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医療コンサルの具体的な仕事とは。メディヴァの事例紹介

前回のnoteでは「医療コンサルタントとはなにか?」という問いについて
🌱 なぜ医療にコンサルタントが求められるのか?
🌱 医療コンサルタントは主にどんな価値を提供するのか?
という角度から解説しました。

このnoteでは次に【医療コンサルタントは主にどんな価値を提供するのか?】をもっと詳しく知っていただくために、実際の案件をもとに「どんなニーズに」「どんな方法で価値提供したか」「その結果どうなったか」、を紹介していきます。
各プロジェクトに取り組んだメンバーへの取材をもとにまとめました。


1. 医療機関を内側から動かす事務長として、組織力を向上しより良い経営をつくる

一つ目に紹介するのは、地域のかかりつけ医として外来と在宅医療をおこなう数十名規模のクリニックにおいて、プランニングや提言で終わらず、現場に入り込み実行面も含めたトータルでの支援をおこなったコンサルティングの事例です。

どんなニーズや課題があったか

在宅医療の需要は年々上がり続け、それに伴いクリニックの規模や人員を拡大し続ける上で課題となる、業務プロセスの改善、人材の育成、組織力向上などの組織運営の改善に加え、さらにより良い医療・提供体制を追求したいというニーズがありました。

どんな方法で取り組んだか

弊社コンサルタントが医療機関の事務長となり、直接的に組織マネジメントを主導しました。
組織の一員として企画から実務までさまざまな業務を行いながら、現場の運営や改善の未来を明確化し、実現のネックになるものに対応しながら施策を自らの手で進めていきます。

どんな仕事をしたか

事業計画や方針の策定といった経営に関することもあれば、患者さまの送迎などの運営実務、経営企画、人事、情報システム、経理、用度、その他総務・事務など非常に幅広い仕事をおこないました。
院内の協力者を増やしていくため、チームの連携やプロセスを構築したり、各自が自立して行動する文化が根付くよう働きかけます。
異職種同士のチーム活動体制をつくることが重要なため、組織の多種多様なメンバーとコミュニケーションを日々重ねます。

結果どうなったか

現在も担当のコンサルタントは入れ替わりながら運営支援は継続中ですが、オペレーションは格段に改善され、運営や経営に関しては指示待ちの姿勢だった医療スタッフの間で、個別に相談しあう姿や、自発的かつ能動的に行動する姿が増えています。

また事務長として携わったコンサルタントにとっても、コンサルティングと現場運営、それぞれにおける業務範囲や役割の違い、一定期間でどのような成果をどれくらい創出することが求められるか、それらを両輪で回していく際のバランス感覚など、多くの気づきが得られました。

2. 地域を守る中核医療機関を、大災害の緊急事態から即刻復興させる

二つ目をお読みいただくと、メディヴァはこんなことまでするのかと驚く方もいるかもしれません。
イレギュラーなケースではありますが、メディヴァの本気度を知ってください。

どんなニーズや課題があったか

当初は経営の立て直し(事業再生)の依頼でコンサルティングをおこなっていた地域の基幹病院が、2015年に関東地方を襲った豪雨災害によって、数億円規模の壊滅的な被害を受けました。
施設の1階が首の高さまで水没という状況のなか、基幹病院でありまた透析医療もおこなっていたことから、1日も早い復興が求められました。

どんな方法で取り組んだか

当時の模様について、メディヴァ代表の大石はブログでこのように記録しています。

「まずは司令塔 づくり。メディヴァのメンバーが4~5人常駐し、院長、幹部職員と共に対策本部を作りました。
スタッフ全員から、課題や気になることを全部出してもらい、 ポストイットに書き、壁に貼り、グルーピングし、解決の優先順位をつけました。即決しなくてはいけないことはその場で決め、アクションに移します。同時に「1か月後には再開する」という目標を立てました。目標の設定は、将来が見通せなくてネガティブになりがちなスタッフのモチベーションを維持しました。
課題は当初想定したものだけではなく、次々と想定外が出てきました。しかし各 課題の進捗を常に全員に共有することによって、皆が同じ目線で動けました。3 日後には仮設テントで外来を再開し、21日間で入院を再開、71日間で全病棟再開を果たしました。」

大石ブログ「ヘルスケアの明日を語る」〜病院BCPはマニュアルでは対応できない〜より

どんな仕事をしたか

浸水による被害の清掃や片付けはメディヴァ全社や関係医療機関からも多くの人員が駆けつけ、医療機関の方々、自衛隊や消防の方々、ボランティアの方々と、数えきれないほどの多くの人々が協力して復興は進みました。
しかしそれ以上の難題は、ベッドや医療機器、高度な検査機器などが全て使用不可になったことによる総額8億2000万円という被害額。
さまざまな資金調達を模索するなかで、そのひとつとしてクラウドファンディングへの挑戦を選択しました。

プロジェクトを開始し、目標金額が達成できたことはもちろん、そこに寄せられたご支援者の応援の言葉から金額以上の大きな希望や力をいただくこととなりました。

結果どうなったか

被災直後は病院の継続自体が危ぶまれる状況でしたが、多くのご支援やご協力、関係者一丸となった復興活動の結果、3ヶ月後には病棟も含めた全面営業再開を果たし、「奇跡の復興」として様々なメディアにも取り上げられました。

3. コロナ禍の終息に向けて、職域接種を計画から実施運営までワンストップで牽引する

三つ目は、記憶に新しいコロナ禍での事例です。
社会のあちらこちらでさまざまな混乱が生じていたなかで、メディヴァからの提案を取り入れていただいたケースを紹介します。

どんなニーズや課題があったか

コロナのワクチン接種はまずは自治体での集団接種から始まり、その後に企業の職域接種実施が厚労省から発信されました。
自治体での集団接種の際からメディヴァは現場マネジメントの企画を提案していたものの、そこでの採択には至りませんでした。
しかし企業の職域接種が始まった際、その企画をベースに再度提案をおこなったところ複数の企業や健保組合で依頼をいただき、職域接種の運営サポートをすることになりました。

どんな方法で取り組んだか

まずはメディヴァ社内で横断プロジェクトを結成し、コンサルタント、医療職、採用担当がプロジェクトメンバーとして連携をとりました。

世の中のどこにもまだ知見や情報が十分でない中、手探りでの運用設計でしたが、創業時から運営支援をしている医療法人社団プラタナスでのワクチン接種の実施経験から、基本的な考え方や、リスクについてアドバイスをもらいながら安全で効率的、かつ受診者にも配慮したプロセスを設計しました。

また企業内の産業医や医療職の方々とも連携して予約受付から、医師・看護師・事務員の配置、当日の運営(ワクチン準備を含む)、安全管理、行政報告等、全ての工程をワンストップで対応できる体制を作りました。

どんな仕事をしたか

200人以上の医療者や運営メンバーをほとんどイチから採用しながら、1ヶ月で人員や体制・労務管理なども含めて新しい医療機関をつくる、という普通ではあり得ないプロジェクトでしたが、社内の体制を迅速かつ柔軟に整え、安定して滞りなく運営することができました。
実行しながら様々でてくる課題については、接種会場での現場経験のある医療スタッフなどからアイデアをもらいながら、ひたすら改善を積み重ねました。

結果どうなったか

メディヴァが担当した職域接種では、5万人にも及ぶ方々にワクチン接種を実施しました。
行政での対応に負担がのし掛かっていた最中でもあり、職域接種の協力を決断したクライアント企業の負担を軽減しながら、国内全体の接種スピードを加速する一端を担うことができました。

一つひとつのプロジェクトにある、メンバーの熱い想い

ここまでご紹介した3件の事例のなかで、自分の手を動かしてやってみたいと思ったもの、自分ならこうしてみたいとイメージが湧いたものはありますか?

コンサルタントというと、理論的であったりデータドリブンな指向性など、ある意味ドライな人物像をイメージされがちですが、今回紹介したような事例一つひとつにはメディヴァのメンバーの熱い想いがあります。

たとえば1つ目の医療機関で事務長の役割を担ったコンサルタントは、前職でも医療コンサルタントとして活躍していた経験者でした。
前職では経営や運営改善にむけた提言のみをおこなっており、より良い経営ができるようになるために実際の現場を知ることが必要と考えて自身から現場運営を希望しました。

2つ目の未曾有の大規模な水害から復興を目指した際は、メディヴァの管理部門のメンバーや保健事業部などからも多数のボランティア志願者が現場に入りました。

3つ目の職域接種の事例では、新型コロナウイルス感染拡大を早く終息に繋げるために、1日でも早く1人でも多くの方に接種して欲しいという想いがありました。

その想いのもと、 メディヴァや医療法人社団プラタナスだけでなく、これまでより良い医療づくりに関係を深めてきた外部の医療者や、パートナー事業の方々も一丸となり、未知の状況に一緒にチャレンジすることができました。

次のnoteでは、メディヴァの全社員がこのように熱意をもって仕事に取り組む背景には何があるのかをお伝えします。
ぜひ次のnoteもお楽しみに!!

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(大木牧子)


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