書いた。
今見直したら「休学したい」と、はっきり書いていた。
教授は冷静に丁寧に返事をくれ、研究室においでと日程を送ってくれた。
そして泣きながら話す私に耳を傾けてくれた。
「進級できる方法を先生たちと一緒に考えていけばいい。」
学校って頼ってもいいんだ、と思えた一言だった。
その話を受け、単位が危うかった科目は担当教員に相談した。
例えば、zoomで顔出しの授業でビデオをオフにする許可をもらった。これによって体調が良くない時でも、横になりながら授業を受けることが可能になった。
おかげで気持ちも少し軽くなり、安心して授業に臨めるようになった。
そして今日、無事に今年度の授業を終えることができた。
先生方、友人たちに力を貸してもらい、乗り越えることができた壁である。
その記念に一部始終を残してみたいと思ったのでnoteに書き記すことにした。
オンライン授業というとマイナスな面しか話題に上らなかったが、ごく少数ではあるもののそれに救われた学生もいるのだと知ってほしいと私は思う。
例年通り対面授業の一年であれば、私は休学という選択を取らざるを得なかったのだから。
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