わたしたちが乗り越えられない心の傷と向き合う方法
自分の人生で、ふと、自分を掴んで離さない影がある。
乗り越えたつもりでも、実はまだ乗り越えられない、それ。突然後ろからぎゅう、と自分を引っ張って、暗い穴にまた引きずり落そうとする。そんな影と立ち向かうには、どうすればいいのか。
それは、「安心できる場所を確保すること」だ。
先に言っておくが、これは「人に依存する」と言うよりも、「自分のポケモンセンターを確保する」と思ってくれたほうがいい。たとえバトルをして体力を失って瀕死になっても、ここへ来れば回復できる。
「安心できる場所」って、そういう場所だと思う。
○「安全である」と思えることの大切さ
基本的に、人間の第1優先事項は、わが身の安全だ。いやらしい響きに聞こえたら申し訳ないのだけど、それは生存本能として備わっている。
人間の欲求レベルで見てみよう。
▼これは、マズローの欲求5段階説である。
「安全の欲求」は、衣食住が確保された次にある、比較的初期段階の欲求だ。これはなにも身体的なものに限らず、「気持ちの安全性」も含まれる。
ふとこちらに影を落としてくる「それ」は、精神の安定を脅かすもの。だからこそ、私たちがそれを恐れるのは、当たり前だ。だから、一生懸命乗り越えて「怖くないもの」にしようとしたり、視界に入らないよう、外に出てこないよう蓋をしようとする。
だけど、いつ蓋が開くかわからない場所に、ぎゅうぎゅうに「それ」を閉じ込めて、それが蓋の隙間から出てくるたびにヒヤリと冷たいものを感じたり、隙間から伸びた手で暗い所へ落とされるかもしれない、なんて思いながら暮らすことの、どこに安心があるというのだろう。
「いつか、またあいつに暗い所へ引きずりこまれるんじゃないか…」
そうやって、実は恐々生きてるのって、結構しんどい。私はしんどい。
じゃあ、どうすればいいか?
「そいつ」を怖くない存在にするか、抹消してしまうかしか、ない。
○「影」と向き合う方法
さて、怖い「そいつ」を抹消することは、多分厳しい。いきなり抹消できるくらいなら、「そいつ」はそんなに私たちに巣食っていない。
どうなると、「そいつ」が思っていたより怖くないと思えるようになるか、「そいつ」より強くなるしかない。
年齢を重ね、経験を重ねるにしたがって、自然と「そいつ」より強くなっていて、「たいしたことない」と思えるパターンは、多くある。
それでも、何かが引っかかって、今の自分なら十分対処できるのに、その瞬間だけ、それを「乗り越えられなかった」時の自分でしか対処できない、という現象がある。「影」に捉われてしまう人に、非常によくおこる現象である。このnoteをここまで読んでくれている人は、きっと経験があると思う。
そんなときは、目の前に「怯えている子ども」を想像してほしい。怖いものに怯えて、すくんでしまっている子ども。それがあなただ。
その子に、あなたはなんと声をかけるだろうか?
その言葉を声に出して、自分に聞かせてあげてほしい。
これは、臨床カウンセリングでも使われる手法だ。
いきなり強くはなれないし、いきなり「そいつ」との付き合い方をマスターなんてできない。だけど、自転車の補助輪が練習するうちにとれるように、何度かやっていれば、付き合い方は見えてくる。
扱い方がわかれば、もう怖くない。自分が「なんてことない」と思えたら、それより強くなったことになる。
問題は、治っていないキズが痛むこと。だから「回復のためのポケモンセンター」が必要なのだ。絶対安全だと思える、安心できる回復ポイントが必要なのだ。
ポケモンセンターは多いほうがいい。回復させてくれる人が周りにいれば、それは素晴らしいし、元気になれる趣味があれば、最高だ。
自分の1番近くにいるのは自分だから、自分にはどうか自分を責めない存在であってほしい。それが難しい人がいるのもよくわかっているから、その人は、同じ状況に自分の親友がいたらなんて声をかけるか、で考えてとりあえず声に出してほしい。自分にそう思えなくても、声にさえ出せば、耳は聞き取ってくれる。
そうやって、自分が自分の安全基地になれるように、たくさんのポケモンセンターをフル活用してレベルを上げて、少しずつ、時間をかけて「そいつ」を攻略すればいい。
あなたが「影」に怯える日々が、1日でも早く終わりますように。
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