知る、体験する、サステナブる。 in KURKKU FIELDS③
こんにちは、Yellow!編集部の松田です。
10月31日に編集部のもんめと一緒に『サステナブルファーム体験ツアーin KURKKU FIELDS 』の最終回に参加してきました。
『サステナブルファーム体験ツアーin KURKKU FIELDS 』とは「食の未来は、私の未来。」というコンセプトのもと、千葉県木更津市にあるKURKKU FIELDSで農業体験をしながら循環型社会や食について学ぶ、千葉商科大生を対象とした体験ツアーです。
計3回のプログラムとなっていて、各回にテーマが定められています。
第1回 知る~農と循環~
第2回 体験する~命のてざわり~
第3回 考える~自分のこと、環境のこと~
今回は
「考える~自分のこと、環境のこと~」がテーマ。
枝豆の収穫と計3回の体験ツアーの振り返りを行いました。
今回は過去2回のツアーで引率をしてくださった吉田さん、伊藤さんに加え田中さんもお手伝いに来てくださいました!
田中さんも伊藤さんと同じ農業チームで活躍中。
3名のスタッフさんのサポートのもと、今回も楽しく活動してきました!
待ちに待った枝豆の収穫。
7月末に植え、9月に草取りをした枝豆がこんなに大きくなりました。
有機栽培なので多少の虫食いはありますが、とっても元気に育っています!
収穫は2人で1畝を担当。
自分たちで植えた列を収穫します。ペアによって長さが違っているので長い列のペアは結構大変だと思います。
約1時間のうちに全部の枝豆を収穫することを目標に収穫スタート。
1時間もあれば全部収穫するの余裕でしょ~ということで、2人で分担して効率よくぱっぱと収穫しちゃおう作戦で攻めることに。
「こんなにたくさん実がついてるんだね〜」
「早く食べたいね」なんて話しながら楽しく作業。
しばらく1人が枝豆を抜いて、もう1人が枝から実をもぎ取る役に分担して作業していたんですが、
想像していた以上に枝から実をもぎ取る作業が大変で、、
結局、全部の枝豆を引っこ抜いてからまとめて実をもぎ取る作戦に変更。
ひたすら実をもぎ取る作業は身体的にも精神的にもきつい。
時間内に全部収穫できるか不安に。
立ったり、座ったり、いろいろ工夫しながら作業。
早く枝豆食べたい!いっぱい枝豆食べたい!という思いで何とか全部収穫できました。
1時間ってあっという間ですね。全然余裕じゃなかった、、
収穫した枝豆は軽トラに乗せて選別作業場へ。
移動の最中に牛小屋があったのでちょこっと寄り道。
元気な牛ちゃんたちに癒されました。
選別&袋詰め作業の前に
普段KURKKU FIELDSで販売している枝豆の選別作業場の中を見学させていただきました!
ひっくり返して両面とも虫食いがないか確認しながら選別していました。
ずっとこの作業をしていたら目が回って頭が痛くなりそう。
見学した後は自分たちで選別&袋詰め作業。
今回、ビニール袋2袋分持ち帰っても良いとのことだったので
2人で時間ぎりぎりまで詰めまくりました。
虫に食われたものや実が小さすぎるものをはじきながらおいしそうな枝豆を選別します。
普通なら市場には出回らない少し傷がついているものでも食べられそうならお持ち帰り。
ちなみにKURKKU FIELDSの枝豆は200g 400円で販売されていて、袋には農業チーム代表の伊藤さんの似顔絵も載っています。
袋詰め作業の後は昼食。
KURKKU FIELDSで採れた野菜がたっぷり入ったお弁当をいただきました。
今回のお弁当には枝豆も入っていました!
考える
自分のこと、環境のこと
午後からはワークショップ。
テーマは「サステナブルな社会の実現のための農業」について。
5〜6人のグループになってテーマについて自由に話し合います。
と、その前に
ワークショップを始める前に吉田さん、伊藤さん、田中さんが
午前中に収穫したばかりの枝豆でゆで枝豆と焼き枝豆を作ってくださいました。
せっかくなので収穫したばかりの新鮮な枝豆を食べよう!ということでワークショップのお供にいただきます。
一口食べて「…ん!!」
美味しすぎて言葉にできませんでした(笑)
自分で育てた枝豆ということも相まって、ものすごく美味しかったです。
今回初めて焼き枝豆をいただきましたが
とっても香ばしい味わいになっていて、焼き枝豆の虜になってしまいました…。
枝豆を食べながら楽しくワークショップ。
作る側として、食べる側として、
サステナブル農業の現状や課題、今後の目標などをグループになって話し合いました。
体験ツアーに参加して、実際に自分たちで農業体験したからこそ気づけた課題もたくさんありましたが、たった3回の農業体験ではまだまだ分からないこともたくさんあります。
毎日農作業をしている伊藤さんや田中さんだから分かる課題も教えていただきながら
もっとサステナブルな農業を評価してもらうために、サステナブルな農業を広めていくためにはどんなことが必要なのか真剣に考えました。
最後には全てのグループがグループで出た意見を発表し、吉田さんと伊藤さんからコメントもいただきました。
計3回の農業体験でしたが、自分で野菜を植えて、収穫する大変さや楽しさを体験することができました。
もちろん、長期的に農業をしなければ分からないこともたくさんあると思いますが、一度体験するだけでもたくさんのことを学ぶことができます。
ぜひ皆さんも一度農業に接する機会を作ってみることをおすすめします。
きっと素敵な体験になると思います。
スタッフさんへのインタビュー
KURKKU FIELDSを支える何でも屋さん
今回は、
体験事業やサステナブルな仕組みづくり担当の佐藤さんへインタビューさせていただきました!
初めにKURKKU FIELDSで働こうと思ったきっかけについて伺いました。
佐藤さん「もともと、友人と一緒に子供に向けたプログラムを作る任意団体を立ち上げてキャンプなどを行っていました。KURKKU FIELDSがオープンする前の農業しかしていなかった頃、KURKKU FIELDSのスタッフと仲間が友人だったこともありKURKKU FIELDSでキャンプを行ったこともあります。」
このキャンプが佐藤さんとKURKKU FIELDSが繋がりを持つきっかけに。
この時はKURKKU FIELDSのスタッフではなく、あくまでも場所だけを使わせてもらっていただけだったそうです。
佐藤さん「高校も大学も野外教育を専攻していて、子供のキャンプなどについて学んでいました。大学卒業後は奄美大島でネイチャーガイドをして、旅行のツアーガイドのようなものを行っていました。また、『PATAGONIA』という会社で10年働いていました。仕事をする上で会社の行いが地球の為になっているのか、誰かが悲しい思いをしていないかということを一貫して考えていました。」
常に環境のこと、人々のことを考えて自分に何ができるのかを追求して行動していた佐藤さん。他にもこの仕事を選んだきっかけがあったそうです。
佐藤さん「母親が数十年、有機野菜を使った地産地消のレストランをやっており、日々の暮らしで食との関わりや自然体験が身近にあったことも影響しています。」
佐藤さんは生活の中で“自然”と“食”を常に意識されてきたようです。
佐藤さん「KURKKU FIELDSのスタッフとの繋がりもあり、昨年1年間は外部のディレクターとして契約をしていたのですが、『スタッフとして一緒のチームでやりませんか?』と誘っていただきました。
もっとKURKKU FIELDSを前進させなければならないという思いもあって、スタッフとして働くことを決めました。そのご縁があって今に至ります。」
次に、KURKKU FIELDSで働き始めて私生活に変化があるかをお聞きしたところ…
ほぼ無い!とのこと。このことについて詳しく話を伺いました。
佐藤さん「就職には2パターンあると考えています。まず一つ目はなりたい理想像をもち、希望を抱いて入社して自分に変化があるパターンです。二つ目は同じ方向性の価値観のある所に勤めるから変化がないというパターンです。僕は後者の方で、昨年の自分と今の自分が全然違うというようなことはありません。だから僕の話は参考にならないかも(笑)」
また、幼い頃の話もお話をしてくださいました。
佐藤さん「小学生の頃から親が環境などに関心があって、今話題になっている環境問題にも当初から興味を持っていました。夏休みの宿題でも環境のことについて研究して、当時は一般的で無かったことに取り組んでいたのでアウトローな感じだったかもしれません(笑)でも、それが自分の中では当たり前だったので。その時から一貫して自分の気持ちは変わっていません。」
KURKKU FIELDSでは循環型社会を目指す様々な取り組みが行われています。その中でも佐藤さんが実感する“循環”についてお聞きしました。
佐藤さん「“循環”にまつわるお話をするときに、高校生や大人の方達よりも小さい子の方がダイレクトに伝わっていると感じます。僕たちが伝えたことに対して疑問を持ったり興味を深めたりしてくれて、後世に続いていく。そうしたときに循環していると感じます。」
人を介する循環が環境の循環につながっているのですね。
佐藤さん「また、活動における“循環”に関しては、人によっては嫌かもしれないけれど虫が湧いたときに循環を感じます。コンポストをやっているときも新しい虫が混ざっていたり虫が増えていたりすると、自然と繋がっているということを感じますね。」
幼い頃から“環境”について考え、今も変わらず一貫した価値観のもとに行動し続ける佐藤さん。
普段の生活の中にある“循環”に着目すると色々な気づきを得ることができます。そして伝えるということも循環させるための一つの手段になります。
素敵な価値観を持った佐藤さんは、普段どのようなお仕事をされているのか気になりませんか?そこで業務内容についても伺いました。
佐藤さん「僕は一つの店舗で働くスタッフというわけでは無いので、イレギュラーで、割と何でも屋さんです。ものづくりが得意なので、レストランのお皿を作ったり、養鶏場の修理をしたりとオーダーを受けながら仕事をしています。他にはお子様や大人の方に楽しんでいただける体験プログラムを考えることもあります。
11月からは最近オープンした宿泊施設『cocoon』が僕のメインの仕事になります。『cocoon』でお客様に寄り添う一日になるのではないかと思います。」
最後に、大学生や進路を決めかねている人へのアドバイスをいただきました!
佐藤さん「今の時代、自分の興味を活かせる場面が増えているように思います。なので、自分が何に興味があるのかをよく考えて欲しいです。自分がこうありたいという方向性をもち、その方向性に合った組織にいればもっと自分らしくなれると思います。」
佐藤さん「自分の興味があること、得意分野がわからないという人は親に聞いてみるのもいいかもしれません。これは心理学者の方も言っていたことです。親は長く自分のことを見てくれている存在なので、割と的確なアドバイスをもらえたりします。自分は新しいものを持ってきたつもりでも、親からすると『昔からそういうの好きだよね。』とバッサリと言い切ってくれることもありました。」
ちなみに、佐藤さんは就活をしたことがないそうで、履歴書もあまり出したことがないという程ご縁で働いてきたと仰っていました。
常に大切にしていたことは“この人と働きたい”という場所を選ぶこと。
佐藤さん「憧れの人を見つける為にもインターンに行ったり見学に行ったりして、人と会ってみることは大切です。人との関わりは幸せにもストレスにもなるので、どのような人と関わっていくのかを大切することが会社にいる時間の充実度にも繋がります。業務内容は好きだけれど、人との関係がうまくいかなかったら好きな仕事も嫌いになってしまいます。叶うことばかりではないけれど、自分を良い環境に置くことができたらいいと思います。」
おわりに
食は人が生きていく上で欠かせない存在であり、私達の一番身近なところにあります。
しかし、せわしなく過ぎる毎日の生活の中で、食について深く考える機会はそう多くないと思います。
生産者の方々は生産工程で環境のことを考慮したり、様々な工夫を施したりして、私達消費者に美味しい食を届けてくれています。
それなのに消費者である私達はただ当たり前のように食べるだけではどこか寂しい気がします。
私達ができることは、まず『知ること』だと思います。それはちょっとしたことでもいいんです。
例えば、食品のパッケージを見て、生産地を知る。そこにはどんな人がいて、この食品を作っているのかを思い浮かべてみる。
ひとつひとつの食材には必ず誰かが携わっていて私達消費者と繋がっています。
そのことだけは忘れないように毎日の食事を味わいたいと思います!
過去2回の体験ツアーの記事
知る、体験する、サステナブる。 in KURKKU FIELDS①
知る、体験する、サステナブる。 in KURKKU FIELDS②
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