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2022.12.17(今)

5℃。外は5℃らしい。車の中からだと5℃がわからない。5℃ってどんなだっけな。
ギターを弾く。あの人のギターもあの人もギターもいい音だった。しかしこの腕の中で鳴る音はなんだろう。ぼろぼろの音。なんだってみんなあんなに簡単そうに音を鳴らしているんだろう。ひとつひとついい音を鳴らしたいが現実に聞こえるのは「びやん」「びーん」。ぼそぼその音。悲しいくらい拙いギター。それでも弾けたらきっとなにか自分の世界が少し変わる。はず。だから私はギターを弾く。
雨。雨の日は生活を考えると煩わしいが感覚的には嫌いじゃない。雨の音、雨を含んだ匂いと空気、灰色のしっとりした冷たい世界。
寒い寒いと子どもと一緒に家で過ごす。お互い違うことをしながらもしゃべって戯れあって。これは今限定の特別な時間らしい。わかってはいるが実感がない。子どもが生まれた時から今だけの時間は続いている。いつだって今だけ。今しかかまうことはできない。今だけを見て歳をとっていったら分厚い今ができるのかもしれない。
子どもを湯たんぽにして寝る。

読了本『緑の歌』
台湾の女の子を支えてくれたのは日本の文学と音楽、そしてそれを教えてくれた人。あの時代の熱さやまっすぐさや青さや苦さ、焦燥感。そういうものが物語の中に溢れていた。あのころの全てを抱えて抱きしめて生きていくんだと思う、人は。


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