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書籍「脳を鍛えるには運動しかない」の読書初級者目線の要点まとめ

この本は「運動をすることにより脳や体や精神に良い影響が出る事やその運動内容」の本です。
脳の仕組み(ホルモンや栄養素の話)や臨床試験のデータなどを用いて裏付けのあることとして述べられているのが特徴です。

人は走るべく生まれついている

まずは前提の話です。

人類の10万年の進化の過程で大半が狩猟採集であり、絶えず動いていた。
食料を探し回ったり、時に走ったり、また獲物を全力疾走で追いかけることもあった。
今日はこうした狩猟採集はないが、その活動をやめると10万年以上の生物学的バランスを崩してしまう。

この古代の活動は大まかに次のように分類できる。
ウォーキング、ジョギング、ランニング、全力疾走

長く続いてきた人類の遺伝プロセスは早々変えられるものではない為、この祖先の日常活動をマネするというのが著者のアドバイスです!

ウォーキング、ジョギング、ランニング、全力疾走

低強度の運動:最大心拍数55~65% ウォーキング
中強度の運動:最大心拍数65~75% ジョギング
高強度の運動:最大心拍数75~90% ランニング
高強度の上限:最大心拍数90%~ 全力疾走

高強度の上限は苦しいものの効果は絶大で、近年専門家の関心を集めているようです。

やる時間の長さ

週に六日何らかの有酸素運動を45~60分行う。
四日は中強度で長め(30分以上)
二日は高強度で短めにし、筋トレを含める
※高強度は二日連続でやってはいけない!

45~60分の時間に低強度運動の時間も含めてよいと思います。

ただ継続することが大切でいきなり長い時間を設定すると、やる気をなくして辞めてしまう可能性が大きく、設定時間はあくまで理想値で調整してよいとアドバイスもあります。

また現在の体調から中高強度の運動が出来ない人は無理をせず、低強度から始めて慣れれば強度を上げていくと言われています!

ウォーキング

血流が増し、セロトニン、BDNF、ノルアドレナリン、ドーパミン、その他栄養因子が生成される。
脂肪が燃料として燃やされ、代謝がさかんになる。

・BDNF=脳由来神経栄養因子
液性蛋白質でニューロン回路の成長(脳のインフラを維持、構築)を促す。
・セロトニン
幸せホルモン、抗うつ、ノルアドレナリンとドーパミンの過剰調整。
・ノルアドレナリン
緊張や不安、集中、積極性をもたらし、ストレスに打ち勝とうとするときに働く。
・ドーパミン
 喜びや快楽、意欲をもたらす働きがある。

ジョギング

脂肪だけでなくグルコースも燃やすようになる。
脳細胞の内側では、代謝系の掃除屋であるタンパク質や酵素が放出され、フリーラジカルやDNAの破片や細胞の破壊をもたらす炎症因子を除去する。
ストレスや不安を軽減する因子も放出される。

ランニング

体が緊急体制に入るのでかなり強く反応する。
高強度の上限あたりでは有酸素から無酸素に移行。
中強度との違いは、無酸素運動の域に達すると成長ホルモンHGHが放出される。
HGHは腹部の脂肪を燃焼させ、筋肉繊維の層を作り、脳の容量を増やす。
通常血中にわずか数分しかとどまらないが、全力疾走を含むトレーニングをすれば、上昇した状態を最長四時間維持できる。
加齢による脳の減少を逆行させると考えられている。
HGHは血中に自然分泌される量が加齢とともに減少し、中年になると幼少の頃の10分の1に減る。
さらに座りっぱなしの生活はこの現象に拍車をかける。

HGHは素晴らしいものですね!
高強度の運動はぜひ取り入れたいものです!

より効果を高める運動

複雑な動きのある運動がよいとされています。

マウスの実験結果
・ただ走らせただけ:BDNFに変化なし
・障害物のある複雑な運動:BDNFが35%増加

複雑な動きは脳を使うので、そういうスポーツもよいとされています。

心血管系と脳を同時に酷使するスポーツ

テニスや武術など。

逆に運動の効果を下げてしまう行為

イヤイヤ強制された運動であるとされています。
全くないわけではないものの、自発的運動ほどの効果は出ないそうです。

いきなりハードルを上げず、モチベーションを保てるレベルから始めていくとよさそうですね!

依存症対策

どちらかというと依存症に特化した話をします。

2004年にロンドンで行われたアルコール依存症患者での研究
①中くらいの強度でエアロバイク
②軽い強度でエアロバイク

①の方が効果が大きかった。

高強度の運動がアルコールへの渇望が劇的に抑えられるようです!

運動中に生成されるドーパミンが、受容体に結びついて渇望を抑え、多くのD2受容体が生成され、報酬システムのバランスが回復されるからです。

週に五日(できれば毎日)、高強度な有酸素運動を朝に行うことがオススメのようです。
しかし、夜の晩酌対策をしたいならば夜、すなわち抑えたい衝動の前にするのが効果的と述べられています!

さいごに

この本はとても内容が濃く様々なことが書かれています。
専門用語も多く難しいですが、要はどうすればいいの?というところはまとめたつもりです!

ここで紹介したものは一部で、自分の欲しい情報がメインとなっています。
他にも「うつ」「不安」「注意欠陥」の話や「加齢」「食事」の話などもあります。

運動をされていない人はまずなんでもいいから始め、継続できるように日数や時間は低めに設定して柔軟にやるとよいでしょう!

私も運動はしていましたが、これを読んでまだまだ日数が足りていないと思いました。また高強度をほとんどしていませんでした。
実践内容はいつかまたNoteで報告したいと思います!

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