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「BOOK HOTEL 神保町」宿泊レポ

昨年の8月、神奈川県箱根市にある「箱根本箱」というブックホテルに宿泊した。

人生初のブックホテル泊だったが、あまりの快適さに感動した。感動のあまり、すぐさまnoteを書いた。

ブックホテルの虜となった私は、気づけば次なる目的地を探していた。

そして2023年3月、私は東京都千代田区の神保町を訪れた。「BOOK HOTEL 神保町」に泊まるためだ。



BOOK HOTEL 神保町


神保町と言えば、日本有数の「本の街」だ。

100店舗以上の書店が軒を連ね、街をあげて世の読書好きを魅了する。そんな一等地に、BOOK HOTEL 神保町はある。

東京メトロ神保町駅のA1 出口から、徒歩30秒。神保町本屋街の中心地に位置し、観光の拠点として最適な場所だ。



BOOK HOTEL 神保町のコンセプトは、「「わたしの本」を見つけるホテル」だ。

「わたしの本」

それは、心地いい本。
みているだけで笑顔が綻んでしまうような。
ページをめくる音に、ついうっとりしてしまうような。

それは、お守りみたいな本。時には、コンパスみたいに私を導いてくれる。
今の自分に必要な言葉がたくさん詰まっている。

そんな本を、見つけてほしい。
そんな本と、出会ってほしい。

どうか今日だけはスマホを置いて、本の世界に存分に浸かってほしい。

誰にも邪魔されない空間で、自分と向き合ってほしい。

読めば読むほど、あたらしい自分に出会っていく。

明日はきっと、今日より「わたし」を好きになる。

BOOK HOTEL 神保町

https://editor.note.com/notes/nd1ccdb26a9f8/edit/

ホテルという、非日常のリアル空間で、新しい本と出会う。誰にも邪魔されず、読書に没頭する。

こういう場所で出会った本は、より深く印象に残り、自分にとって大切な存在になってくれる。


私がBOOK HOTEL 神保町を知ったのは、こちらのnoteがきっかけだった。

BOOK HOTEL 神保町はnoteで様々な情報を発信している。

支配人のmoonさんによる7000字にも及ぶ壮大な記事は、本への愛に溢れ、気がつけばBOOK HOTEL 神保町の世界に引き込まれていた。

特に、次の言葉にガツンと胸を貫かれた。

ここにあるものは、選び抜かれた本と、それらの魅力を知り尽くしたスタッフたち。
むしろ、それ以外のものは何もない。かもしれません。

「泊まりに来たから本を読もう」ではなくて。
「読書をするため」に遊びに来てください。

https://note.bookhoteljimbocho.com/n/n19f9bae95528

ホテルにあるのは、本と、プロのスタッフだけ。そう言い切るところが気持ち良い。

読書をするためにホテルに泊まる「読泊」。BOOK HOTEL 神保町は、読書好きのための、新しい宿泊体験を提供している。



ホテル全体が大きな本棚


BOOK HOTEL 神保町の館内には、至る所に本がある。どんな本でも3冊まで、自分の部屋に持ち込み、自由に読むことができる。

まるで、ホテル全体が大きな本棚のようだった。

1階のエントランスには、「旅」や「食」「ワイン」などのテーマで選書された作品がずらりと並び、壮観である。

一冊一冊、スタッフによる作品紹介のPOPが添えられている。その時の気分にぴったりな本をじっくりと選ぶ時間は、最高の贅沢だ。


ホテルは12階建て。各フロアにも本棚がある。

フロアごとに異なるテーマで選書されており、ホテル内を探検するのも楽しい。

たとえば3階は、「今日は泣きたい気分」というテーマで、感動系の泣ける小説がずらり。

そしてもちろん、宿泊部屋の中にも本がたくさんある。詳しくは、次章でご紹介する。


ルームツアー


私が宿泊したのは、「スタンダードダブル」という1〜2名用のお部屋だ。

シンプルなお部屋の中に、溶け込むようにして本が置いてあり、とても楽しい。

それぞれの本には、スタッフの方による手書きのPOPが添えられている。愛に溢れる文章に導かれるようにして、新しい本と出会う。

お部屋には、良い意味で、本以外に何もない。読書を妨げるようなものは、初めから削ぎ落とされている(強いてあげるとすれば、テレビは備え付けられている)。

今日だけは、スマホを置いて、読書の世界に没頭する。そのための舞台は完璧に整っている。



3つの選書サービス


今回私が楽しみにしていたのは、ホテルスタッフによる選書サービスだった。

「「わたしの本」を見つけるホテル」というコンセプトのBOOK HOTEL 神保町には、運命の本との出会いを演出する、3つの選書サービスがある。

前回泊まった箱根本箱にはなかった、BOOK HOTEL 神保町の魅力のひとつだと思う。


ブックマッチングサービス

予約をした後に、ホテルからメールで事前アンケートが届く。

そちらに回答すると、チェックインの時に、自分にぴったりの本を選んで渡してくれる。それが「ブックマッチングサービス」だ。

宿泊者は誰でも無料で受けられるので、見逃せないサービスである。

可愛らしいトートバッグに入っていたのは、東野圭吾さんの『ナミヤ雑貨店の奇蹟』と、松本大介さんの『本屋という「物語」を終わらせるわけにはいかない』の2冊。

小説とノンフィクションの取り合わせは、究極の2択。アンケートの回答をもとに、色々と考えて提案してくれたことが伝わり、心遣いに嬉しくなるサービスだ。


366BOOKS

1階エントランスの一角には、1年の日付にまつわる本が366冊並ぶ、「366BOOKS」の棚が用意されている。

1月1日から12月31日まで、1日につき1冊ずつ、本が割り当てられている。どのような理由でその作品が選ばれたのかを見ると楽しい。

自分の誕生日など、大切な記念日の本が何なのか、ドキドキしながら手に取ってみてほしい。

因みに私の誕生日の本は、池井戸潤さんの『ルーズヴェルト・ゲーム』だった。


ブックペアリング

最後に、「ブックペアリング」のサービスだ。

こちらは、コーヒー、チョコレート、スタッフセレクトの古本がセットになったもの(600円)。中身が見えない封筒の状態で本を受け取り、籤引きのような感覚で開けるのが楽しい。

こちらのサービスで受け取った本は、プレゼントなので持ち帰り可能だ。宿泊の思い出として、ぜひ体験いただきたい。

普段なかなか手に取らない本と出会えるのが、こちらのサービスの良いところだ。


このように、BOOK HOTEL 神保町には、新しい本と出会うためのサービスが随所に仕掛けられている。

以前箱根本箱を訪れたとき、3冊ほど本を持参したものの、結局ホテルに置いてある本しか読まなかった。偶然出会った本を読む方が、楽しいからだ。その反省を生かし、今回は持参本なしで宿泊した。

結論として、ブックホテルは、持参本なしで良い。今回、それが証明された。

特にBOOK HOTEL 神保町は、選書サービスに力を入れており、読む本に困ることは、万にひとつもないだろう。本に囲まれ、本とともに過ごす一夜は、幸せの一言だった。



おまけ 〜今回読んだ本〜


読んだ本その1。鳶田ハジメさんの漫画『ぼっち旅』。

表紙にビビッと来て、普段はあまり読まない漫画本を一気読みした。これぞ、読泊の醍醐味。


読んだ本その2。悩んだ末に、『本屋という「物語」を終わらせるわけにはいかない』の方を選択。

日本に本の魅力を発信する、書店のお仕事。そのやりがいや難しさに、思いを馳せる夜だった。じっくり一晩かけて読み終えた。



読書好きの皆さん、BOOK HOTEL 神保町で、非日常空間での読泊を、ぜひお楽しみください。

今回の記事を読んで、BOOK HOTEL 神保町が気になった方は、以下のnoteをチェックしてみてください!



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