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中国平安保険グループのOneConnectが推進するデジタルバンキング

『戦略をアップデートする』は、競争戦略コンサルタントとしてGAFA×BATH等の米中メガテック企業をはじめ国内外トップ企業の動向をフォローしている田中道昭が、日々行っているこれら企業へのリサーチの中から、その内容をnoteでシェアするものです。

今日の『戦略をアップデートする』で取り上げる企業は、中国平安保険グループの金融機関向け”Technology as a Service”やSaaSを提供する企業OneConnectです。

OneConnectは、2020年9月27日付けのPRNewswireを通して、「OneConnect wins IFTA FinTech Achievement Award for Digital Banking(OneConnectはデジタルバンキングでIFTA FinTech Achievementアワードを受賞)」と発表しました。

第14回第30回の『戦略をアップデートする』でも述べましたが、中国平安保険は「金融周りのサービス」と「フィンテック&ヘルステック」という2つのフォーカスを設定しています。前者は、保険・銀行・投資事業。そして後者は、「ファイナンス+エコシステム」という成長モデルで、「ファイナンス」「ヘルスケア」「自動車販売」「不動産」「スマートシティ」という5つのエコシステムを構築しています。

OneConnectは、P2P金融などの「LuFax(陸金所)」と決済システムの「壱銭包」とともに、「ファイナンス」エコシステムの一角を担っています。金融機関に対してデジタルバンキングやモバイルバンキングにかかわる、ブロックチェーンやAI関連などテクノロジーやモジュールを提供することで、金融機関のテクノロジー基盤となっているのです。(動画参照)

OneConnectは中国平安グループの基盤になっていることもあり、2019年度売上高の43%は中国平安グループ内から、13%は「Lufax(陸金所)」からもたらされていますが、その売上高全体に占める割合は年々低下してきています。OneConnectは、グループ外からの売上拡大を戦略的に重視していくとしています。

ちなみに、OneConnect(OneConnect Financial Technology Co., Ltd.)は、2019年12月に、株式(American Depositary Shares)をニューヨーク証券取引所に上場しています。

田中道昭

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