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本当に効果のある睡眠学習法【書評】「寝る前30分」を変えなさい (PHP文庫) 高島徹治

以前読んでいるはずなんだけど、改めて読み直していた。なんといっても、こんなに早起き(早寝)できたことは、今までの人生でも一度もないわけだから、この時期に集中的に良い習慣を構築したい。朝のルーティーンは、もう固定化している。あとは夜のルーティーンだ。

夜は、どうしても動画を見たり、ネットサーフィンしたりして、押され(流され)気味なので、ちょっとでも生産的に使いたい。そこで目を付けたのが、夜寝る前にちょっとだけ勉強(インプット)する、この方法だ。早速、読んでから実践している。

この本は読み放題対象だ。(参考:kindle unlimited読み放題

寝る前30分の種まき

著者の高島さんは、資格取得のプロ。年間10個以上、合計で100以上の資格を取得しているという。ここまでくるとプロというよりマニアだ。どうやってそのための時間を捻出しているかというと、睡眠時間を勉強にあてるのだという。正確に言えば、睡眠中に頭の中に情報が整理されて定着するように、寝る30分前に情報をインプットするのだ。そして、朝の30分を集中的に勉強タイムにあてる。

高島さんは、これを

・寝る前30分の種まき
・起きた後30分の収穫

と説明している。もっとも、朝30分は控えめに言っているようだけど。

ここ20年近くの間に睡眠に関して多くのことが分かってきた。夢を見るのは、記憶を整理するため、新しい記憶と以前の記憶を結び付けるためなのだ。そのため、夜寝る前にはどうしても解けなかった難問が、朝になるとすんなりと解けたりするのだ。

これは私も経験していて、本当に不思議だなと思うくらいなんだけど、、、これ以上出ないと思うほど、頭を追い込んでから寝ると、朝になったら意外な解決策がひらめいたりする。どうしても進まなかった思考系のタスクがすんなり進むようになる。これは睡眠の効果だと考えて良いんじゃないかと思っている。

また、夜寝る前に勉強するメリットは他にもある。学習心理学では「逆行抑制」という概念がある。

「逆行抑制とは、たとえば英語を勉強した後に国語を勉強すると、先に勉強した英語の記憶が妨げられるといった現象のこと」

「せっかく単語を記憶したのに、日中に活動することによって余計な新情報がたくさん入ってきて、単語の情報を干渉してしまったということ・・・もしも逆行抑制をゼロにしたければ、勉強した後に余計な情報が入らないようにしてしまえばいい。つまり、勉強したらすぐに眠ってしまうのが一番、ということになります。」

「寝る前30分」を変えなさい (PHP文庫)  高島徹治 

日中に勉強して、その後に様々なインプットが混ざりあうよりも、夜に情報を入れて、朝に再度アウトプット・インプットを繰り返すほうが良いということだ。頭に根付かせたい情報は、この方法を用いると良さそうだ。

寝る前30分の読書術

本書の中では、様々な寝る前30分の種まきアイデアが提供されている。その中でも興味を持ったのが、寝る前30分の読書・朝のガッツリ読書だ。高島さんは、寝る前30分の読書を「いいとこ取り読書法」と呼んでいる。目次をザっと読み、段落の最初の文と最後の文だけを拾い読みする方法だ。夜寝る前には、ざっと本の概要をつかむということだ。

以前私が書いた本(kindle出版11作目「大人のADHD読書術」制作秘話)でも紹介したことがあるけど、目次だけ読むとか、章ごとに拾い読みするとか、飛ばし読みスキルを駆使すると1冊30分で読むことは十分に可能だ。もともと、読書が得意な人は、一文ずつを読み込まず本のページを「絵」のようにとらえて読んでいるだろう。

寝る前30分の読書は、これだけで十分だ。これ以上に頑張ることはない。あとは寝ている間に、脳が目から入った情報を処理し、過去の記憶とのつながりや、新たなアイデアへの昇華を行っていてくれる。これ、フォトリーディングみたいなものだなと気づいた。

朝の30分集中読書

さて、夜に種まきをしたら、朝起きてすぐ収穫に励む。高島さんが数多くの資格取得に成功したカギはテキストの「3回転学習法」にある。

1回目:夜寝る前にザっとテキストを読む。テキストの全体像を頭に入れる。
2回目:ブル学習法。ブル(雄牛)のようにゆっくり読む。内容を読み込み、マーキングし、暗記用のカードを作成することもある。
3回目:記銘学習。マーキングした箇所だけを復習する。通勤電車などでも復習し続ける。

特に、2回目の精読を朝に行うのだ。夜にザっと読んでいるので、脳にとってはなじみのある情報になっている。そこで、真剣な読み込みを開始するというわけだ。私の場合は、マインドマップで本をまとめながら読み込んでいく読書マップを用いると、読み飛ばすことなく、丁寧に読める。

最近の起床時間は5時半~6時の間だ。朝、起きると睡眠日誌を書いて、その後ベランダで体操。そして、ちょっと掃除をしてから、朝食までの間が、だいたい30分ある。この時間に、夜に読んだ本の読書マップを作り、新たなアイデアを生み出す時間として活用するのだ。七つの習慣で言えば、確実に「第二領域」の分野なので、こういうところに時間を投資できれば、たとえ30分だとしても侮れない効果を生むだろう。

まとめ

生活習慣を整えながら、自分が少しずつ向上していっていると自覚できるのは幸せなことだ。いわゆるドーパミン的な幸せではないけど、セロトニン的な幸せがある。これは本当なのだ。

何をしたらよいか分からない・・・不安な時って、どうもメンタルが落ち着かなかった。朝のルーティーン、昼のルーティーン、夜のルーティーン、食事の前後の時間を使いながら、決まったように決まったことをこなしていくと、見事にメンタルが落ち着いていく。

この方法で、大事にしている睡眠を学習に変えられたら、どんどん無敵になるぞ。(なんといっても私は7時間半~8時間は睡眠が必要なんだから)

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大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq