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リハビリ中の伝説のジャズ・ボーカリスト、キャロル・スローンに励ましの手紙を書いた話

こんにちは、Megです。息子の夏休みが終わり、2学期がスタートしました。小学校3年生の夏は1回だけ!ということで今年の夏も息子とアメリカから休暇をとって帰国した夫と3人で思いっきり楽しみました。

さて、私は音楽が大好きなのですが、特によく聴くのがJazzです。Jazzの中でも特にボーカルもの、女性ボーカルが大好きです。女性ボーカルの中でも渋ーい歌声が好き。私自身の声が低いから?なんて思ったりしますが、「犬は飼い主に似るのではなく自分に似た犬を選ぶ」という話を聞いたことがありますから、自分の声に近いボーカルが好きになるというのもありなのかもしれませんよね。

今回のポッドキャストは女性ボーカリストたちの中でも別格な、私にとってとても特別なボーカリスト、大好きなMs. Carol Sloane(キャロル・スローン)のお話です。彼女の魅力は「いぶし銀」という表現がぴったりの歌声と表現力。まだ彼女の歌声を聴いたことがないという方、ぜひ一度聴いてみてください。本当に出会えて嬉しかったボーカリストです。

ニューヨークで奮闘していた若かりし頃、いろいろな出来事がありました。楽しいこともたくさんありましたが、悲しいことも悔しい思いをしたことも、そしてジェラシーを感じた時もありました。そんな時、いつも彼女の歌声が寄り添ってくれました。

Ms. Sloaneは音楽の祭典ニューポートジャズフェスティバルへの1961年の出演を機にあっという間にスターダムに駆け上りました。その際に歌った"Little Girl Blue”のAメロをピアニストが知らなかったので「そこはアカペラで歌うから」とステージに立ち、それを聴いたレコード会社のエグゼクティブやメディアがステージの袖に押し寄せたのだそうです。数ヶ月後にはコロンビアレコードから初のアルバム"Out of the Blue”がリリースされ、テレビやラジオにも頻繁に出演するようになりました。1960年台はまた "the British Invasion" と呼ばれる、イギリスからロックミュージックがアメリカに入ってきて台頭した時代でもありました。Ms. Sloaneはその人気からビートルズやローリングストーンズのアメリカ国内ツアーにも同行しましたが、ジャズというジャンルは段々と隅に押しやられていってしまいました。その後、彼女はジャズボーカリストとして歌い続ける傍ら秘書の仕事をしたり、結婚を機に拠点を移したりしながら複数のレーベルからCDを出し続けました。ツアーで来日もされています。

今回のエピソードの前にMs. Sloaneのウェブサイトを久々に覗かせてもらったのですが、その時、2020年に彼女が脳卒中で倒れられて現在リハビリ中ということを知りました。2019年にBirdlandで公演をされ(これはライブ録音されて今年の4月にCD化されています)、翌年も出演の予定だったところをコロナ禍でニューヨークのジャズクラブが大打撃を受けたため彼女の公演もなくなってしまい、キャンセルされた公演がもともと予定されていた2020年3月から3ヶ月後の6月に倒れられた、と。現在Ms. Sloaneは御年85歳なのですが、リハビリの施設内でリスニングセッションなどされながら音楽の活動に携わっておられるという事です。「励ましのお手紙を待っています」ということで住所も掲載がありましたので、私もお手紙を書かせていただきました!「素晴らしい歌のギフトをありがとうございます」と心を込めて。日本にはMs. Sloaneのファンも多いとお聞きしています。ファンの皆さん、そして今回好きになったという方でも、もしお葉書の一枚でもお送りになればとても励みになると思います。
宛先はこちらです。

そしてもうひとつ、Ms .Sloaneのサイトでとてもエキサイティングなお知らせを知りました。彼女のドキュメンタリー映画の制作が終了していると、いうことなんです!タイトルは『SLOANE • A JAZZ SINGER』。Ms. Sloaneの長年のお友達であり、この映画のエグゼクティブ・プロデューサーをなさっている Stephen Barefoot氏の提案で始まったプロジェクトだそうなのですが、サイトにある短い予告編ふたつを拝見して、これで私は既に泣きました…。Ms. Sloaneがご自身の最初のレコードを聴いて涙がツーっと頬を流れ落ちる、それはそれはエモーショナルで美しいシーンでした。現段階では音楽のライセンシング(著作権料の支払い)をクリアしなくてはならなくて寄付を募っているということです。彼女のストーリーは語り継がれなくてはならないと思いますし、一日でも早く完成して欲しいです!


ブログにMs. Sloaneのヒストリーを掲載しておきますのでよかったら。


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