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2022年6月の記事一覧
今日も、読書。 |受け取った本も渡す本も、誰かにとって特別な一冊
2022.6.19-6.25
伊与原新|月まで三キロ
伊与原新さんは、神戸大学理学部、東京大学大学院博士課程を修了された経歴を持つ。専門は地球惑星物理学。そんな著者の経験と知識が、作品の中に余すことなく活かされている。
人生にもがき苦しむ人たちに、自然の摂理が、優しく寄り添う。『八月の銀の雪』を読んだ時の、あのほっこりとした感動を、もう一度味わうことができた。第38回新田次郎文学賞受賞作、『
今日も、読書。 |8日目に残された蝉は、幸福なのか、それとも不幸なのか——
2022.6.5-6.11
角田光代|八日目の蝉
『八日目の蝉』といえば、読書界隈ではもちろんのこと、それ以外の人でも、一度は題名を聞いたことがあるくらい、有名な作品だ。井上真央さん、永作博美さんが主演で映画化もされており、そちらでご存知の方も多いだろう。
先日、そんな『八日目の蝉』を、満を持して読んだ。我が家の積読になってから長い年月が経過しており、そろそろ発酵し始めるのではないか、という
今日も、読書。 |期待や幻想を支えにして、人は生きている
2022.5.29-6.4
ブッツァーティ|タタール人の砂漠
人生という名の砂漠を歩む私たちは、いつか必ずオアシスが現れてくれると信じている。
イタリア文学を読みたい、という思いだけがずっとあって、そのくせ実際に行動には移せていなかった。
そんな時、高校時代の友人と読書会をすることになった。そのテーマ本として、友人が選んでくれたのが、ブッツァーティの『タタール人の砂漠』だった。タイムリーに