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民営化でもコストは下がらない

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民営化しても株式会社が運営する場合はコスト削減にはなりません。
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#目黒区

企業ごとに地域の偏りがある

企業ごとに地域の偏りがある

最近新設された、主に小学校内の学童ですが、選定委員に保護者はもちろん教員などの学校関係者すら入っていません。それら学童ですが、実は地位に偏りがあります。

委託先は株式会社マミー・インターナショナル(以下、マミー)・株式会社東急キッズベースキャンプ(以下、東急)・株式会社セリオ(以下、セリオ)の3社となっています。

先に断っておくと、この3社の評判は悪くありません。

ただし、選定のプロセスは?

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公開質問状の考察

公開質問状の考察

目黒区文教・子ども委員への公開質問状回答の内容について考察したいと思います。

細かい点はいっぱいあるんですが、主に、行政と区議の認識が違っているところを挙げます。

民営化後の評価低下まず、区民説明会で担当課長が「民営化というものはある程度評価が下がる前提」という説明をされていたのですが、区議からは「民間になった場合でも、高評価が得られる運営をめざすべき(自民)」や「本来は評価が向上するべきであ

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区民に与えられた権利

区民に与えられた権利

このnoteは個人で書いていますが、目黒区の学童民営化を適正にする活動は民営化の対象なっている学童の人たちなどと連携を取って活動しています。

今は個人や少人数でも、行政などに疑問があれば意義を唱えられる時代です。実際どのように活動しているか共有させて頂きます。

前置き私は、いち区民として目黒区に「ちゃんとしてください」と言っているわけですが、これは区民に与えられた権利です。

それでも「行政に

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目黒区文教・子ども委員への質問状

目黒区文教・子ども委員への質問状

目黒区の文教・子ども委員へ公開質問状を出させて頂いています。

令和3年6月9日に「区立児童館及び学童保育クラブ民営化計画案(令和3年度から8年度まで)」という計画案が委員会に掛けられ、そこで議論されました。勘違いしていた事があって、私は委員会というのは審議の場だと思っていたのですが、区が必要なのは報告だけのようです。なので、そこで区議から異論が出ても、区は推進することが出来るみたいです。

よっ

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民営はコスト削減になっているのか~2013年度からのデータで検証

民営はコスト削減になっているのか~2013年度からのデータで検証

※この記事は民営化の怪しい成果の続きです。

※2013年度からのデータを入手したので更新しています。(7/14)

前回は民営化した学童の比較でしたが、今回は2013年~2019年の全学童(民設民営は費用の取得が出来てないので、公設のものだけです)で比較したいと思います。

目黒区は学童利用者の人数によって職員配置が換わってくるので、それを考慮して利用者を20名単位で集計しました。

灰色が目黒

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民営はコスト削減になっているのか~民営化4学童の2013年度からの比較

民営はコスト削減になっているのか~民営化4学童の2013年度からの比較

※この記事は民営化の怪しい成果の続きです。

前回の記事で、学童と児童館が合算だとコスト削減になると書きましたが、以前は2015年度からのデータしか無かったのですが、改めて2013年度からのデータを貰ったのでグラフ化してみました。

グリーンが区の職員の人件費でピンクが事業者への委託費です。2013年度からの比較を折れ線グラフで描いてますが、やはり株式会社は民営化後に費用増となっています。

一番

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民営はコスト削減になっているのか~2019年度単体比較

民営はコスト削減になっているのか~2019年度単体比較

※この記事は民営化の怪しい成果の続きです。

民営化するとコストが下がる、というのが一般的に言われています。

学童や保育園の費用の多くは人件費で、「公務員よりも民間の方が給料が安いからコストが下がる」というのが目黒区の主張です。

では、それを見ていきましょう。

まず、目黒区の学童は、明文化はされていないのですが、20名に1名の職員を配置することになっています。なので学童利用者を20名単位で区

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「施設運営費の圧縮及び財政負担の軽減」への反証 ~児童館学童編~

「施設運営費の圧縮及び財政負担の軽減」への反証 ~児童館学童編~

※この記事は民営化の怪しい成果の続きです。

単独学童編では「単独学童の場合、株式会社が受託すると費用は下がらない。社会福祉法人などが受託すれば下がる(場合がある)」という結論になりましたが、これは、

・公務員の給与は民間が基準である。
・職員配置は公営でも民営でも同じ。

という条件を考えれば、ある意味納得できる結果です。

ただ、今回の4学童で大幅にコスト削減できている学童があります。不動学

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「施設運営費の圧縮及び財政負担の軽減」への反証 ~単独学童編~

「施設運営費の圧縮及び財政負担の軽減」への反証 ~単独学童編~

※この記事は民営化の怪しい成果の続きです。

さて、民営化の実績で一番大きいのがこれです。財政負担軽減。

一区民としては、仮にサービスなどが多少下がったとしても、財政負担軽減になるなら許容しても良いかもしれない、とは思っています。

では、本当に財政負担軽減になっているか見ていきましょう。

まず、学童の費用についてですが、その多くが「人件費」です。施設にもよりますが、人件費は運営費用全体の8~

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