【神保町】本とカレーと漫才の街
先日、東京の神保町にある「BOOK HOTEL 神保町」というブックホテルに宿泊した。
神保町といえば、言わずと知れた「本の街」。
100店舗以上の書店が軒を連ね、世の読書好きを魅了する場所だ。
そんな神保町で、私は本を読み、カレーを食べ、本を読み、カレーを食べ、そして漫才を観た。
ブックホテルに泊まり、ブックカフェにも立ち寄って、好きで満たされた2日間だった。
本と、カレーと、漫才の街。
今回は、そんな神保町の魅力について語りたい。
散策のおともに
神保町には、「BOOKTOWNじんぼう」というオフィシャルサイトがある。
こちらのサイトでは、古本まつりなどのイベント情報や、100店舗以上もある書店リスト、散策に便利な書店マップなど、神保町の様々な情報をチェックすることができる。
特にお勧めしたいのが、「神保町お散歩マップ」だ。
「夏目漱石ゆかりの地を歩く」「食を探求」「世界に触れる」など、色々なテーマに沿って、神保町のディープな楽しみ方を紹介してくれている。
神保町散策のおともに、もってこいのサイトである。神保町を訪れる前に、一度覗いてみることをお勧めする。
神保町を歩く
神保町に到着したら、まず訪れる書店がある。「姉川書店」である。
姉川書店は、「猫」にまつわる本を専門に取り扱う、新刊書店である。
店内を埋め尽くす、猫、猫、猫。小説、漫画、写真集。古今東西、津々浦々、あらゆる猫本が集合した光景は、壮観である。
猫に癒され、気づけば早速本を買っている。ここから、神保町散策へと繰り出していこう。
数多く立ち並ぶ古本屋を物色しつつ、神田すずらん通りを歩いていく。
すると、一際おしゃれな外観の書店が目に入ってくる。「PASSAGE by ALL REVIEWS」だ。
PASSAGE by ALL REVIEWSは、近年流行りの「一箱書店」だ。
扉をくぐると、ヨーロッパの古書店のような佇まいの、美しい空間が広がっている。店名にもあるように、フランスのパサージュという商業空間をイメージした設計になっている。
壁一面の巨大な本棚。その一棚一棚に、異なる店主がいる大規模な共同書店。
どの棚からも、店主のこだわりと、本への愛が溢れ出ている。PASSAGE by ALL REVIEWSを歩いているだけで、数々の専門書店を渡り歩いたような、ちょっぴりお得な気分になる。
カレーを食べる
神保町のカレーといえば、やはり「ボンディ」である。
店主がフランスで出会ったブラウンソースに、カレーの素材を加えて出来たものが、ボンディの「欧風カレー」。
このまろやかさは、他では味わえない。まろやかな甘さの中に、しっかりとした辛さがあり、ものすごく美味しい。
神保町で本の世界を堪能した後に食べるカレーは、絶品である。「本×カレー」の組み合わせは、恐ろしい魅力を秘めている。
再び神保町を歩く
歴史ある古本屋が街を賑わす神保町だが、時代に合わせて進化している。
神保町駅からすぐ近くにある(BOOK HOTEL 神保町からもすごく近い)、「神保町ブックセンター」を覗いてみる。
2018年に開業した神保町ブックセンターは、「つどう」「くつろぐ」「はたらく」をコンセプトにした、書店・喫茶店・コワーキングスペースの複合施設だ。
写真奥に、岩波書店の本がずらりと並ぶ本棚があるのがお分かりだろうか。
お洒落な喫茶空間と、岩波文庫の背表紙の組み合わせは、「新時代の神保町」という感じがして面白いではないか。
巨大本棚の中に入り込んで……
ケーキを食べながら読書する。なんとも贅沢な時間である。
コワーキングスペース「LEAGUE神保町」では、本に囲まれた空間で作業ができるほか、本にまつわる様々なイベントも開催されているようだ。
この場所が、これからの神保町文化の発信地になっていくのだろう。そんな気がした。
再びカレーを食べる
本を読んでお腹が空いたら、食べるのはやはりカレー。
「エチオピア」のカレーは、スパイスの風味がガツンと感じられ、エスニックな雰囲気でとても美味しい。
カレーの辛さは、なんと0辛〜70辛まで選ぶことができる。種類やトッピング、サイドメニューも盛りだくさんで、何度通っても飽きることがない。
2日連続のカレーでも、一切気にならない。ボンディとエチオピアでは、同じカレーという名前の料理でも、味わいは全く異なるのだ。
ちょっと休憩(できず)
カレーを食べてお腹いっぱいになったら、また本を読むために、落ち着いた喫茶店にでも行こう。
……と思い、神保町で70年近く愛される老舗喫茶店「さぼうる」を訪ねたところ、残念ながらその日は休業日。
さぼうるのフレッシュジュースを楽しみにしていただけに、ショックは大きかった。絶対にまたリベンジしに行く。
神保町は、こういう古き良き老舗が、本当に魅力的だ。
こういう場所で本を読むと、読書が捗るのは私だけではないはず。
神保町が「本の街」として発展してきた背景には、書店だけではなく、こうした喫茶店の功績もきっと大きいことだろう。
そして漫才を観る
神保町を歩いていると、突然、宇宙船のような外観の不思議な建物が現れた。
こちら「神保町シアター」では、昭和の古い作品を中心に映画が上映されている。2日目のお昼、まだまだ時間もあるし、映画でも観ようかと中に入った。
すると、なんとこちらの神保町シアター、よしもと漫才劇場が併設されているではないか。
しかもその日の公演に、M1ファイナリストの「ヨネダ2000」と「もも」が出るとあっては、もう見るしかない。
あまりお話ししたことはないが、私は結構お笑いが好きである。
ヨネダ2000やももはもちろん、他の芸人さんのネタも面白かった。劇場でお笑いを観るのは久々だったが、やはり生の空気感は特別だ。
漫才を観てたくさん笑ったあとは、気の向くままに、皇居方面へとぶらぶら歩く。
お笑いの興奮冷めやらず、Podcastで「真空ジェシカのラジオ父ちゃん」を聴きながら、満開の桜を楽しむ。
時間を気にすることなく、あえてゆっくりと歩いていく。
忙しない日常から少しずつ分離していって、ふわふわと幸福な気持ちになる。
今回は、本とカレーと漫才の街、神保町を散策した。
皆さんもぜひ、神保町で素敵な休日を。
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