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GOOD WAR TOUR 8. ドボートー

東京から、音響のおにぎり海人さんがやってきた。
天一の本店に行ったらまだ開いてなくて、祇園で4000円のゆば定食を食べたらゆばがカピカピでおいしくなかったらしい。京都限定なんだと思って八つ橋グミを3つ買ったら京都限定でもなければめちゃくちゃまずかった、と言っていた。
とりあえず今のところ京都の印象は最悪。

一度目の通しを終え、「良かったです! 今まで一番良かったんじゃないでしょうか」と朗くん。
「そりゃそうやろ」と諸江さん。最新の3人なのだから。

その後ふたりになって、今はちょっとまとまりすぎている、綺麗すぎる、と朗くん。
だからすこし、手を加えてゆく。
沖縄で見た、証言ビデオ。
あれは、実体験から40年とか経って、自分自身の経験に対して既に批評性を持ってしまっている。
今この現場も、似たようなことになっているのではないか。

途方もないぐちゃぐちゃな部分を今後テキストに加えていく。
前回、初演の時は残さんがその部分を担っていたのかもしれない。
意味の分からなさというか、まだ整理しきれていない、混沌とした部分。
そういう部分を抱えていないと、進行形の状態で語ると言うことがなかなか機能しないのではないか。

言葉のメッセンジャーから感情のメッセンジャーへ。

思えば、私は人と争ったことってほとんどない気がする。
いつも自分の、自分との、小さな戦いでしかない。
でもそれが私にとっての戦いのすべてな気がする。
大きな戦い? 争い? について、私に何か言えることがあるんだろうか。

最後のせりふのとき、伊奈さんは何を考えてるんだろう?
「カムオン」の「カ」と「みず」の「み」が重なって、深い洞穴の音がした。

京都芸術センターでの稽古をいったん終え、明日から京都組も東京入り。
各々の手段で各々東に向かい、現地でまた会いましょう。



稽古12回目
日時:2021年12月22日(水)
出席:河井、伊奈、諸江、渡辺、おにぎり、田中
場所:京都芸術センター 制作室4

本作は2021年2月に京都で上演された『GOOD WAR』のリクリエイションを行い、大阪と東京で公演を実施します。

『GOOD WAR』は、私たちが「あの日」と聞いて想像する争いと日常で構成されています。
私たちは生きている限り、これからも誰かと戦い続けなければいけません。現時点で戦っていなくても、生きている限りいつか争いに巻き込まれます。『GOOD WAR』ではいずれ来る「その日」と、過去にあった「あの日」との向き合い方を鑑賞者と共に考えるべく、だれかの「あの日」で集積された記憶のモニュメントとして演劇作品を立ち上げます。

GOOD WAR

原案 『よい戦争』(作:スタッズ・ターケル 訳:中山容 他 1985年7月25日出版:晶文社)
構成・演出 河井朗
ドラマトゥルク 蒼乃まを、田中愛美
出演 伊奈昌宏、諸江翔大朗、渡辺綾子
美術 辻梨絵子
音響 おにぎり海人、河合宣彦
照明 松田桂一
制作 金井美希
制作協力 (同)尾崎商店、黒澤健
衣装協力 MILOU
記録 田中愛美

日時・会場
2021年12月25日(土)〜12月26日(日)|こまばアゴラ劇場
2022年1月26日(水)〜1月30日(日)|クリエイティブセンター大阪 Drafting room(名村造船所跡地)
2022年2月10日(木)〜2月15日(火)|北千住BUoY


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