【短編】ロイヤルストレートフラッシュ・シンドローム
白いテーブルクロスに、白磁に金の縁取りのティーカップ。ゆらゆら浮かんでいるダージリンの水面に、朝の陽光がくっきりと写る。取っ手に人差し指をかけ、カップを口元へ。一口、舌先を湿らすように含むと、膨らんだ香りがふんわりと鼻を抜けていった。
「つぼみ、お弁当ができたわよ」
カウンターキッチンの向こうで、ママの声。差し出されたパステルカラーのランチボックスは、流行りの薄く細長いタイプのものだ。「なんだそれは。テレビのリモコンみたいに小さいじゃないか」とパパは顔をしかめたけれど、これぐ