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【ハリウッドレポーター版】2022世界のトップ映画学校ベスト15

みなさん、こんにちは。
映画のメトダです。

実は毎年、映画教育をベスト校のランキングが様々な媒体で紹介されています。

その中で最も有名なランキングはハリウッドレポーター誌とバラエティ誌が毎年出しているランキングです。

特徴としてはアメリカ内の映画教育機関は含まないところですが、もしアメリカ以外で映画を勉強してみたいという方の参考になればと思います。

今回は2022年の最新のハリウッドレポーター誌版を紹介。

順位不動です。

オーストラリア映画テレビラジオ学校

オーストラリアで最も優れた映像の学校は、シドニーで最も快適な場所のひとつにあります。美しい環境と豊富な業界講師陣、そしてオーストラリアの映画・テレビ界とのコネクションが利点です。

著名な卒業生には、昨年のアカデミー賞監督賞にノミネートされたジェーン・カンピオン『Power of the Dog』や『ブラック・ウィドウ』の映画監督ケイト・ショートランドがいます。

また、技術部門では、デヴィッド・ホワイト(Mad Max: Fury Roadの音響編集)、アンドリュー・レスニー(Lord of the Ringsの撮影)、トニー・マクナマラ(The Favouriteのオリジナル脚本賞)といった多数の過去のオスカー候補者や受賞者が活躍しています。

・CCC(メキシコ)

メキシコで最も権威ある映画学校。
学生の男女平等(2020年に初めて達成した目標)を掲げている学校。
『ブラック・ウィドウ』の撮影監督ガブリエル・ベリスティン『ブロークバック・マウンテン』の撮影監督ロドリゴ・プリエト、オスカーにノミネートされた制作デザイナー、フェリペ・フェルナンデス・デル・パソ『フリーダ』、そして、デビュー作『盗まれし者への祈りを』が2022年度アカデミー国際短編映画のショートリストに入ったタチアナ・フエゾ監督など世界レベルの専門家を輩出している実績を誇っています。


・イタリア国立映画実験センター

ヨーロッパで最も古い映画学校(ベニート・ムッソリーニのファシスト政権下の映画推進事業で1935年に設立)であるイタリアの国立映画学校は、監督、俳優、プロデューサー、脚本、アニメーション、セットデザインなど、一流から裏方まであらゆる職業を3年間で学ぶことができます。

クラスは少人数制(1クラス6名程度、演技コースは男女比14名)で、イタリア語と英語の知識が必須です。同校はイタリアのロンバルディア州、ピエモンテ州、シチリア州にも分校があります。

・DFFB(ドイツ・ベルリン)

ベルリンの映画学校は、『U・ボート』や『エアフォース・ワン』の大ヒット監督ウォルフガング・ペーターゼンから、『東ベルリンから来た女』のクリスチャン・ペッツォルド、『キブロンの3日間 / 3 Days in Quiberon』のエミリー・アテフまで、幅広い卒業生を誇り、映画をグローバル産業として捉えた映画製作への様々な要求を職人的なアプローチでプロを育てることを誇りとしています。

DFFBは最近、新しい教育プログラムとして、カンヌ、ベルリン、ロッテルダムなどの国際映画祭を利用してインディーズ映画の販売、配給、マーケティング、展示を促進することに焦点を当てた9ヶ月間のトレーニングコース「Next Wave」を追加しました。

・ECAM (スペイン)


ECAMは、実践的なスキルと業界とのコネクションに重点を置いているため、早く業界に参入したい人に人気があります。また、毎年開催されるECAMシリーズマーケットでは、TVスクリプトマスターコースの学生が、スペインの業界関係者を前に最終プロジェクトを発表します。

・ウィーン映画アカデミー(オーストリア)

今年初め、オーストリアを代表する映画学校に#MeTooの波が押し寄せ、学校の卒業生であるカタリーナ・ミュクスタイン監督が映画アカデミーと無名のスタッフを虐待の疑いで告発した。同校の校長ダニー・クラウスとオリバー・クンツは「あらゆる形態の虐待と差別」を非難する声明を発表し、ミュックシュタインの主張を調査することを約束しましたが、メディアの注目により、『愛、アムール』のオスカー受賞監督ミヒャエル・ハネケ教授や、『リトル・ジョー』のカンヌ常連 ジェシカ・ハウズナーら名匠から直接学ぶことができる世界有数の芸術機関という同校の名声は多少低下しました。

・La Fémis (フランス)

パリにあるこの国立映画学校は、徹底的で厳しい入試で(クレア・シモンの2016年のドキュメンタリー『Le Concours』に詳しい)で有名だが、その方法に異議を唱えることは難しい。

ラ・フェミの卒業生には、巨匠クレール・ドニ、コスタ・ガヴラス、フランソワ・オゾンのほか、2021年のパルムドール受賞者ジュリア・デュクルノー(『チタン』)、ノルウェー人監督・脚本家のエスキル・フォクト(『わたしは最悪』などで、頻繁にコラボレーションしているヨアヒム・トリアーと共同脚本、本年度のオスカー脚本賞にノミネート)ら新世代の有力者が名を連ねています。
La Fémisの学長には、『アーティスト』のミシェル・ハザナヴィシウスが就任しています。

・ウッチ映画大学(ポーランド)

第二次世界大戦後に設立されたウッチ映画学校は、先駆者であるアンジェイ・ワイダやクシシュトフ・キェシロフスキから、マウゴシュカ・シュモフスカ(『もう雪は降らない』)やヤン・コマサ(『コーパス・クリスティ』)といった革新的な監督を含む現在の世代の卒業生によって、ポーランド映画の歴史が刻まれています。この学校では、映画やテレビの監督、撮影、映画美術、テレビ制作、演技について、フルタイムまたはパートタイムの授業を行っています。ポーランド語が流暢であることが必要ですが、入学試験に合格した者は、入学前に1年間のポーランド語コースを受講する資格があります。

・NFTS(イギリス)

この半年間にNFTSはワーナー・ブラザース・ディスカバリーと組んで「業界初」のバーチャル制作コースを立ち上げ、アマゾン・プライムとは75人の学生を新プログラムに迎え入れる3年間の特別コラボを行い、ディズニーとは新しい制作会計の博士課程を新設するなど、今年も忙しい1年でした。

この学校は、多様化を向上させることにも力を注いでおり、2022年の学生の32%が民族的に多様な背景を持つ学生で、これまでで最も高い数字となりました。

ルイス・アーノルドはBAFTA最優秀ミニシリーズ賞を受賞した『Time』を監督し、ナタリー・ホルトは『オビ=ワン・ケノービ』を手がけてスター・ウォーズの世界初の女性作曲家となり、リチャード・フリンは賞レースの寵児『The Power of the Dog』でサウンドミックスを担当するなど、卒業生にとっても良い年だったようです。

NFTSはまた、卒業生のアニル・カリアが、リズ・アーメッド主演の『The Long Goodbye』でアカデミー賞短編実写賞を受賞し、卒業生のAntonin Niclassのアニメーション『Do Not Feed the Pigeons』がBAFTA英国短編アニメーション賞を受賞して、アカデミー賞に花を添えました。

・デンマーク国立映画大学

デンマーク語が流暢であること、EU圏外の居住者は1学期あたり約25,000ドル(20,000ユーロ)という(ヨーロッパの映画学校としては)高額な授業料がかかることから、デンマークの最高峰の映画学校は万人向けとは言えません。
実際、この学校では年に1、2人しか留学生を受け入れていません。しかし、コペンハーゲンにあるこの映画学校の教育は、最近卒業生のミケル・E・G・ニールセン(『サウンド・オブ・メタル』で編集賞)とトーマス・ヴィンターバーグ(『アナザー・ラウンド』で国際長編賞)がオスカーを受賞したことからもわかるように、世界最高水準にあるのは確かです。

・プラハ映画学校 (チェコ)


この学校の英語コースは、ヨーロッパの作家映画的な芸術的野心と、アメリカのインディーズ映画制作の実践的アプローチを融合させることに努めています。

カリキュラムは撮影現場でのトレーニングに重点を置いており、各学生は年間最大30本の作品に携わることができます。

有名な卒業生には『エターナルズ』の俳優Sebastián Viveros『掘金』の撮影監督ロス・ジャルディーナ、『Gully Boy』の撮影監督ジェイ・オザ、Netflixのアクション映画『タイラー・レイク -命の奪還』のセカンドユニット監督で、アカデミー賞にノミネートされた『Lion』のAnanya Raneがいます。

・SAE Institute (スイス)

ヨーロッパの映画学校の多くが芸術的表現への作家的アプローチをとる中、チューリッヒのSAEは、グローバルなエンターテインメントビジネスで成功するために必要な技術的スキル習得に重きを置いています。

SAEは、オーディオエンジニアリング、デジタル映画制作、VFX、3Dアニメーションなど、あらゆる分野の1〜3年制のプログラムを提供しています。

ナッシュビル、マイアミ、サンフランシスコ、アトランタ、ロサンゼルス、シカゴなど、世界20カ国50都市にあるSAE研究所のキャンパスと施設をグローバルネットワーク化し、卒業生は世界中の業界のプロフェッショナルとこれまでにない方法で交流することができます。

・Sam Spiegel Film and TV School (イスラエル)

イスラエル初の独立系映画学校で、伝説的なオーストリア系ユダヤ人プロデューサー、サム・スピーゲル(『ウォーターフロント』『アラビアのロレンス』)の遺産を基に設立され、エルサレムを拠点としています。

ベルリン金熊賞を受賞したナダヴ・ラピド(『シノニムズ』『Ahed’s Knee』)や、Netflixのヒット作『シュティセル家の人々』を制作したYehonatan Indurskyらが卒業生で、映画制作に対する実践志向のアプローチでよく知られています。

卒業生の約75%が映画業界で働いています。今年は、NetflixやParamountと共同で、イスラエルのクリエイターと国際的なテレビ関係者が協力してハイエンドなドラマ・シリーズを開発する「シリーズラボ」という新しい取り組みも開始されました。ハガイ・レヴィ(『Scenes From a Marriage』『In Treatment』)がアーティスティック・アドバイザーとしてこの新プログラムに参加しています。

・ヴィクトリア大学ウェリントン(ニュージーランド)

ヴィクトリア大学ウェリントンのMiramar Creative Centerは、Weta Group、Park Road Post、Stone Street Studiosにまたがるピーター・ジャクソンの広大な映画製作施設のすぐ隣にあり、学生や卒業生にとって奨学金、インターンシップ、クロスオーバーの実務経験はごく当たり前のものとなっています。この施設とそのプログラムは、プロフェッショナルな仕事へとスムーズに移行できるよう、最先端の技術を用いた集中的な実践教育を施しています。

・ライアソン大学(カナダ)

『スウィート ヒアアフター』などで有名なカナダ人監督アトム・エゴヤンが、トロント・メトロポリタン大学に新設された2年間の脚本・ストーリーデザイン修士課程で、最初のレジデント・ライターとなりました。

アトム・エゴヤン監督は、脚本家の学生を指導し、最近の卒業生にアンドリュー・シヴィディーノ、ニコール・ドーシー、ブランドン・クローネンバーグらがいるイメージアート学部が提供する映画プログラムのプロモーションを行っています。

その他、TMUのイメージアート学部では、映画プログラムに統合デジタル技術のオプションが加わりました。映画プログラムでは、映画、アニメーション、バーチャルリアリティ、クリエイティブコーディング、プロジェクションマッピング、デジタルメディアインスタレーション、3Dモデリングなどを扱う統合デジタルオプションが追加されました。

前回まで入っていた北京電影学院と韓国映画アカデミーは今回外れています。おそらく、コロナの影響で取材もそうですが、生徒の海外からの新規受け入れがなかったからかと推測されます。
その代わりEUでは力があることが認知されているイスラエル、新たにスイスの学校が入ってきています。

みなさんも是非留学の参考にされてみては?


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