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十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。/遠藤周作





積読本📚の中から、遠藤周作さんのエッセイ
「十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。」を拝読しました📖´-
(2024,2,29 読了)





本書は執筆されてから46年後に原稿が発見され没後10周年に発刊された一冊です。巻末の山根道公さんの解説には「天国からの贈り物」と書かれていました。
この原稿を執筆されていた頃、遠藤周作さんは結核が再発し入院中だったそうです。そんな苦しみの中執筆されたとは拝読している最中には全く気づかず。
ご自分が苦しみの中にいることは一切触れず、読者を鼓舞し寄り添い時には笑わせて楽しませてくれるような内容でした。



遠藤周作さんは不器用人間の欠点を長所に変えるのは一寸したこと。それは手紙を書くこととおっしゃっています。
本書ではシーン毎の手紙の書き方を分かりやすく書いてあり、それは手紙だけに留まらず文章術へとも繋がる内容です。
先に拝読した「三行で撃つ/近藤康太郎」の中に書いてあることとリンクするところも多くありました。



・すべての文章は書き出しで決まる
・慣用語になっているような形容(名詞)を使わない
・読む人の身になって 等々




「三行で撃つ/近藤康太郎」と併せ、改めて書くことは生きることに繋がると感じます。文章術には生き方へのヒントがある。だから私は好んで文章術の本を拝読しているのかもしれません。



遠藤周作さんのエッセイはこれで二冊目ですが、聞いてはいたものの本当にユニークな方だということを本書を拝読して実感しました。真面目に文章術について書かれているのに突然吹き出してしまうような箇所がいくつかあります。

隣の家の奥さんの顔でも心の中に想像して頂きたい。不幸にして隣の奥さんが七十二歳になる梅ボシ婆ぁである方は、仕方ない、自由にお知り合いの娘さんのことを考えて頂こう。




梅ボシ婆ぁさんを想像してゲッソリして慌てて頭の中の梅ボシ婆ぁさんを消している人を想像して笑ってしまいました。
こんな風にユニークな例えがちょこちょこ出てくるので楽しく拝読できました。
楽しく学べるようにという遠藤周作さんの思い遣りが溢れているように思います。



現代では手紙よりも、LINEやSNSのDMでのやり取りの方が増えましたが本書に書かれていることは現代でも十分に活用できるものです。
そしてたまにはデジタルなものばかりに頼らず手紙でも書いてみようかなという気にもなりました。大切な人には特に。





これにてやっと2月分の読書感想を上げ終わりました。次は読書記録をまとめなきゃ。
そして3月分の読書感想も溜まりだしているので、早々に取り掛かろうと思います。



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