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あるトラウマを克服したお話し

消えないトラウマ

過去に心の傷を負ってしまったとき、自分自身では対処できなかったような体験をしてしまったら、人は心身に様々な支障をきたしてしまうのです。

かつて、僕はとても酷い会社に勤めていました。事業の失敗の責任を全て僕の責任だと押し付けてきました。休みなんかありませんでした。家に帰ることさえなかなか許してはくれませんでした。成功するまで死んでも働けと怒鳴り散らしては、無茶苦茶で膨大な仕事量を課せてくるのでした。今となっては、その会社を責めるつもりはありません。会社の文句を言いたい訳でもありません。きっと、その会社も生き残ることに必死だったと思うから。

気が付けば、僕は心を壊していました。

その時のことは今でもはっきりと憶えています。会社に行かなければという気持ちはあるのに、いざ行こうとすると、身体が重くなったり、意識が朦朧としたり、時にはまぶたが重くなり起きられなくなってしまっていたんです。

精神病院に入院したり、その会社を辞めるにあったってかなり揉めたりしました。色々とあったのですが、数年が経ち、ようやく立ち直ることが出来ました。ところが、偶然別の用事でその会社のある街に行こうとしたときに、足がすんで動くことが出来ませんでした。

自分を責め続けてしまった過去

その時、そんな自分を、僕はとても情けなく感じたんです。

「別に、もう関係ないことなのに。」「堂々としたっていいはずなのに。」「いつまで引きずっているの?」「どうしてそんなに意気地なしなの?」「もっとシャキッとしないと。」「気合を入れないと。」そういった言葉を羅列して自分を叱ってなんとか行こうとしたんです。

でも、脂汗のようなものが出て、どうしても行くことが出来なくて、諦めて帰宅しました。その時に、鏡に映った自分を見て、愕然としました。目はうつろで生気がなく、やつれ切ってしまったように見えたからです。

「たったこれくらいのことで。本当に情けない。なんてダメな人間なんだ。」また自分に、否定的な言葉を吐き捨てました。

それから、色んなことに意欲も活力も削がれてしまったようになってしまったのでした。

原因は自分のせいではなかった

「何をやっても、この苦痛からは逃れることは出来ないんだ。」

僕みたいな人間がいくら頑張ったところで、無意味なんだ。そうだ、だからうつ病にもかかったじゃないかって。結局は、自分がダメなんだと感じました。

いくら周りの人からそんなことくらいでって言われても、僕にとっては、とても難しいものでしたから。

でも、これは何も僕自身が弱かったからじゃなかったのです。

これは、本能というか、僕の中で無意識に指示された生存するための戦略的なものだったのです。

自分が危険だと感じたときに、身体が動かなかったり気が重くなることは、自分の身を守ろうと、エネルギーを節約し、回復にエネルギーを注ごうとするためのものであったのです。

きっと、あの時に僕がそのまま進んでいたら、過去のことを思い出し、辛い気持ちになってしまっていたのかもしれません。もしくは、心の傷を蒸し返す行為だったのかもしれません。

それなのに、僕自身がそのことで強く否定し続けていたから、余計に苦しくなったんだと思います。だって、足がすくんだ時も、自分を情けないと否定していたんですから。

自分の心の奥深くを、想像すると、せっかく自分を守ろうとしたのに、それを責められてしまうのです。それは、自分の状況を余計に悪化させるものだったのではないでしょうか。

僕は、周りの人によく言われたことがあります。そんなにその会社が辛かったのなら、どうしてすぐに辞めなかったのかって、すぐに辞めればよかったのにって。

確かに本を読んでも、会社なんか嫌ならすぐに辞めるべきだとよく書いてあります。でも、自分の中ではどうすることも出来なかったのです。抵抗しても立場の弱い自分が、強い反撃や脅しを受けたかもしれません。また、逃げたとしても、家族や残された同僚たちと言った風に、きっと誰かに迷惑をかけてしまいます。何をやっても選択肢がないと、その時は思ったのです。

ですので、うつ病にかかったのも、本当は自分の命を守るために本能が働いたものだったのかもしれません。

トラウマを克服できたのは

ある時から、僕は徹底して、あの会社のある街にはいかないようにしました。どんな大切な用事があっても、場所を変えてもらったりとしてやり過ごしました。

今、振り返ってみれば、自分の本当の気持ちを尊重していたんだと思います。

あの時に、本能的に足がすくんだということは、まだ、心の傷が癒えていなかったということ。まだ、行きたくないという気持ちがあったのだと思うのです。

そうやって自分の気持ちに気付き受け入れていくうちに、本当に心の傷が癒えたのだと思います。急に思いついたみたいに、ふらっとあの街の中を歩くことができたのです。

ですので、もしも、会社に行きたくてもいくことが出来ない。学校に行きたくない。何かの責任を全うしたくても、どうにも気が重くて辛い。

そんなことを感じているのなら、それは絶対に自分の中のネガティブな部分はないのです。だから、本当の自分の気持ちを積極的に肯定してあげて、自分の求めているものを満たしてあげることが大切であると思います。

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今日も自分をご機嫌に。
メルシー

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