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SOSが言えない!
心の中では叫んでいた
この話は、もう何年も経った今だから言えることなのです。
僕は過去にうつ病を抱えていました。
当時の僕は、自分には何も価値を見出すことが出来ませんでした。それは、長年追いかけていた夢でもあり、仕事でもあったことの結果を出すことが出来なかったからです。僕の全てを仕事に捧げました。だって、仕事での成功こそが、幸せであると思っていたから。家族もほったらかし、仕事のために、友達も利用しました。寝る時間も持て余す時間も全て捧げました。でも、僕の夢は叶わなかったのです。
絶望したのは、結果が出なかったことだけではありませんでした。そのことで犠牲にしていたものが、あまりにも大きかったからでした。何もかも、捧げたって、聞こえはいいようで、結局は、全てにおいて、自分勝手になっていたんです。
ほったらかされた家族はもちろん離れてしまいました。友達も売り上げに散々、利用してしまっていたので、僕からは、みんな離れてしまいました。それが、自分に返ってきたかのように、結果が出ないのなら人の何倍も働いて貢献しろと言われて、会社から奴隷のように仕事をさせられるようになったのでした。
何もかもが、上手くいかずに、ただただ、寝る時間もないくらい働くしかなかったのです。どうすれば良いのか、分からないまま、悩み続けました。
何もかも手遅れだったのです。だって、どれだけ苦しくも、どんなに助けて欲しいと願っても、誰かにほんの少しでもいいから、話を聞いて欲しくても、僕の周りには誰一人いなかったのです。気が付けば僕は孤独だったのです。
あの時に、これまでしてきたことをきちんと謝ることができていたなら。
どんなことをしてでも、許してもらっていたのなら。
助けてと言えていたのかもしれません。
しかし、自分の気持ちが何ひとつ言えなかった僕は、諦めてしまったのです。どうすることも出来ないまま、全てを飲み込み負の気持ちを抱え込んでしまったのです。
心の闇って、あっという間に広がっていくんです。精神を壊し、体もあっという間に蝕んでしまいました。睡眠障害や過食症を引き起こし、遂には、生きていることに意味を感じなくなってしまったのです。
全ては自分が引き起こしてしまったこと。悪いのは全部僕なんです。
それが当時から痛いほど理解出来るから、どんなに苦しくて、どれだけ心の中で助けてと叫んでいても、助けて欲しいが、どうしても言えませんでした。
それが、今だから思う、うつ病を患ってしまった原因だと思うのです。
SOSは出してもいいと思えた
そんな経験をしていたのにも関わらずに、つい先日、僕は会社でひとりのスタッフと衝突しました。あまりにも、僕の指示通りに動いてくれなかったからでした。
しかし、それは、全て僕の言葉が足りなかったからです。
その時の状況を冷静に考えてみたら、欠員が起きたり、トラブルやミスも重なり、僕は、気持ちがどんどん追い込まれてしまっていきました。あれもしないといけない。この作業もしなくてはいけない。そうやって、焦ってしまった僕は、つい、自分のことばかりになって、その方の気持ちや状況を考えることが出来ていませんでした。
そこに気が付いた瞬間。かつての自分と同じだって反省したんです。
僕は、あんなに苦しんで学んだのに。未だに自分の中で忘れてしまっていることだったのです。
僕は、勇気を出して、その方に伝えました。
「今、僕は、いっぱいいっぱいになり過ぎて、あなたのことを考えていなかった。嫌な思いをさせてしまいすいませんでした。でも、僕も必死なんです。だから、助けて欲しい。」
謝罪と自分の思いを言うことが出来たんです。
そうしたら、申し訳ない気持ちになるくらい、助けて貰えたんです。
僕が、人生をかけて学んだことは間違いじゃなかったということです。
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メルシー
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