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騒がしい夏が鳴っている。

(2023.8.8 の書き置き)

 
頭の中、記憶の中、心の中が波打っている。

「夏が嫌いになりそう。」
「私、夏生まれなのに。」

少し汗ばんだ額に、眩しそうな瞳をしていた彼女が言った。

少し斜めから入る太陽の光が、彼女の瞳を飴色にさせていた。

夏は騒がしい。
街の人々は、颯爽として歩いている。


イベントが多い。
何故、こんなにも気温が高く、
ただでさえ外に出たくないのにイベントごとが多いのだろうか。

頭の中、身体の中が無意識に蠢いている。

年々上昇する気温。
高騰する物価、光熱費。
荒ぶる鼓動。

夏に始まり、そして夏で終わる。

そんな出来事が多い気がした。

「夏で得たものは夏に置いていけ。」
という、夏からのメッセージなのだろうか。

意地悪なものだな。

プラマイゼロと言うことなのか?
いや、そうじゃない。

喪失感だけが取り残されて
そして、秋を迎える。

徐々に日が短くなっていくのをカーテン越しに感じている。



秋は短い。
一瞬だ。
日が短くなったなと思ったら、
夜風が肌寒い。
それが、秋。

そして、気づいた頃にはもう、冬が迎えに来ている。


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