応援出来る人になる

推しのいる生活

今では、すっかりと定着したように思うことがあります。推しがいることを堂々と宣言することが出来るようになったことです。

かつては、そんなことはありませんでした。自分の好きなことを語れば、オタクだとはやし立てられては馬鹿にされていたものです。

ですが、今では羨ましがられてしまいます。そんなにのめり込むことが出来ていいねって、言われるのです。

こうなってくれたことは、ひとつの視点から言うと、この社会にとって非常に希望が持てるものではないかと思うのです。

応援できる人になるということは、毎日の生活にハリと潤いを与えてくれるからです。みんながみんな自分の好きを堂々と宣言し、それを応援することで、社会全体が活き活きするのではないかと想像することが出来ます。

僕の知っている方にも、推しがいるおかげで、人生を思いっきり楽しめるようになった方がいます。

その方は、郷ひろみさんが大好きで、郷ひろみさんの為なら、全国どこにでも飛んでいくそうです。これがあるから、きつい仕事であっても頑張れるそうです。どれだけお金をつぎ込もうとも気にしている様子がありません。それで、誰かに迷惑をかけてしまうような行き過ぎたものなら、考える必要があるのかもしれませんが、そういったことはないように見えるます。ですので、本当に心から羨ましくなるくらい、思いっきり楽しんで満喫しているように見えるのです。

いつも笑っていて、とても明るい性格な方なのですが、話を聞いてみると、過去はとてもそんな状態じゃなかったそうなのです。

ふたりのお子さんがいらっしゃるそうなのですが、二人目のお子さんが、重度の障害を抱えて生まれたそうです。その時に、責任を強く感じたそうで自分をどれだけ責めたのか分からないくらい、自暴自棄に陥ってしまったそうです。

ですが、自分がしっかりしなくてはいけないと踏みとどまり、この子に全てを捧げると決めたそうです。自分のやりたいことを、我慢しては必死になって支えてはいくものの、上手くいかないことばかりだったそうです。そのせいで、旦那さんとは喧嘩ばかりしていては、お互いがイライラしていたと仰っていました。

お子さんが大きくなるにつれて、多少は時間も自由になったそうなのですが、気持ちはどんよりとしたままで何かをしようとは思わなかったそうです。僕が思うに、きっと心が疲れ切ってしまっていたんだと思います。

そんな時に、友人に誘われて郷ひろみさんのコンサートに行った時に、何かがはじけたような気がしたそうです。それから、どんどんとはまっていく気持ちが抑えきれなくなって、自分も自分の人生を楽しんでいいのだと思えるまでに至ったそうです。

そうして、推し活をしていくうちに、これまで上手くいかなかったことが、一変して上手くいき出したそうです。活力が湧いてきたようで、多少のことでは動揺しなくなっり、イライラすることもなくなったのだそうです。

気持ちはすっかりと前向きになり、性格も本当に明るくなったのだということでした。

応援できる人になるということ

夢に向かって懸命な姿や、何かの為に頑張っている姿を見て応援したいと思い行動するということは、本当に素晴らしいものであると言えるのです。

だって、それは損得にとらわれず、無意識に湧いてくる自分の気持ちであるからです。だからこそ、推しに感情移入することが出来て、心から感動することが出来るのです。これ以上ないくらいハラハラドキドキしては心配することも出来るし、悔しい場面のときは思いっきり自分も悔しくなることが出来ます。その分、喜びも大きく、時には涙を流しながら歓喜することも出来るのす。

そして、何よりも「私もがんばろう！」と、思えることが大きいことだと思います。

誰かを応援する気持ちだから、自分をも応援できちゃうんです。

これは、損得がないからこそ出来ることなのです。そもそも、普段の生活の中で、僕らは知らず知らずのうちに損得を優先して動いているのです。身近な人や周りの人を心から応援しようとしても、無意識のうちに、思うものなのです。いつか自分に返ってくるかもしれない。この人に恩を売っておけば、自分がピンチの時に助けてくれるかもしれないといったように。

否応なしに心の何処かで見返りを求めてしまう自分でいるものなんです。親子関係ですら感じるものなのです。どれだけ、自分の身の潔白を主張したといころで、そうした損得の気持ちがないというのは嘘になってしまいます。それは誰のせいでもなく、本来の人間という生き物としての本質であるからです。

ですが、遠い存在だからこそ、そこには損得は存在しません。純粋に応援したいと思って応援しているからこそ、応援出来る人になれるのです。

だからこそ、自分自身も応援できるようになれるのだと僕は思います。

僕自身、どこかで、自分のことで精一杯だからと冷めてしまっている部分があります。ですが、こう考えると心のわだかまりが消えるような気がします。

それは、「人の幸せを願うと、自分が幸せになれる」。

僕も熱中できる何かを探してみたいと思います。

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今日も自分をご機嫌に。
メルシー