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うまくプレイできない選手に対してどうアプローチするべきか?


選手を指導していると、
思うようにプレイできない、
わかっているのにできない、
という場面に直面する。

選手としては、
頭ではわかっているんだけど、
どうやっていいのかわからない。
どうすればできるのかわからない。
という状況もあるかもしれない。

そういう時、指導者としてどうアプローチするべきだろうか

整理、定義する

まず、最終的にどうしたいのかというゴールが見えているかどうかは大事だ。
そしてそのゴールに近づくために、
どうしなければならないかを理解しているということも大事。

その中で自分はどうなっているんだ、
自分の動きはどうなっていたかを把握させることは、
再現性という部分で最も大事になる。

これは過去の記事にも書いた、
GROW理論を参照してほしい。

一つのプレイを一つの結果で判断するのではなく、
いくつかのフェーズや段階にわけるといい。

その中で、チームとしてでも、指導の中でも、
定義づけをするということが大事になってくる。

前を攻めるとはどういうことなのか。
守るというのはどういうことなのか。
速さとは何を指すのか。
など、チームや集団の中で、
定義づけられて、共通言語があったりすると、
振り返りも含めていろいろなものの再現性が高くなる。


みんながわかっているということが大事

選手が「どうしたいのか」「どうしたらいいのか」を
理解していることがわかれば、
自ずと改善すべきポイントがわかってくる。

すでに既知としてある場合、
端的にやり取りすればいいのだろうが、
もし個人や集団であいまいになっている場合や、
全体に周知する必要がある場合は、
あえて、選手に説明させるというのも大事だ。

問題を抱えた選手に発言してもらい、
どうしたかったのか、
実際はどうだったのか、
どうすれば解決できるのか、
改善点はどのような点か、
などと整理してもらう。

すると、自分事として考えている選手は、
誰かに質問されているときも、
自分の言葉で考えて、自分なりの答えを持っている。
(この時、自分が発言しないとしても)
もし、そこで一緒に考えることができていない選手の集団であれば、
おそらく、同じ問題が何回も何回も起きる。
この前やったのに、という部分で何回も説明しないといけなくなる。

そもそも、誰かに対して質問した時に、
自分の頭で自分の答えを持たない選手は、
おそらく自分のプレイに精一杯で、
他人を見る余裕がないか、関心がない。
それだとしたら、集団としての強さは発揮しにくくなる。

全員が自分事として考えられるように、
誰かに質問した時に、その人だけが答えるのではなく、
答えに詰まった場合などは周りの選手に聞いてみるとよい。
「誰か助けてあげられる人いる?」
「この選手がもっとよくなるためにはどうしたらいい?」
と周りに問いかけることで、
その場にいる選手全員の課題としてとらえることができる。

よくありがちな、一人を集中的に問い詰めたり、
ぐぅの音も出ないほど論破するような指導よりは、
よっぽど思考を促していると思う。


ポイントを絞る

ここまで来たら、あとはどの段階にフォーカスするか、だ。
一気に全部をやるのではなく、
フェーズごとにポイントを持たせて、
そこに注意を向ける。

一度DFの逆にフェイントをして、
ボールをもらいに行ったら相手の足を見て、
来たらフェイントで切り返して、
その際にボールはDFから遠い方の手に持ち替える。
来なかったらそのまま進んで、
シュートを打つ時は大きく踏み込むんだけど、最後の一歩は強く短く。
ジャンプしたらキーパーはよく見て、
右に動かすように肩を開いて、反応したら空中でためて左に打つ。
反応しなかったらそのままクイックで打つ。

なんて指導をしていたら、選手は困ってしまう。

そして、ボールのもらい方の指導をしたのに、
フィードバックがシュートの成否とかになると、
指導する側もフォーカスできていないことになる。

一度に全部するのではなく、
どの段階にフォーカスするのか、
という部分に注意を向けると、
選手は結果よりもそれをやるために考えることになる。

【結果<過程】を重視する

100%正しいトレーニングはない。
その判断、選択が100%正しいかどうかはその瞬間にはわからない。

プレイをしているということは、
ミスをするかもしれない。
うまくいくかもしれないしいかないかもしれない、
というものの繰り返しになる。

よい結果を出すということは、
よい結果を出すための精度を上げる。  
ということだ。

良い結果までの過程の精度を上げてあげることが、
良い結果を生み出すことになる。

最終的に結果を評価したいのであれば、
それまでの過程をしっかりと適切に評価して、
改善と向上させることが大事だ。

その過程にフォーカスすることができると、
次のステージに移って、指導者から離れたとしても、
上手くプレイできなくなった時に、
戻るところがあるので、再現性は高くなる。

もちろん、最終的には結果を出すのがスポーツだし、
結果が大事なことも分かるけれども、
結果が最重要視されているのであれば、
結果論を言ってるだけでも指導者ができてしまう。


まとめ

ミスをしたくてミスをする選手はいません。

できないことをやろうとしている選手がほとんどのはずです。

そんな時に、どうしたらできるのか?
をしっかりとわかってもらうために、
一つのプレイを分解してフェーズに分けて、
それぞれの段階的目標の示唆や、
評価基準などを明確にすることが、
最終的に選手のプレイをより良くしていくことになると考える。

どこをどう評価しているかという共通認識は持っていたい。

迷いなく、やることに集中できるという心身の状態にしたい。

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Atsushi  Mekaru
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