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『何事もやっぱり0か100かじゃないんですよね』『いちもがき いちあがき いち踏ん張り』

【なぜ君は総理大臣になれないのか】


■日本/2020年 ■監督: 大島新■ 出演: 小川淳也

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久々ドキュメンタリー映画観ました!これめちゃくちゃ良かったです。政治モノの作品を観ていると毎回「野心」を感じるのですが、こちらの作品は「信念」感じさせる内容でした。17年にわたり政治家の小川淳也氏を追いかけたドキュメンタリー作品。2019年の国会の場で、不正会計疑惑を質す姿が注目を集めた香川県の政治家です。彼が日本を良くしたい、政治を変えたいという想いで何度も選挙戦を戦う姿が映されています。監督は「情熱大陸」などを手掛けた大島新氏であり、ご本人も出演されています。

いや、ホントに、選挙って大変なんだな、、、出馬されるご本人はもちろん、両親や伴侶だったり総力戦で、身を削ってやれるだけやってもたくさんの非難も受け入れる器も必要。。。出る杭は打たれる、のは仕方ないとはいえ、作品を観ながら香川県民ではないのですが、頑張れ小川さん‼って叫びたくなりました。

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この作品を観ていると、小川さん「真面目すぎ」「理想ばっかり」「政治家に向いてないんじゃないの?」と思う人もいると思います。それでもやっぱり、こういう人にリーダーになってもらいたい!と思っちゃいますね。「信念を貫き通す」「初心貫徹」などはとてもカッコいい言葉で、この言葉に感動する人はごまんといます。しかし、それを人生をかけて体現している人は少ないと思います。小川さんはその数少ない人です。しかもそのような生き方は、響きは良いですがラクではないし、本人も苦しいのではないだろうか。。。もっとしたたかになったほうがラクなのに、、、という風にも見えますよね。そんな生き方を、政界という強者揃いの、そして責任が重く厳しい世界で貫く姿が描かれています。

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余談ですが、この作品で私が好きなところは「大島さん 食べた?」です(笑)激戦の選挙戦の真っただ中、つかの間の休憩の昼食の時に、大島監督が小川さんと会話するシーンが作中に2,3回あります。小川さんは自分が食べる前に「大島さん 食べた?」と毎回聞いています。要は大島監督に「監督はもうご飯食べたのですか?」と聞いているわけです。めっちゃ細かいところなんですが、人を気遣う小川さんの人柄が出ていて個人的にお気に入りです。カメラが回っているからとか選挙だからとか自分だけ食べるのは気が引けるから、等あるのかもしれませんが、多くの会社員の仕事より激務な選挙戦のつかの間の休憩、ほとんどの人は人を気遣う余裕なんてない場面なのに、必ず、「大島さん 食べた?」聞いてるの好きです(笑)


「なぜ君は総理大臣になれないのか」のように信念を貫き通す人のドキュメンタリー映画ならこちらも↓↓↓


【RBG 最強の85才】

■アメリカ/2018年 ■監督:ジュリー・コーエン、ベッツィ・ウェスト■ 出演:
ルース・ベイダー・ギンズバーグほか

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「なぜ君は総理大臣になれないのか」は政治の世界で信念を貫き通す男性のドキュメンタリーですが、こちらは法曹界で奮闘する女性のドキュメンタリーです。以前の「ビリーブ 未来への大逆転」の記事にも書かせて頂いたのですが、死去するまでの27年もの間、アメリカの連邦最高裁判事を務めたリベラル派の判事さんです。女性が法曹界で働くなんてもってのほか、そんな時代を旦那さんと支えあって生き抜いた彼女の人生を描いた作品。主に性差別と戦ってきた彼女は、一見真面目そうに見えるのですが、このドキュメンタリーの中では冗談を言ったりするお茶面な一面も見ることができます。

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彼女が性差別と戦う姿勢もすごいのですが、癌が見つかり入退院を繰り返しながらも85歳になっても連邦最高裁判事を務めいているのには驚きです。強い信念がなければ無理ですよね。生涯それを全うするなんてすごいな、と単純に思いました。そして、そんな生き方を支えてくれたのは旦那様でした。現代とは異なり、男性が家事をすることに偏見があった時代だと考えると、旦那さんとのエピソードも心温まるものばかりです。彼女の伝記映画「ビリーブ 未来への大逆転」とセットで観るのがおススメです。

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以前書いた「ビリーブ 未来への大逆転」の記事です、よかったらみてくさい!「ビリーブ 未来への大逆転」もおススメ映画です↓↓↓


<一言メモ>

映画好きの方々と出会うまでは、ドキュメンタリー映画って何となく抵抗があって観なかったのですが、観てみるととてもいいですね!脚本があるわけじゃないのに、やっぱりそこには誰かの物語があるわけです(;_;)

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