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医療 製薬業界|1週間の注目記事(8/17-8/23)

クリニファー株式会社でインターンシップをしている大学院生のオダニと申します。
今回は8/17-8/23の1週間で、私が興味を持った注目記事を共有します。コメントやアドバイス等ありましたら、ぜひお願いいたします!

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23年4~6月の国内医薬品市場 トップ10のうち5製品ががん領域の医薬品 1位は「オプジーボ」

日刊薬業(2023年8月17日) https://nk.jiho.jp/article/183201

IQVIAによると、2023年4~6月期の医薬品市場統計において、国内売上高1位が「オプジーボ」で2期連続だった。売上高トップ10のうち、5製品ががん免役療法薬や抗がん剤といったがん領域の医薬品であり、薬効別の売上高順位でも1位は「抗腫瘍剤」だった。

近年、がん事業に力を入れる製薬企業が多く、医薬品市場においてもがん領域の医薬品の存在感が目立っている点が印象的でした。その中でもがん免役療法薬が4製品であり、抗体医薬品がほとんどであることを知りました。抗体医薬品は低分子医薬品と比べて薬価が高いことが売上高上位に入る理由の一つだと考えられますが、製薬業界において抗体医薬品を用いたがん領域の医薬品開発が最も注力されていることがわかりました。

エーザイのアルツハイマー治療薬「レケンビ」承認へ

ミクスOnline(2023年8月21日) https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=75214

厚生労働省の薬食審医薬品第一部会は8月21日、エーザイのアルツハイマー病治療薬・レケンビ(一般名:レカネマブ)の承認を了承した。「レケンビ」はアルツハイマー病を根本治癒するものではなく、認知症の進行を抑制する薬ではあるが、アルツハイマー病治療における大きな前進である。

認知症の進行を抑える薬が出ることに非常に期待を持っていますが、課題もあるようです。例えばエーザイは2030年ごろには「レケンビ」の売上をグローバルで1兆円になると予想していることから、国内でも相当な売上を上げることが考えられます(関連記事はこちら)。そのことにより、国民医療費がさらに増加することが考えられます。また、すべての認知症患者に適応できるわけではなく、早期のアルツハイマー病患者に適応される薬であるということ、そして早期のアルツハイマーだと診断する方法や技術の確立が必要だという課題が挙げられます。以上のことも含め、今後の「レケンビ」の動向が非常に注目されます。

第一三共 DXd-ADC技術で日本医療研究開発大賞 内閣総理大臣賞を受賞

ミクスOnline(2023年8月23日) https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=75222

政府は8月22日、医療分野の研究開発推進に貢献した功績を称える「第6回日本医療研究開発大賞」において、極めて顕著な功績が認められる事例に贈られる内閣総理大臣賞に第一三共の「DXd-ADC技術」を選出した。ADCとは抗体薬物複合体のことで、「エンハーツ」がグローバル規模で大きな売上を上げている。

日本医療研究開発大賞という賞があることを初めて知りました。2017年からスタートしたようで、前回の第5回における内閣総理大臣賞はテルモの「ECMOの研究開発と実用化及び普及」、第4回には日本光電工業の「パルスオキシメータの開発と実用化」が選出されたようです。コロナ流行の影響で開発が進んだ製品の受賞が多く、今年は担当大臣賞に塩野義製薬の「新型コロナに対する下水疫学調査の実装」が選ばれました。

第一三共の企業分析記事はこちら

非小細胞肺がん患者の遺伝子パネル検査の実施 「1.2%」

日刊薬業(2023年8月23日) https://nk.jiho.jp/article/183319

肺生検をした非小細胞肺がん(NSCLC)患者のうち、がん遺伝子パネル検査を受けたのは1.2%にとどまった。遺伝子検査は7割越えの実施率だったが、マルチプレックス・コンパニオン診断で充分であるということから、がん遺伝子パネル検査の実施率が伸びなかったと考えられる。

がん遺伝子パネル検査は、がん細胞に起きている遺伝子の変化を調べ、がんの特徴を知るための検査であり、個別化医療やがんゲノム医療の実現に不可欠な検査方法です。がん遺伝子パネル検査が普及し、個別化医療が実現されれば、がん治療における治療効果の最大化や副作用の最小化が実現できます。以上のことから、私はがん遺伝子パネル検査の実施に期待を寄せていることもあり、今回の記事の実施率「1.2%」という結果は残念でした。普及のためには、がん遺伝子パネル検査を円滑に行えるシステムの構築や、見つかった遺伝子変異に対応する抗がん剤の開発が必要であると考えられます。


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